志望校判定サピックスオープンの平均点・分析・今後の対策(6年生)

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【サピックス4-5年生】志望校診断サピックスオープン(SO)の概観/分析/対策

▼サピックスオープン解説はこちら(テストが近づけばご覧になれます)

志望校診断サピックスオープンは午前中に思考力をはかるBタイプ、午後に技術/知識をはかるAタイプが実施されるテストで、サピックスの中でも最も長丁場のテストになります。

算数/国語はB:45分 A:35分、理社はB:30分 A:20分と1回あたりのテストの時間はそこまで長くはありませんが、合計では普段より重量級のテストになりますし、何よりも「Aだけ」「Bだけ」と別々に偏差値が出るため、お子様の現状をより深く知ることができる機会になるでしょう。

1: 志望校判定サピックスオープンの平均点と偏差値60ライン(4科目)

過去5年間の4科目平均点は以下の通りです。満点が1000点(普段の倍)になっています。

平均点偏差値60ライン
得点477.60592.30
得点率47.76%59.23%

過去3年間の「A:技術」の4科目平均点は以下の通りです。

平均点偏差値60ライン
得点276.10344.20
得点率55.22%68.84%

過去3年間の「B:思考力」の4科目平均点は以下の通りです。

平均点偏差値60ライン
得点207.90261.00
得点率41.58%52.20%

算数の平均は最新のサピックスオープン解説よりご覧ください。(テストが近づきましたらご覧になれます)

過去のテストの解説はこちら

◯平均点の分析

普段の6年組分けの平均点の得点率が50%強であることを考えると、それより得点は低く難しくなっております。

ただし、A(技術)とB(思考力)の得点率の差が激しく、2022年はAが57.6%、Bが35.7%が平均でした。

つまり、Aは普段の組分け・マンスリー同程度の難易度と言えるため、ここで確実に得点したいところです。

翻ってBの思考力は非常に難しいと言えます。

◯偏差値60ライン(≒アルファクラス基準)の分析

偏差値60ラインは60%弱となっており、普段の組分けテストでは67%程度で偏差値60に届くことを考えると、難しいです。

平均点との差が10%程度と小さいことからも、多くのお子様が平均点あたりで団子状態になっていると推測されます。

したがって、もし「やや高い得点」をとることができれば、組分けなどよりも偏差値60までの壁はそこまで遠くないと言えるでしょう。

中学受験算数は、大きく「知識・技術」と思考力とに分かれます。

サピックスでは、A「知識・技術」とB「思考力」を切り分けて測る目的でサピックスオープンを実施していますが、それぞれの解釈と今後の対策を以下記載します。

2: 志望校判定サピックスオープン A(技術)の分析と今後の対策

図4

知識・技術は大きく三階層に分かれております。一段階目と二段階目は塾の進度によって異なりますが、サピックスのカリキュラムではこのような構成になっていると解釈します。

その上で、4-5年向けサピックスオープン の分析・対策の記事にも記載させていただきましたが、今回のサピックスオープンAは、一段階目の「5年生までで学習する知識・技術」を問うものでほぼ構成されておりました。逆に言いますと、2月段階で受験してもさして成績が変わらない可能性があるテスト(自宅で復習に取り組んだ方を別にすると)ということです。

従って、これだけでは「知識・技術が十分か」を測ることはできません。まだ、二階層目を学習途中であることもあり、あくまでも二階層目と合わせて初めて「知識・技術の基礎が十分」と判断することができますので、直近のマンスリー・3月の復習テストも含めて判断していく必要があります。

一番危険なのは、「復習テスト」「マンスリー」が悪く、今回のサピックスオープンAが取れているので、もともと、実力テストの「組み分けテスト」「サピックスオープン」に比べて、「マンスリー」はあまり得点できないタイプの子供だから別にいいや、と6年生で習得する知識・技術が未定着のまま流してしまうことです。

また、対策・リカバリーとしては、それぞれ

一階層目→5年生の復習
二階層目→6年生になってからの復習

がメインとなります。

中学受験コベツバでは、それぞれの対策サービスを配信させて頂いております。

5年生〜6年生前期までの全ての入試土台技術を効率的に復習できる「コベツバweb授業」もございますし、または「コベツバのサピックス解説StanBy」にて5年生〜6年生の解説と類題が揃っておりますので、気になる方はそれぞれ無料体験いただけばと思います。

詳しい方法やどちらが良いか知りたい方は、6年生前半での技術の土台固めについての記事をご参照ください。

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3: 志望校判定サピックスオープン B(思考力)の分析と今後の対策

思考力については、

・思考力の4つの種類
・思考力が求められる学校と学校別の特色
・思考力の伸ばし方

等を、以下の記事でご紹介しておりますので、ぜひご覧ください。

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この記事では、中学受験算数で大切になる「思考力」とは何か? 近年のトレンドと学校別の思考力のパターン、そしてその伸ばし方についてお話しいたします。時に、思考力は「地頭」とほぼ同一のものとして語られます。「思考力を伸ばす」と[…]

4種類ある思考力の要素のうち、学校ごとに求められる思考力の要素は異なります。(詳しくは上記の記事をご参照ください)
サピックスオープンでは問題数が多くないこともあり、全ての要素が出題されているわけではありませんが、コベツバの志望校判定サピックスオープン解説ではどの要素が求められた問題であるかを記載いたしますので、気になる方はご参照ください。


思考力を丁寧に測定するには、過去問や学校別サピックスオープンを待たざるを得ないのだとも思います。(当たり前ですが)

では、対策となると、以下が考えられます。

◯サピックスのテキスト

・土特で一部のクラスで配布:最難関中プリント
・5年生サピックスの「思考力の養成」「思考力アップ」

◯過去問

◯コベツバの教材

・コベツバweb授業の「思考力テスト」(表彰・競争つき)
TopGun特訓の「論理・推理」

が思考力系に触れる問題になりますが、特に「振り返り」を行なっていくのが成長を加速させるだろうと思います。思考力の伸ばし方については先程のの記事をご参照ください。

「思考力」とは何か? 〜近年のトレンドと学校別の思考力のパターン、伸ばし方について〜


解いて終わり、答えを見て終わり、ではなく、「もう一度、初めて取り組んだ時に戻るとすれば、何ができていれば、どう動いていれば、解答にたどり着けたのか」を丁寧に自分の頭で振り返っていくことです。その振り返っていく際に、思考力のそれぞれの要素を手がかりにどこが、何が足りなかったのか、どうすればよかったのかを考えていくことが重要です。

言語能力が高いお子様であれば、自分の言葉で「振り返り」を書かせるところまでしても良いかもしれません。

一問一問に時間がかかるタイプの問題だからこそ、それを確実に成長に繋げていくことが何よりも重要かと思います。


以上

今後の学習を進めていくご参考になれば幸いです。

コベツバでは、サピックステキスト解説・対策のStandByにて、SAPIXテキストの全問解説動画、マンスリー確認(復習)テスト・組分けテスト対策(解説動画付き)を配信しております。

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