女子学院 入試問題(過去問)の動画解説と傾向分析-2019年算数-

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by 村中  公開: 更新:

ここでは、2019年に行われた女子学院の入試問題(過去問)の傾向を分析し、来年以降の志望者に向けた対策の大まかな方向性を示していくことで、第一志望のお子様・保護者様が適切に対策の方向性を理解できるようにして頂くことを目的にしております。

 

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1: 女子学院の入試(過去問)の全体感

まずは、2019年の女子学院で出題された算数入試問題(過去問)の分析表をご確認ください。

図4 図4

例年、難易度Aの問題が7割前後出題される傾向がありましたが、2019年は一転して最難関中レベルの問題セットの出題となりました。

出題されたポイントとしても、「回転数の公式」「立方体の展開図の分類の切り口」「文字盤を回転させた時計」「不定方程式→あまりの世界」という高度な知識・技術を要求するものに加えて、これまで出題されていた「対称性を用いた求角」「工夫の条件整理」と言う伝統的な問題も、継続して出題されたものの、攻め口が見えづらく明らかにレベルを上げてきた意図を感じました。

2019年の受験生は、女子学院と言えば、母集団の質の割に問題構成が易しく、「スピード」「正確性」「基本ポイントの網羅性」重視の試験でしたが、一転して「発展的なポイント」を問いに来る構成になりました。

この難易度の問題セットが今年限りのもので、来年にまた戻るのかどうかの判断はできないものの、今年出題された論点は勿論のこと「頻出単元は、発展的なポイントも学習しておくこと」が、2020年以降もやや易化するにしても非常に望ましいです。

テーマ自体は、「平面(求積と求角)」「時計算」「図形の移動(円の転がり)」「場合の数」「論理・推理」という例年通りの構成でしたが、その頻出テーマの中で難易度を上げた構成となりました。

 

その上で、今回の試験で要求されたことは、

1: 「発展的ポイント学習」

2: 「作図・整理能力」

3: 「得点最大化を判断する力」

の3点に尽きるかと思います。

1: 「発展的ポイント学習」

典型的な問題で7割前後が構成されていた内容から一転して、発展的なポイントが出題されました。

1番(3)

対称性を用いた求角も、すぐに見えるものではなく数多くの線から必要な線だけを認識しにいく必要がありました。ただ単に漫然と角度問題を消化しているのではなく、「対称性→垂直二等分」という見立てができていなければ、正解に到るまでに時間がかかっただろうと推測します。

2番(2)

「回転数の公式」を使わせる問題です。そもそも学習したことがなければ難しかっただろうと思います。

3番

「立方体の展開図を段ごとの数で分類して調べる学習」を経験したことがあるかどうか、で正解できるかどうかに差がついたと想像します。立方体の展開図の「全パターンを覚えているかどうか」ではなく、「パターンを分類して展開図の理屈をイメージして出していくこと」を経験したことがあるか、が重要な問題だと思います。後者の経験があれば全パターンを覚えていなくとも、その場で問題なく解くことができます。

才能の違いでもなければ、単に暗記しているかでもなく、関わった算数指導者の力量差が出る問題でした。低学年のテキストに入れて、立方体の展開図を学習するときに是非使って欲しい問題ですが、女子学院で出題とは驚きました(ただ、1:1:2有名三角すい台の展開図問題も出ており、有名立体の展開図は発展的なところまで学習して欲しいと言うことと理解します)。

4番

後半は、古典的な「文字盤を回転させた時計」の問題。入試に出題されることが珍しいのですが、これも経験がないとできないでしょう。知らない場合も、不定方程式→あまりの世界、で強引に解けてしまいます。

5番

つるかめの中でも分かりにくい「差のつるかめ」から入って、オチは「不定方程式→あまりの世界」でした。「不定方程式」自体は、女子最難関の桜蔭中学で頻繁に出題されることもあり、学習している子供たちも多かったかと思いますが、桜蔭中学の場合はLCM交換で全て求めさせるものが多いタイプで、こちらは不定方程式の1つ目の組合せが見つけにくいタイプと言う違いがあり、「あまりの世界」を学習しているかどうかで所要時間に影響が出るタイプでした。

2: 「作図・整理能力」

図形の移動での作図、また作図ではありませんが対称性の求角の図形自体の把握、さらには煩雑な条件をまとめ上げさせる文章題と論理・推理、自分が認識しやすいようにいかに図や条件をまとめ上げることができるのか、を中長期的に鍛え上げていくことが求められます。

3: 「得点最大化を判断する力」

今回のように難易度が高いテストになれば、限られた時間の中でいかに得点を最大化できるかが問われます。難易度の高いテストにおける点数最大化の訓練も日々のテストを通じて一つ一つ、「どこを解けばよかったのか」ということを振り返りながら、身につけていくことが重要です。

 

2: 2019年女子学院入試(過去問)算数問題ごとの解説動画

大問1番:

1番(1)

 

1番(2)

 

1番(3)

 

1番(4)ア

 

1番(4)イ・ウ

 

1番(5)

 

大問2番:

2番(1)

 

2番(2)

 

大問3番:

3番(1)

 

3番(2)

 

大問4番:

4番(前半)

 

大問4番(後半)

 

4番(後半)別解

 

大問5番:

5番(前半)

 

5番(後半)

 

大問6番:

6番(前半)

 

6番(後半)

 

3: 女子学院の志望者に向けた入試対策の方向性

1: 「ポイント学習の広さ」

一転して難易度が高くなったとはいえ、この難易度のまま継続するかどうかには疑問を覚えます。平均点を出さない学校ではあるものの、今回の平均点が低すぎるという話には恐らくなろうかと想像しますので、一定の「揺り戻し」が入るのではないかと想像します。ただ、学校としては、テーマはそのままで、難易度を上げたい意向もあるのではないかとも思います。

頻出テーマ、頻出分野については、2019年は出題されなかった「水」「水グラフ」「グラフ」に加えて、「割合を使わない文章題」「割合を使う文章題」「平面図形(割合無し)」「平面図形(角度/特に対称性の活用)」「立体図形(割合無し・有名展開図も合わせて)」あたりを、網羅的に身につけていきつつ、奥の深い単元については発展的ポイントまで対策しておくことが望まれます。

2: 「高い整理能力」

割合無しの文章題や、論理・推理の問題では、高い整理能力が要求されることから、整理するときの「型」を身につけていき、初めて見る問題でも適切な整理ができる状態にまで学習しておくことが望まれます。

3: 「素早く正確な処理能力」

やはり時間内に得点を最大化するためには、速さと正確さも重要になります。

 

以上です。
今回は女子学院2019年の入試(過去問)分析でした。来年度以降の志望の方にとって、少しでも今後の算数の学習のご参考になれば幸いです。

中学受験コベツバは、女子学院志望の小学生とその保護者様をエンパワーし続けられる存在になるべく引き続き頑張って参ります。

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