【お知らせ】南山女子中 10年分の過去問動画解説を、2021年8月までに配信致します!
この記事では、2021年南山女子中学入学試験について、偏差値・受験者数・平均点・合格最低点をご紹介した上で、1月30日の試験(算数)の、プロ講師による所感・問題別難易度分析・全問解説動画を掲載しております。
本試験を受験されたご家庭や南山女子中学志望者にとって、2021年の学校動向把握や問題の解き直しに役立てていただけるものとなっております。
中学受験コベツバでは、洛南・東海中学の速報を含む、日本全国の35校の入試解説・所感と難易度分析、来年度に向けた対策を公開いたします。入試速報・志望校別対策コーナーから他の学校も是非ご確認ください。
1:2021年入試の基本データ
1-1: 南山女子中学80%偏差値(四谷大塚/日能研/浜学園)
| 四谷大塚 | 日能研 | 浜学園 |
---|
2021 | 63 | 60 | 56 |
2020 | 65 | 61 | 56 |
1-2: 南山女子中学の受験者・合格者数・受験倍率推移
| 受験者 | 合格者 | 倍率 |
---|
2021 | 681 | 174 | 4.05 |
2020 | 656 | 175 | 3.83 |
2019 | 690 | 180 | 3.97 |
2018 | 641 | 177 | 3.72 |
2017 | 659 | 175 | 3.82 |
2016 | 723 | 174 | 4.16 |
1-3: 南山女子中学の合格最低点・合格者平均点・受験者平均点
【4科目】
| 合格者最低得点率 | 合格者平均点 | 受験者平均 |
---|
平均 | 61.5% | 533.5(67%) | 431.1(54%) |
2021 | 59.9% | 520.0 | 419.7 |
2020 | 64.0% | 554.8 | 452.3 |
2019 | 59 | 514.8 | 414.8 |
2018 | 65.6% | 561.6 | 465.4 |
2017 | 59.4% | 516.8 | 411.4 |
2016 | 60.9% | 532.7 | 422.7 |
南山の合格最低ラインは約6割です。
【算数】
| 合格者平均 | 受験者平均 |
---|
平均 | 127.4(64%) | 95.2(48%) |
2021 | 110.2 | 86.7 |
2020 | 147.2 | 111.3 |
2019 | 127.6 | 89.7 |
2018 | 142.8 | 115.4 |
2017 | 128.1 | 97.5 |
2016 | 108.4 | 70.5 |
算数は4科目合計に比べて、合格者と受験者の間で得点率の違いが大きくなっています。合格者平均が約65%ということから、4科目と同様6割程度を目指すものの、実際は6割弱でも他科目が足を引っ張らなければ合格最低点に届くことでしょう。
1-4: 南山女子中学の科目別配点と試験時間
| 点数 | 制限時間 |
---|
国語 | 200点 | 50分 |
算数 | 200点 | 50分 |
理科 | 200点 | 50分 |
社会 | 200点 | 50分 |
最難関校は算国に傾斜配分されていることが多いのですが、南山は完全に4科均等型になっています。
2: 2021年南山女子中学入学試験の算数
2-0: 解答数値
問題PDF
解答PDF
※解答PDFにつきましては、1月30日18時40分に公開しております。
2-1: 所感
2021年度南山女子の入試でした。全体感としては問題量も多く難易度も高く、出題分野の網羅性も高い算数の総力戦の問題セットでした。
特徴としては、例年の傾向どおりの作図問題が出題されていること、近年の難関校のトレンド通り論述が入っていること、最難関校のテーマの一つである「(小問の)誘導」が多くの問題に散りばめられていること、でした。
また、中盤以降の大問のほぼ全ての後半の小問の難易度が高く、日本全国の女子校の中でも屈指の難易度だったかと思います。
難易度が高い入試の鉄則ですが、まずは取れる問題を選択して確実に仕留めること、そして母集団のレベルが高いライバル同士の戦いですので、その上でレベルBの応用問題に対してどこまで肉薄して得点することができたかで決着しただろうと推測します。
以下、レベルB以上の問題に対してコメントしておきます。
■3番(9):(1)を味わって解釈・状況を掴む、先頭が奇数偶数で検証
前の小問を味わって奇数・偶数を解釈の軸として、状況を掴むことが何よりも大切になる問題で間違っても全てを調べに行く手段をとってはいけない問題でした。
■4番(11):試行検証、割る数とあまりの大小関係に着目
オチ自体は非常にシンプルですが、理屈を説明させる問題ということでレベルBに設定しています。鍵になるのは「割る数」と「あまり」の大小関係でした。
■5番(13):誘導、(12)の利用
前問が誘導になっていることに気づくことができるかを問う問題だったかと思います。そこに気づきさえできれば、あとは検証にもそれほど時間をかけることなく進めることができます。
■6番:全体と空気の割合に着目
こちらもオチ自体はよく見かける問題でしたが、自分の手で作図を行って状況を把握する必要があり、そこに難しさがあったかと思います。技術的な論点を完全に手の内に入れられていないと得点できない問題だったかと思います。
■7番(17):追いついた時刻を①でおく、誘導・(16)の利用、同時刻同記号、キョリ一定
切り込み口が見えづらい珍しいタイプの問題でした。ただし、ここも鍵になったのは前問の問で、それをいかに活用するかから考えて行くことができるかで決まっただろうと思います。
■8番(19)(20):同じところ付け足し、直角○×、二等辺見つけ
(19)は技術的な問題でここは得点したい問題でした。(20)はどこから攻めて行くかが見えづらい問題ですが、これまで触っていない長さに着目して二等辺、最後は1:2の相似から決着させる問題でした。
■9番:円の個数の制約条件に注意、垂直二等分線の作図、等長の作図
円の個数を少なくするにはどうすべきか、という問題でしたが、元の長さが3辺の正三角形を作図する際に垂直二等分線も一気に作図することができるということに気付けるかが勝負でした。
2-2: 難易度分析
2-3: 算数解説動画
1番
2番
3番
4番
5番
6番
7番
8番
9番
3: 南山女子中学志望者向け 来年度に向けた対策
今年度の結果が出た段階で追記させて頂いております。
結果を見ると、受験者平均43%は出題の問題のうちレベルAの比率とほぼ同等かで、合格者平均55%はレベルAに加えてレベルBを2-3問合わせると突破することができると言う感触通りの構成になっていました。
つまり、決め手になったのはレベルAの取りこぼしを防ぎつつ、レベルBに肉薄してそのうちどこまでを正答できるかで決着した二段構えの内容だったと言えますし、レベルCの問題やレベルBでも、Cよりの難易度の高い問題は合格者の多くの人も出来ていないことが伺えます。
尚、出題分野としては幅広く「数の性質」「場合の数」「文章題」「平面図形」「規則性」と女子難関校らしいテーマと、南山女子の特徴と言える「作図」でした。また、レベルBの問題については明確な思考力問題と、技術を用いた応用問題、ということにはっきりと分かれていることも特徴と言えます。
ここまでを踏まえて、対策としては以下の通りです。
■基本技術を幅広く手の内に入れること
他難関校との明確な違いは大問の量が非常に多いことです。全国の同難易度の学校で言うと関東圏の慶應義塾中等部に近しく(かつ、難易度は南山女子の方が難しい)、それが故に基本技術では分野を絞ることなく網羅的に学習していく必要があります。
■応用技術を貪欲に身につけていくこと
テキストベースで学習する場合の応用技術や、あるいは使う技術は基本であるものの応用性が高い問題がレベルBとして出題されて得点差につながることから、普段の学習においても難問から逃げることは最終入試時点での1問2問の違いになって表れてくることが考えられます。他教科とのバランスも重要ですが積極的にチャレンジしていく姿勢を大事にして欲しいと思います。
■思考力を継続的に養成していくこと
今年度も大問3番、大問4番は技術的に解決できない思考力要素の高い問題でした。近年の難関校・最難関校は大問のいくつかがこういった思考力問題が出題される傾向が強くなっており、南山女子もこの傾向を踏襲していると言えます。
■作図問題の訓練
全国的にも非常に珍しい作図問題(中高一貫校の中学幾何の分野に近い)を出題する学校で、関東の最難関校の渋谷教育学園幕張と同じ傾向を持っています。通常の中学受験算数ではほぼ扱うことがありませんので、作図に特化した形の対策を行う必要があります。
4: 南山女子中学志望者向けの対策・動画配信サービス
最後にお知らせとなります。
中学受験コベツバでは、上記の分析・出題傾向を踏まえて南山女子中学志望の子供たちを対象に、以下のサービスを配信をしております。
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以上です。
来年度以降の志望の方にとって、少しでも今後の算数の学習のご参考になれば幸いです。
中学受験コベツバは、南山女子中学を志望されている小学生とその保護者様をエンパワーし続けられる存在になるべく引き続き頑張って参ります。