【5年生の学び 中学受験算数】『学年断層を超えて』-家庭での心掛け-

こんにちは。

今回は、学年の切り替わり時期ということで、「中学受験5年生の学習」というテーマでお話させて頂きます。

5年生は、中学受験算数の世界では最重要学年と位置付けられており、難関校突破に受験に必要な技術・知識を一気に毎週毎週学習していきます。

それは確かな理由があることですが、受け手側にある子供達や保護者様側にその理由が腹落ちして伝わっておらず、4年生までの学習の延長線上で構えていくと、5年生の中盤以降に成績が下降曲線に入っていく子供達が非常に多く現れます。それも確かな2つの理由があり、答案と得点、学習時間や方法を見ていくと、誰がどういう理由で落ちていくかも一定想像することさえ出来てしまいます。

ここでは、そういったケースに陥らないように、これからの一年間をどのように学習していくべきなのかをお伝えさせて頂き、来年の今頃自信を持って最終学年のスタートを切れるようにして頂くことを目的にしております。

また、以下のradioではこの記事に関連する、サピックス・予習シリーズ5年生の学びについてお話ししております。

1: 中学受験に挑む子供たちの脳と5年生の意味

集団講師時代から何百人もの子供たちの学びに触れてきて気付いたことは、どれだけ賢い子供達でも1回聞いただけの技術を、そのまま自由自在に間違いなく使えることは、ほとんどない、という事実です。

α1にいる天才は違うのではないか等思うことがあるかもしれませんが、そんなことはありません。偏差値70前後であっても最低2回、ボリュームゾーンである偏差値40-60(場合によっては65の方も)のゾーンでは通常3回、時間をおいて学習していくことで理解が深まり、更に忘却しなくなる状態になるのがほとんどでした。

一旦話を外して、中学受験難関校の数学の話をしましょう。

ほとんどの高校では高校2年までで、早いところでは高校1年で大学受験に必要な技術を習い終わります。高3では、実践演習と弱点補強、志望校対策がメインになります。その結果として、圧倒的な合格実績を叩き出していることはご存知の通りです。現在、東大の70-80%。京大の50%、国立医学部の合格者の大半が、中学受験難関校出身で占められているのは、もともと中学受験で鍛えられている子供達に、そこに合った形でのカリキュラムを学校側が敷いているからです。(授業の進度としてだけではなく、早いが故に応用的な問題まで中学や高校低学年時の学習でこなしてしまうのが、難関校です。入試がどのように変わろうとも、ほぼ動かないだろうと推測します。)

つまり、この層の子供達が「自分の手の内に入れて、技術を使いこなす」状態になるためには、ほぼ3回時間をおいて学習させる必要があると言うことになります。1回目ではそもそも使えないか、忘れてしまっている状態で、2回目であればまだまだ理解が甘い状態で間違って使ってしまうことがあり、3回目でようやく、「いつ使って、いつ使わないか」くらいまでもが体でも頭でも理解できるようになっていると言うのが一般的である、と多数の難関校合格者を見ていて思います。

子供が論点(新しい技術)を手に入れるまでの過程

もしかすると、保護者様は、

「1回聞いただけで全部わかってしまう天才だけが、難関校に入学できるのであって自分の子供では難しい」
「1回聞いてその時は分かっても、すぐに忘れてしまう自分の子供では難しい」

と、思う瞬間があるかもしれませんが、そんなことは全くない、と言う話です。

ごくごく一部の天才の話に尾ひれがついて話されているだけで、多くの難関校入学者もよくよく努力した結果、成績を向上させ、手の内に入れて使える技術を習得して、入試を突破していっているにすぎないと言うことです。

従って、受験学年である6年生の後半・夏休み以降になって「新しいことを初めて学習」したとしても、それは「本番では使えない」または「間違って使ってしまう」子供たちを沢山生みだすことになる、と算数の玄人指導者たちは、よくよく理解しています。

だから5年生が重要なのです。

「5年生の開始時期」から「6年生の夏休み前」までの時期にいかに多くのものに2回から3回触れておくか、が重要だと言うことになります。

カリキュラムやテキストに受験算数の香りがついてきます。
量も多くなります。

でも、それは自塾だけではありません。たとえ、最難関合格者の多い、サピックス・予習シリーズを利用する塾(四谷大塚本体/早稲田アカデミー/英進館)・浜学園だとしても、決して周囲の塾より自塾だけが難しすぎるということはありません。

サピックスの場合

テキストに掲載されている問題はデイリーサポートを例に挙げると、『発展以外のアプローチや確認編:A〜C』まではほとんどが重要なもので、確認編Dは発展のアプローチでも単元によってはサピックス偏差値60前後の学校で出題されてもおかしくない問題が掲載されていることがたまにあります。

確かに2019年度の5年生カリキュラム変更によって、アプローチ(発展)や確認編Dこれまでよりも難しい論点が盛り込まれることが増えました。

それでも本来それらは6年生で習っていたものなのです。そしてその論点は「6年生でなければ絶対に理解できない」ということはありません。現に、5年生時点で習っている他塾もありますから、単にいつ習うか、だけのお話なのです。

2018年までのサピックスのカリキュラムは5年生秋までは割と基礎が多い印象で、確かに基礎中の基礎を丁寧にやるには良いのですが、5年生冬以降、6年生に向けて急に難易度が上がる構成となっており、その難易度の壁の前に失速してしまうお子様が多い印象でした。(もちろん、それでもよく考えられたカリキュラムであり、最後までついていくことができれば、一部の特殊な最難関校を除く多くの学校の応用技術を習得できるものであったのは言うまでもありません。)

推測の域を出ませんが、サピックスの判断としては「結局身につけなくてはいけない技術ではあるものの、6年生と5年生の難易度の隔たりが大きく、6年生からでは身につかないお子様が多い」という判断からのカリキュラム改変であったのではないでしょうか。春頃まではまだあまり改定の影響は多くありませんが、夏前の「場合の数」や秋の「文章題」、冬の「平面図形」は6年生で習っていた難しいポイントがおりてきた印象です。

「難しい」と言えども、いつかは習う内容であり、受験生も後半になればできて当たり前の技術です。あくまでも戦略的な学習カリキュラムとして提示されているものです。また「これまでより難しい」とはいえ、後述するように他塾と比較してそこまで難しい訳ではありません。

しっかりと毎週毎週確実に身につけていく必要がある問題です。ですから、マンスリー・復習テスト・組分けテストでの定着確認機会を活用して、2回目・3回目の学習としての「テスト対策」を兼ねた形での復習もかけていくことは効果的です。(ただし範囲のあるテストが得点できていない場合、組分けの対策は非推奨)

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コベツバのサピックス解説では、マンスリー・復習テスト・組分けテストの対策を効果的に行うことができるテスト対策を公開しております。

予習シリーズを利用した塾の場合

テキストに掲載されているものは、「演習問題集」の実戦演習、「最難関問題集」の一部を除けば、すべて重要な内容になります。これは、どの志望校を目指すにせよ必要な内容ですから、どのコースのお子様も固めておく必要があります。

「演習問題集」の実戦演習や「最難関問題集」でも単元によっては四谷大塚偏差値65前後の学校で出題されてもおかしくない、習った技術を相当に捻られた問題が掲載されていることがたまにあります。
なお、2021年から始まった一連のテキスト改訂を経て、難化傾向にあります。それまでのテキストも習う技術を高度に捻った構造(習う技術自体が難しいわけではないとしても、より捻られている)になっていたため、一層加速した形となりますが、最難関であれば、そのレベルの問題も出題されることになります。

コベツバの予習シリーズ解説では、応用的な問題に応用マークを振っております。同じコーナーでも難易度に違いがあることも多いため、利用者は参考になさってください。

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お話を戻しますと、予習シリーズの一部の難しい問題以外は、しっかりと毎週毎週確実に身につけていく必要がある問題です。ですから、組分けテストでの定着確認機会を活用して、2回目の学習としての「テスト対策」を兼ねた形での復習もかけていく必要もあります。

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2: 学年断層に落ちる子供たち

4年生から5年生に上がるにあたっての壁は上記の「学習上の量的な壁」以外にもう2つの壁が存在します。

1つ目は、「書く力」の壁です。

4年生までの低学年算数は、基本的には「速さ重視」「正確さ重視」だったかと思います。手を動かさずに早く解答に至ることを良しとする学習にどうしても振り切れてしまいがちになります。その結果として生まれるのが、「書けない子供たち」です。

書いて解きたくない男の子

誤解のないように申し上げますと、字が汚い、絵が汚い、と言う個人の特性とは全く関係ありません。算数のよくできる男の子で、「字が汚い、絵が汚い」でも「必要な図や式を書くことができる」子供達は、非常に多く、至る所に存在します。

あくまでも「書く学習」を教わっていないか、教わっていたとしても頭の回転力が高いが故に「書かずにできるので、書く習慣を持ち得ていないが」為に、結果として「書けない」のです。

「書けない」ことで、何が5年生以降で生じてくるかと言いますと、

作図を用いる単元・問題ができない
書いて整理する単元・問題ができない
書くこととセットになっている技術を、そもそも習得できない

現象が生じる為、どこまでも成績が落ちていくことになります。

入試を筆頭に難関校の受験算数を何も書かずに合格点が取れると言うのは相当なツワモノで、普通にたくさんの「書く」と言う操作を通じて、思考の土台を築いて行き、正解にたどり着くのが入試は勿論のこと高学年の問題だからです。

宿題の中身ややり方のチェックなどが少ない塾では、「書くこと」の重要性を徹底的に仕込まれる機会が少ない為、4年生や5年生の答案・問題用紙への書き込みを見ると、残念なことに「書くことへの指導の跡がない」ケースが非常に多く散見されます。

低学年時代の底の薄い問題で、何も書かずに高得点を取ってきた成功体験があり、書くことに対する抵抗感が逆に形成されている子供たちも沢山いるのだろうと推測します。

私が動画配信をしているのは、答えやポイントに早く辿り着いて欲しい、ということだけではなく、「この先生でも、これだけ書いても答えに至っている」ということに気づいて欲しいこともあります。頭の中だけで早く解けることが良いとされる低学年算数から脱却して、人間が与えられた「書く」という武器を早々に身につけて、学年断層を是非超えて行って欲しいと思います。

これくらい書かないと解けない!

2つ目は、高学年帯の解法への移行、です

解法を武器に例えた時、4年、5年、6年と徐々に高度な武器を手に入れていくことになるのですが、4年生の時に習った簡単な武器でも、時間をかければ5年生・6年生級の問題が解けることがあります。

新しい解法(武器)へのアップデートができていなくとも、このようにずっと低学年の武器で時間をかけて問題を解くことができるため、アップデートが遅れてしまう事態が発生してしまいます。もちろん結局何処かで頭打ちが来るのですが、それまで気づかず低学年用の解法が体に染み込んでしまうのです。

有名な例は、「割合と比」です。問題によっては、「割合と比」を使わなくても解けるが時間がかかるものが存在します。特に、速さ、水問題水グラフ・点の移動、少し高度な平均算や食塩水(四谷大塚)などで顕著です。

これらを4年生から5年生前半までの間に「割合を使わなくて解ける面倒な解法」で習い、そこに慣れすぎてしまったが故に、6年生になってもアップデートできていない、問題に対応できないお子様が生まれてしまっています。

その他、場合の数でひたすら樹形図の数え上げを行う、やりとり算で線分図を使い続ける、などなど、さまざまな分野でアップデートが行われるのが5年生や6年生なのです。

解法まで見抜けるご家庭は少ないかもしれませんが、単に「解ける」ではなく「時間がかかりすぎていないか」「必要以上に難しく感じていないか」という点に注意しておく必要があるでしょう。

コベツバの解説を利用されている場合は、できる限り高学年、応用問題でもやり方を変えずに通用する解法を配信しておりますので、「正解したが、時間がかかった。計算が面倒だった」時は、ポイント動画・解説動画と自分の解き方を比べてみることが大切です。

3: この1年間、行っていくべき学習方法は何か

1: 毎週の学習をできるだけ完全に消化していくこと

2: 知識や技術にできるだけ広く、または深く触れ続けること

3: 「書くこと」に意識を向けて学習を行っていくこと

の3つと、もう1つ、難関校志望者向けの4番目としては、

4: 「思考力問題に習慣として触れ続ける」こと

の4つとなります。

1: 毎週の学習をできるだけ完全に消化していくこと

サピックス生の場合

毎週のデイリーチェック、マンスリーや復習テストという範囲のある学習内容で単元やポイントの抜け漏れを1つ1つ潰していくように学習しましょう。サピックス5年生で習う内容のほとんどは「最低限」の内容です。「難しすぎる」ものはサピックス確認編Dの一部の問題を除き、ほとんどありません。

またサピックス偏差値57,58以上のいわゆる「最難関・難関校」を目指すのであれば、応用的なものでも重要な問題はしっかり抑えておく必要があるでしょう。(コベツバのサピックス解説では毎週の問題の内容で「重要」「応用」マークをつけております。)

週間単位での「デイリーチェックの8割以上、できれば9割以上。」、月間単位での「マンスリー/復習テストの7割以上」を狙い続けること、また出来なかった問題や単元を必ず復習していくこと、これが何よりも大切です。

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予習シリーズ利用生の場合

毎週の週テスト、組み分けテストという範囲のある学習内容で単元やポイントの抜け漏れを1つ1つ潰していくように学習しましょう。予習シリーズの応用問題以外は「標準的」な内容です。「難しすぎる」ものは予習シリーズ応用問題/最難関問題の一部の問題を除き、ほとんどありません。

また、算数偏差値70以上、またはそれに迫るのお子様であれば、応用問題や最難関問題集は取り組んで技術を身につけておく必要があるでしょう。(※コベツバの予習シリーズ解説では、応用的な問題に応用マークを振っております。)

週間単位では、「週テスト or カリキュラムテストをSC偏差値50・AB偏差値60以上」、月間単位での「組み分けテストの6割以上」を狙い続けること、また出来なかった問題や単元を必ず復習していくこと、これが何よりも大切です。

マンスリー確認テストの目的・分析・対策
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予習シリーズ5年生の特徴を踏まえて、毎週の学習において気をつけること

1:数値替え問題・テストがほぼない(反復問題以外)

良い点:本質的理解ができているか、そうでないかが5年生の段階のテストでも分かる

懸念される点:努力が成果に反映されづらいため、算数が苦手なお子様にとってやや厳しいテストに感じ、やる気が削がれる可能性もありえる

解決策:まずは反復問題重視。とはいえ、数値替えの問題だけが解ける状態は最終的には良くないため、3の解決策も併せて、算数に拒否反応を示す前に、なんとか理解できるように早期サポートができれば理想的。


2:習った技術を捻った応用レベルの演習量が多く、ときどき練習問題にも入っていること

良い点:最難関・難関志望者にとって、より早期に応用技術に触れ、入試に備えられる

懸念される点:応用や発展に時間を使いすぎて、基礎や標準レベルの技術が疎かになる可能性もありえる

解決策:まずは基礎・標準レベル(コベツバ応用マークなし)を徹底する。コベツバのテスト無料速報分析でレベルAに入っているものが8-9割程度得点できてから、応用・発展レベルに取り組む。

3:論点別の学習ができるコーナーが少ない分、ポイントを混ぜた実戦的な構成になっている

良い点:理解したポイントを、幅のある問題でランダムに取り出す訓練を積むことができる

懸念される点:同一ポイントに対して連続した問題構成ではないため、1つ1つの技術を丁寧に身につける段階で、脳が混乱してしまうケースもある。また、1技術1問になっていたり、例題-類題コーナーに入っていないので技術として認識せず、スルーしてしまう可能性がある。

解決策:コベツバの予習シリーズ解説利用者は「授業形式で学ぶ」や「ポイントに関連する問題」などの機能を利用して、同じポイントを使う問題を連続して解くことで、ポイントベースの学習を行う。コベツバを利用していない場合でも、毎週の無料記事で「重要ポイント:使う問題」が書いてあるものは、連続して取り組む。

どの塾のカリキュラムも、それぞれ意図された工夫や特徴があります。ただレベル感や捻り度合い、技術を習うペースなど、どの子供にとっても最適な教材を作るのは不可能に近いことは事実です。自塾のカリキュラムの良い点を生かしきって、懸念点に当てはまっている場合はカバーできると良いですね。

2: 知識や技術にできるだけ広く、または深く触れ続けること

ほとんどの塾(SAPIX・四谷大塚など)では5年生時点では以下の表の「基礎・標準」レベルを中心に学習します。

サピックス5年生のカリキュラムの特徴と対応法

6年生前半までのいわゆる体系的な学習においてサピックスと四谷大塚(や浜学園)とカリキュラムやテストのレベルを比較すると、意外に思われるかも知れませんが、サピックスの方が技術を習う時期も遅く、1回での深度もそこまで深くない状態で進行します。

また、週単位・月単位のテストも、サピックスでは数値替えメインであるため、しっかりテキストを何周も勉強すれば点が得点できる内容です。

※あくまでも同レベルの子供がテキストを勉強した後にテストを受験した時の問題セットの得点のしやすさであり、偏差値の話とは関係がありません。

それは決して悪いことではなく、むしろ、以下2つの理由より、努力が実り環境であるやすいため、成功体験を持ちやすく、お子様がまずは最も力を入れるべき「基礎・標準」レベルの勉強に意欲的に取り組むことができるのです。

1: 応用技術の本格的習得時期は6年生春頃から

5年生から6年生の春頃までは、難しすぎるものに手を出さず基礎・標準レベルを徹底するため、理解できずに心が折れてしまう可能性が少し低くなる。

2: 数値替え問題・テスト

テキストの数値替えなので、テキストをやりこめばサピックスのテストで得点できる可能性が高くない。

あくまでも他塾カリキュラム比較です。もちろん生徒差/先生差はあります。
※ 同一クラスの子供との比較は、母集団/校舎規模に影響を受けますので、その点は別の作用があるでしょう。上記は、少なくともカリキュラムと個人の関係性において、「やれば、できる」感覚を覚えられる確率の高さというお話です。

少し脱線しますが、誤解のないように補足しておきますと、もちろん、上記は一般論であって、個別具体の子供たちはさまざまな悩みを抱えているのは当然です。5年生あるいは4年生から難しく感じるお子様もいらっしゃいますし、確かにテキストに類似したテストでも、テキストをやり込んでも理解が及んでいなければ、点が取れない子もいらっしゃるでしょう。α1の周囲のレベルが高すぎて、心が折れてしまうお子様もいるでしょう。

それでも、6年の終盤戦までには理解しきって、または戦略を立てて志望校に合格される方もいらっしゃいます。それぞれのご家庭・お子様はそれぞれの物語があります。ですので、決して良し悪しの話をしているのではなく、あくまでも「塾のカリキュラムがお子様に与える平均的な影響」のお話であるとご理解いただければと思います。

ただし、どのようなことも万事良しということはあり得ません。そのメリットがある反面、一部のお子様には、以下のような状態が生まれてしまうこともあります。

1:応用技術の本格的習得時期は6年生春頃から

最難関志望者にとっては、6年の志望校別特訓から急激に難易度が上がる形になります。応用・発展技術に複数回、別の角度から触れる機会が取れないこともあります。1回や2回で使いこなせるお子様でなければ、最難関の入試までに技術の習得が間に合わない可能性があります。
※お子様の吸収力が高い場合、間に合うケースも多数あります。

2: 数値替え問題・テスト

数値・単語を替えた問題が多いため、「解き方」だけを丸暗記して、実際理解できていない状態でも点数が取れてします。同じ難易度でも見た目が変わった問題・応用問題・初見問題が苦手でも点数や偏差値には大きく影響しません。具体的にはその状態でも偏差値63程度までは取れないことはないのですが、6年生からの実力テストは乗り切れません。もし、課題認識のないまま進行すると、5年生終盤・6年生の春や夏などに、成績が下降する可能性があります。

※全員がそうなるわけではありませんし、自然と解消される方もいます。なったとしても勉強法の切り替えで、復活可能です。ただし、変化する時期が遅ければ遅いほど影響が大きくなり、その分の巻き返しには多くの努力が必要です。

上記のサピックスカリキュラムの強みとその反面のデメリットを踏まえた上で、「もしデメリットに当てはまっているかも、今後当てはまるかもしれない」と感じられる場合、コベツバから提案できる解決策は以下2つになります。

※全く当てはまらず、万事順調に進むケースもありますので、個人差があるとご理解ください。

解決策:数値替えではない問題に挑戦する

コベツバのサピックス解説を利用されている方は、確認編の重要問題に対して、コベツバ類題、つまり「数値替えではないけれど本質的理解ができていれば解ける問題」を掲載しております。元の問題から決して難易度が高くなったわけではないのですが、元のテキスト問題は解けるのにコベツバ類題は「難しい、解けない、手応えがある」と感じるのであれば、数値替え問題だけに慣れてしまっているので、習ったポイントの変化の幅をもう少し広げた経験をした方が良いかもしれないでしょう。幅を広げた問題を経験することで、当初より理解が深まります。

ただし、数値替え問題ですら怪しく類題をお子様が嫌がる場合(目安算数偏差値45以下)は、テキストの数値替え問題をまずは徹底しましょう。

コベツバのサピックス解説をご利用でない方は、予習シリーズや市販の教材、コベツバweb授業などで範囲を絞ってを復習しても良いでしょう。これは、先ほどのコベツバ類題ように1問ずつ対応しているわけではないので、やや高度になります。数値替え問題でも怪しい人はまずテキストに集中してほしいと思いますが、テキストがすらすら解ける、反復作業に感じる方には効果がある方法です。

解決策:上位帯は、応用技術をしっかり手に入れる

上位帯中心の話にはなりますが、学習単元に合わせた、またはテキストに1問だけ掲載されているような応用的な技術にもできるだけ手を伸ばしておくと良いでしょう。前述のように触れる回数を増やしていくことで、早期に「手の内に入れる技術」を増やしていくことに繋がるからです。

また、テキストに掲載があるが演習量が少ない論点や、まだ掲載がない論点を勉強していくことも強化策になります。コベツバを利用される場合は、コベツバweb授業での先取りや、既習単元の標準・応用技術を学ぶことができます。

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(あったとしても、なかなか体系的に学習する機会がないので、その場限りの学びで終わってしまうことが多いようです。もちろんその1回の出会いで吸収できるお子様もいらっしゃるのは事実ではありますが、大多数のお子様は前述したように複数回の演習が必要です。)

6年生夏以降の志望校SS特訓でやっと最高難易度の技術に触れていくことになり、これでは消化不良になってしまうお子様も多いことから、コベツバでは5年生に向けて、少しずつ難易度の高い技術に体系的に触れることができる、最難関向動画特訓『Top Gun特訓』配信しております。

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予習シリーズ5年生の場合

予習シリーズは先ほども申し上げましたように以下のような特徴があります。
・習った論点(論点自体の難易度は基礎・標準)をかなり捻った応用問題が多い
・ポイントがやや散らばった実戦的なテキスト構造

ですから、上位層でもテキストの内容の習得で精一杯というお子様も多いかと思いますし、その場合は他の教材には無理に手を伸ばさないでおきましょう。

もし追加の学習を行う余力がある場合は、応用レベル、さらに上位層は発展技術を身につけることを考えても良いでしょう。予習シリーズには基礎・標準的な論点をひねった応用的な問題があるとはいえ、論点自体が応用レベルのものが多いわけではありません。つまり習ったものを最大限活用できるような訓練は積んでいるものの、まだ習っていない応用論点はある、ということです。また、発展レベルは応用レベル以上に5年生テキストには掲載がありません。

ですから、テキストに掲載があるが演習量が少ない応用・発展論点や、まだ掲載がない応用・発展論点を勉強していくことも強化策になります。コベツバを利用される場合は、コベツバweb授業での先取りや、既習単元の標準・応用技術を学ぶことができます。

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6年生夏以降の志望校別特訓でやっと最高難易度の技術に触れていくことになり、これでは消化不良になってしまうお子様も多いことから、コベツバでは5年生に向けて、少しずつ難易度の高い技術に体系的に触れることができる、最難関向動画特訓『Top Gun特訓』配信しております。

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3: 「書くこと」に意識を向けて学習を行っていくこと

宿題で答えだけ書いてある
図形の作図をしない
条件を整理したあとがない

など、宿題のノートとしてそもそも良い状態にないかどうかを必ずチェックして行きましょう。

解き方が書いていないと入試で×をつけられるから、というのが理由ではありません。自分が高学年算数の問題の解答に行き着くために必要だから、です。

4: 「思考力問題」に習慣として触れ続けること

1の部分、「毎週の学習をできるだけ完全に消化していくこと」で未消化がありすぎると困りますが、一定毎週の学習で吸収できている場合、毎週1-2問だけでも思考力問題に取り組みたいところです。

サピックス生の場合

「思考力の養成」「思考力アップ」に取り組んでみて欲しいです。

と、言いますのはサピックス偏差値55以上の学校では平均して大問で1問程度の出題があり、それは技術の速さと正確性が問われるとよく言われる女子学院ですら同様だからです。

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さらに思考力問題に取り組みたい方は、コベツバweb授業の毎週の思考力テストもございますので、そこまで余裕があるトップ層の方は是非ご挑戦ください。

『コベツバのサピックス解説StandBy』では特に取り組んだ方が良い問題を毎週ご紹介しております。特に◯◯の志望者が取り組んだ方がいい、といったものも記載しておりますので是非参考にしてみてください。)

5年生になると毎週の論点を身につけることでかなりボリュームが多くおろそかになってしまいかねませんし、思考力問題自体が短期的なテストで測られるものでもない為、動機を失ってしまい易いですが、なんとか時間を見つけて毎週の計画の中に入れ込んで行って欲しいと思います。

実際今年の6年生のお子様複数名から「それまでは思考力系はさっぱりだったけれど、毎週1-2問の思考力問題に取り組んで解説の整理方法を真似むようになってから、数ヶ月経ったとき、組分けやサピックスオープン、マンスリーの最後の大問で善戦するようになった」と言うお声を頂いております。

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予習シリーズ生の場合

予習シリーズには思考力の特集はありません。今週の単元にからめた思考力問題が途中で登場する場合もありますが、頻度は少ないですし、親御さんの目からして判断することは難しいでしょう。

その場合は、手前味噌とはなりますが、コベツバweb授業の毎週の思考力テストを受けていただくことをお勧めいたします。毎週の表彰・解説動画などモチベーションと理解に貢献できる内容となっております。

コベツバを利用されない場合は、中学への算数の2月号(論理推理の回)だけを過去年度分まで取り寄せて、定期的に思考力問題に触れておくと良いでしょう。

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テストに出題があるわけではないため、すぐに成果を確認することはできませんが、6年生の過去問演習や合不合判定テストの時期に効いてくることは間違いありません。

以上

5年生の新学年開始にあたっての学びの骨格でした。

少なくともコベツバの記事をお読みの皆様が5年生の学年断層に落ちないように、また、来年のスタートを非常に良い状態で切れるように、少しでもご参考になれば幸いです。