サピックス デイリーチェックの目的・分析・対策

サピックスにて実施される「デイリーチェック」は、「クラス昇降」に無関係な為、軽視されがちではあります。しかし、一週間という狭い範囲で学習して定着を促していくものとなりますので、結果として「マンスリー確認テスト」の結果にも大いに反映されるものとなります。だからこそ、毎週高得点を取り続けられる状態を目指して頂くことが重要です。

1: サピックス デイリーチェックの目的

勉強する女の子

まず、「デイリーチェック」の目的についてお話させて頂きます。サピックス(SAPIX)では、この「デイリーチェック」と言う、毎週の学習が定着できたかどうかのテストを、クラス昇降の判断に使っていないことが大きな特徴になります。

では、それなのに何故チェックがあるのか、ということになりますが、それは当たり前のことですが、 「習ったことが定着できているかを、学習してから短い期間・狭い範囲で測る為」です。

当然ながら、習ってからの期間が浅く、狭い範囲で定着できていなかったデイリーチェックの問題が、より広い範囲・長い期間で定着しているかを判断するマンスリー確認テストでできるようになることは、基本的にはありません。 つまり、デイリーチェック段階でできなかった論点は、学習しない限り、入試までずっと引っ張り続けることになりますので、「クラス昇降に関わらないので、気にしなくて良い」と言うものでは全くなく、非常に重要であると言う認識を持つと良いかと思います。

また、同時に人間は「テスト」があると、そこを一つの目標として学習を進めますので、このテストという機会を活用して、学習してほしいという狙いもあります。

2: サピックスのデイリーチェックはどこから出題されているのか?

デイリーチェックを教材別に分析しましょう。

6年生、5年生の出典教材
デイリーチェックの教材別分析

「基礎力トレーニング」に記載された問題の出題:約20-25%
「デイリーサピックス」と「デイリーサポート」双方に記載された問題の出題:約75-80%
となっています。

その中で「基礎力トレーニング」は、
デイリーチェック内の基礎力定着テストの配点分析計算問題は、「数値を替えた問題」で出題され、
小問集合は、ある回の「数値そのまま」で出題されています。

4年生のデイリーチェックは基礎力トレーニングからの出題はない

一方、高学年のものと大きく違い4年生では基礎力トレーニングからの出題がありません。

つまり、デイリーサピックス教材からだけ出題されます。
(勿論、マンスリーにはあります。つまり、4年生においては、デイリーチェックだけでなく基礎力定着テスト(の大問1)も組み合わせて、毎週の定着確認を行っていく必要があります。)

学年別 デイチェのデイリー教材の出典内訳

各学年のデイリーチェックのデイリー教材は、いったいどんな難易度で構成されているのでしょうか? 学年を貫通してわかりやすい★の数で分析してみましょう。


デイリーサピックスの難易度別配点▼6年生
★1つ:約70点
★2つ:約80点
★3つ:無し
合計:150点

▼5年生
★1つ:約50点
★2つ:約70点
★3つ:無し
合計:120点

▼4年生
★1つ:約40点
★2つ:約60点
★3つ:無し
合計:100点

と言う結果になっており、

全ての問題が「デイリーサポート」にも記載がある問題を、「数値を替えた問題」として出題されています。
特筆すべきは、★2個までの基本的な問題が100%だと言うことで、難解な応用問題の出題がないことを認識して頂ければ幸いです。

【補足】4年生の基礎力トレーニングの出典分析

補足として、デイリーチェックで基礎力トレーニングからの出題がない4年生は前述のように、基礎力定着テストで「基礎力トレーニング」の学習の定着を測っていく必要があります。
4年生の基礎力定着テストを分析致しますと、
4年生の基礎力定着テストの内訳

大問1で基礎力トレーニングからの出題で50点、大問2以降でデイリーサピックスからの出題が50点という構成になっております。

基礎力トレーニングからの問題は、数値替え
デイリーサピックスの問題も、★1つと★2つの数値替え(こちらはデリチェと同じ)と、なっております。(こちらも、ごく稀に★3つの問題が出題されることもありますが、その場合は出来なくても構いません。)
前述のように、特に大問1の基礎力トレーニングからの問題の定着確認として利用するのが適切です。

※5,6年生にとっても基礎力定着テストは決して軽視して良いものではありませんが、目標となる指標をなるべく絞る方がお子様にとって学習成果として理解・目標としやすい為、「1週間の学習成果を測るデイリーチェック(デイリー/基礎力の内容を両方含む)」に目標を絞ることとし、ここでは説明を割愛させて頂きます。

3: サピックス デイリーチェックの対策

上の分析を踏まえますと、デイリーチェック対策(基礎力定着テスト)は、

1: 基礎力トレーニングの1ページ10問を完全に理解・正解できるようになること

2: デイリーサピックスの★2つまでの数値替え問題を理解・正解できるようになること

が、ゴールとなります。

以下で、より詳しくご説明させて頂きます。

1: 基礎力トレーニングの勉強法

毎日トレーニング

「基礎力トレーニング」の内容は、1ページが1つの10問の小問で構成されており、これが6年生の場合は約4日間、4-5年生は1週間繰り返されて行きます。「繰り返される」と言うのは、各小問が日ごとに「数値を替えた問題」になるだけで、論点や形式は全く同じ問題セットを繰り返す、と言う意味です。

上の4問は四則演算、下の6問が少し前の単元の小問、で構成されております。 上の4問は、計算問題ですので、ミスなく正確に計算を行う訓練として使って頂くと良いでしょう。

下の6問が、少し前の単元の論点を扱った小問で構成されており、どの単元の論点かは1ページ目の目次部分に記載がされています。こちらは、小問になっていますので、複数回同じ小問を間違った場合、理解できていない可能性がありますので、後ろに解答解説は付いているものの「デイリーサピックス」の当該単元に戻って学習をし直すことで、再度理解をしてもらう方が良いでしょう。

詳しい学習法は以下の記事をご覧ください。

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いずれにせよ、下の6問に付いては、「ただの毎日する基礎力トレーニング」「ただのミス」だと馬鹿にすることなく、丁寧に学習し直す必要があります。

余談ですが、こういった小さな論点に引っかかることなく「呼吸をするように」自然に解答できるようになることで、過去の学習内容に積み上げていく5年生・6年生の学習時に、有利になります。
反面で「基礎力トレーニングの小問レベルでいちいち詰まってしまうようであれば、6年生で学習する内容の1段目や作業部分で詰まってしまい、そちらに意識が取られてしまうことで、新しい論点の吸収力が落ちることにもなり得ますので、十分なスピードで回答できるように学習しておくことも必要です。

〜まとめ〜
基礎力トレーニングの上の4問は計算問題なのでミスなく正確に。下の6問は「呼吸をするように自然に」解けることを目指し、間違った時はデイリーサピックスに戻って復習しよう。

2: デイリーサピックス/サポート

ノート

デイリーサピックス/サポートについて、次の記事で詳細に説明いたしますが、まず何よりも優先すべきは、マンスリーに直結するデリチェ(基礎力定着テスト)のデリサピ/サポから出題されている問題を9割近く得点し続けられることです。

従って、「応用問題(★3つ)」「思考力系(頭脳トレーニング・思考力アップ・SAPIOなど)」を省いた、★2つまでの数値替え問題を完全に身につけて頂くことが、最も重要なこととなります。

より詳しい学習法は以下の記事をご覧ください。

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5,6年生 デイリーサポートのコーナーに当てはめるとどうなるの?

★3は、毎週の教材で必ず登場するわけではありません。登場する場合はアプローチの最後や、確認編A-D・実戦編A-Eの最後の問題に該当します。

特に★3と言う記載はないので、デイリーサポートで取り除く場合はデイリーサピックスの数値がえ問題を探して取り除くことになります。

コベツバの解説を使っている方は、「応用」マークが付いているので、そちらを省いて取り組んでいただくことでも構いません。

★3に取り組まなくて良いの?

現時点で余力がない、★2つまでの理解が不十分な場合は、デリチェ9割、マンスリー確認テスト7割(4年生は7割5分から8割)を得点できるようになってから、「応用問題(★3つ)」や「思考力系」にチャレンジしていくことで良いでしょう。

ただし、★3つの応用問題は、当該Noの論点に絡めた応用問題であるため、★2つまでを理解した上でチャレンジされたいお子様は成績に関わらず取り組んでいただきたいと思います。特に4年生や5年生のうちは、そのレベルは上の学年になれば「できて当たり前」のレベルになることも多いからです。また、「さらに深く論点を理解していなければ解けない問題」に出会うことそのものが、当該Noの論点の理解を深め、定着を促すことに繋がるからです。

改めてですが、「デイリーチェック」は、一週間という狭い範囲で学習して定着を促していくものとなり、直接「クラス昇降」には影響はないものの、結果としてマンスリー確認テストを含めた実力テストに大いに影響してくるものです。従って、「デイリーサピックス★2個」の数値替え問題、「基礎力トレーニングの小問」を完璧に正解できる状態を作り上げた上で、毎週の「デイリーチェック」にお子様を送り出してあげて頂くことが、非常に重要です。