【4年生の学び】SAPIX/予習シリーズ カリキュラムを踏まえて、中学受験の1段目を固める上で大切なこと

この記事では、4年生の一年間を通じた学び全体を見通した上で「何を目標に」「何を具体的にやって行くべきか」をお伝えしていこうと思います。主に、サピックス生と予習シリーズ利用生(四谷大塚・早稲田アカデミー・英進館など)をイメージして具体的にお話ししていきます。

どの塾でも4年生は「受験算数の一段目、算数を学ぶ型を身につける準備期間」であり、4年生のときの過ごし方次第で、5年生から始まる技術習得の波に乗り・そして6年生での入試に向けた演習を順調に進めることができるでしょう。

この記事をご覧いただいている4年生の皆さまには、是非サピックス4年生の期間を効果的に過ごして頂きたいと思います。

音声でも詳しくお話ししておりますので是非参考にしてみてください。

4年生を俯瞰する

まず、ほとんどの大手塾では、4年生の間に習う技術そのもののレベルはそこまで高くはありませんし、1回あたりの授業で身につける技術の数も5年生に比べるとそこまで多くはありません。まだまだ中学受験の序章であり、集団塾における中学受験算数の本番は5年生から設定されています。そして成績の失速が発生しやすいのも、難易度や量が増える5年生からなのです。

その上で、4年生でまず最初に大切なことは、5年生や6年生になってからの本番に備えて

技術を素早く習得し、テストで得点できる

スタイルを身につけておくことになります。

もし、4年生時点で塾の課題を時間をかけてこなしている場合、時間をかけて高得点をとっている場合は、5年生以降回らなくなってしまう可能性があります。もちろん、まず最優先は、理解し、そして次に高得点を取ることです。(目標は後述します)

しかしそれが達成できた=技術を習得でき、テストで得点できる、ようになった後は、「1週間あたりの負荷」を減らす方法を考える必要があります。

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サピックスの4年生と5年生の違いは?

サピックスの4年生は量・質共に穏やかに進行します。
サピックス5年・6年や他塾4年生と比較してもそのように思います。

(イメージではサピックスは難易度が高く、量が多いと言うイメージがあるかもしれませんが少なくとも4年生については全く違います。)

4年生と次の学年である5年生と比べた場合、算数の課題分量(問題数)は約3分の1から約2分の1になります。つまり、1年後には3倍、取捨選択しても2倍の問題量をこなしていく必要があります。

毎週の授業で習う技術・知識の分量も、思考力系・応用発展系の入試問題の分量も同じく3分の1から2分の1になっています。

ここまでが4年生と5年生の量的質的な違いです。
問題量や毎週習う技術の数に大きな隔たりがあることが分かります。

尚、6年生前半になると分量は5年生の1.5倍、中盤以降で5年生の2倍をこなして行くことになります。勿論既に復習の内容が入っていることも前提ではありますし、志望校次第では全てに取り組む必要はありませんが。

従って、よく言われることですが、「4年生の間で教材をこなすことに精一杯」の場合、このまま同じやり方で最重要学年と言える5年生を進行して行くことは困難になります。

他習い事に注力しているなど余裕を持って進行できているか、あるいは「学び」に時間を使う場合、先取りや既習単元の深堀り、あるいは思考力問題の量的拡大に対して時間を割くことができていることで、はじめて5-6年に分量への対応力が担保されている状態だと言うことができます。

予習シリーズ4年生と5年生の違いは?

予習シリーズの4年生と5年生の問題量の違いはそこまでありません。1.2倍程度でしょう。
そもそも予習シリーズは、全てをこなした場合4年生にしては問題量が多いため、勉強に全振りしていないご家庭ではレベルに応じて絞り込みが必要になるでしょう。例えば偏差値45以下は基本中心、偏差値60以下は基本・練習中心といった形です。

次に、習う技術という点で比較いたしますと、これは多塾と同じく4年生の方が格段に易しいですし種類もそう多くはありません。やはり本番は5年生からであり、多くの入試土台技術はやはり5年生で学びます。

ただし、一部の演習問題集・最難関問題集では、その習った技術を高度に使いこなす捻りの効いた問題が、ポイントを散りばめて出題されています。習った武器の数は多くなくとも、深度のある学びができる教材です。

※深度がある反面、初学者にとってハードな構成でもあります。そのためコベツバでは技術をポイントベースに構成して理解しやすく工夫した授業形式の利用をお薦めしております。

この特徴は5年生以降も同じ流れとなっておりますので、予習シリーズの特徴としてご理解ください。

4年生の学びで重要な分野

中学受験算数の大前提である「長方形の面積」「小数や分数の割り算」など、公立小学校でも学習する四則演算・求積のポイントも含まれており、全体的には非常に穏やかに進行します。

ただし、中学受験全体を俯瞰して再度確認してみますと、

1: 「数の性質」

2: 「規則性」

2: 「割合を使わない平面図形」

の3つの分野については、非常に重要でかつ入試での出題も多い論点を応用問題の中で学習することになります。従って、上記の単元については、NOの応用問題の難易度が非常に高い単元もあり注意が必要になります。コベツバ利用者は応用マークを参考にして問題を選別しても良いでしょう。

とはいえ、前半はそれでも穏やかでもありますが。

サピックス/予習シリーズ4年生の目標点

4年生の毎週・毎月の学習では定着を確認できる良い機会であり、この学習スタイルを確立することが高学年での飛躍につながります。

サピックス生の場合は以下が目標になります。

1:デイリーチェック9割以上(1ミスまでに抑えたいところ)

2:マンスリー7割以上(コベツバ分析でのレベルAは1ミス以内で乗り切りたいところ)

SAPIX組分けテストは新5年生になるまでは思考力要素が高いため、得点できるに越したことはないものの、まずは毎週新しく出会う技術を身につけることの方が大切です。ですから毎週・毎月の目標達成が最優先になります。

具体的な学習法は以下をご覧ください。

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予習シリーズ利用生の場合は以下が目標になります。

1:週テストは以下の目標偏差値を達成すること
A 60以上・ B 55以上・ C 50以上・ S 45以上


2:四谷大塚組分けテストは6割以上(コベツバ分析でのレベルAは1ミス以内で乗り切りたいところ)

具体的な学習法は以下をご覧ください。

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高学年での学習を見据えて、意識して行いたいこと・追加で行って効果があること

ここまでで、5年生を万全の状況で迎えるためにまずは何よりも毎週・毎月の学習が大切であることをお話ししてまいりました。

そこに加えて3つ「4年生の間にできる限り鍛えて欲しいこと」「余裕・意欲があれば取り組んで効果が高い学習」をご紹介します

できる限り鍛えたい『計算能力とケアレスミス対策』

そもそもケアレスミスを防ぐには大きく2つの対策があります。

・「四則演算の計算力」
・「読み違い・認識/転記ミスの是正」

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ミスをなくすことや計算力を強化しておくことで、

「計算力が弱くて、宿題でもテストでも理解できているのに答えが合わない」
「計算力が遅くて、宿題もテストも時間がかかり過ぎてしまう」

と言う状態になることを予め予防することができ、技術の吸収とその適用だけに集中することができるでしょう。

また、5年生以降になってきますと、なかなか「ケアレスミス対策だけ」に集中する余裕がなくなっていることも事実で、先を見据えて今のうちに対策をして「ミスを少なく進められる型」を身につけてもらうことを目指して欲しいと思います。

通常4年生では、計算力を強化することが一般的です。理由は、「ミスを防ぐための見直しや行動変化」を自分から意識的にかけられるお子様もいらっしゃる反面、6年生になって志望校などのハードルが近づいてきた際にスイッチが入るお子様もいらっしゃるからです。

よほど注意不足のミスが多くない限りは、まずは計算能力の発達から始めましょう。

暗算力

1桁同士、2桁同士の四則演算、3桁や2桁同士でも割り切れることで有名な組み合わせ、有名なπ計算、有名な小数と分数変換、

この辺りは暗算で99.9%正確にできるレベルまで引き上げておきましょう。計算にかかる労力は思考を中断させる上、どんな問題にも時間もかかってしまいます。特に4年生、5年生のうちは暗算を鍛えただけで、算数の偏差値がアップしたということもよく聞くお話です。

方法としては、視線が縦横に動く100マス計算よりも、単語カードに計算問題と結果を記載するか、またはその単語カード形式をwebでできる暗算王(コベツバweb授業の一機能)の方がより実地に近いでしょう。

苦手な計算は何度も繰り返し行いましょう。

計算の工夫

計算の工夫方法は知らなければ、どれだけ計算問題を解いたとしてもなかなか身につけられるものではありません。サピックスも四谷大塚も序盤に計算の工夫の単元がありますので、計算の工夫を忘れてしまった場合は、立ち戻って復習すると良いでしょう。

思考力問題への挑戦

思考力問題は最難関・難関校のほぼ全ての学校で出題されています。驚かれるかもしれませんが、決して難しそうな問題が出る学校(開成など)だけではなく、女子御三家の中では算数が難しくないという評判の女子学院でも出題されているのです。

やり直しまで含めてじっくり問題に取り組むことで伸びること、それでも技術系よりは伸びがゆっくりであることから4年生や5年生での取り組みが入試に向けて効いてくるでしょう。

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◯サピックス生の場合

毎週の思考力問題を時間をとってしっかり取り組みましょう。

なお、4年生の間のテキスト掲載の思考力問題は、桜蔭や開成で求められることが多い読解や整理系のものよりも、麻布や栄光で求められる試行検証が多い印象です。バリエーション・演習量を増やしたい方はコベツバweb授業の思考力テストへの参加もおすすめです。

◯予習シリーズ利用生の場合

予習シリーズには「純粋思考力」だけをまとめたコーナーは3年間通してありません。その週の単元の技術を利用する思考力問題は出題されていますし、それはそれで解きごたえがありますが、やはり純粋な思考力とは少し路線が違います。

よって、誠に恐れ入りますが、思考力を鍛える場合は、コベツバweb授業の思考力テストへの参加がおすすめになります。

余裕・意欲があれば行いたい先取り学習

もちろん、4年生全員が行う必要はありません。先ほどお話しした毎週・毎月の学習の目標が十分達成できているて、余裕と意欲のある4年生であれば、ぜひ取り組んでほしいことが先取り学習になります。

先ほど、4年生の学習はまだ余裕があるとお話ししましたが、難易度と量のピークは6年生の後期に設定されており、5年生、6年生とよりハードな斜面を登っていくことになります。

4年生あるいは5年生からの先取り学習では、その急斜面を少しでもならし、緩やかにすること、可能であれば5年生や6年生で時間的余裕を作り、さらに飛躍することが期待されます。

もちろん先取り学習には賛否両論あり、ご家庭の判断で取り入れるべきです。

お子様が自らの意思で勉強していることは前提として、その上での失敗パターンは以下の3つの理由が挙げられることが多いです。

1:(特にネットが発達する以前の時代に)実戦的とは言い難い解法を身につけてしまうこと
2:天井の低い=難易度の低い先取り学習で止まってしまい、結局難易度が上がった問題に対応できないこと
3:先取りをしていない同学年の母集団での比較によって、実態以上に優秀であるように感じてしまい、その時は好調でも後から追い上げられるギャップに苦しむから

ここからは少しの間、宣伝になってしまい申し訳ないのですが、コベツバでは2020年の休校時期よりコベツバweb授業を提供しており、ここでは上記3つを克服した先取り学習を提供しております。

1:最難関合格8割超のプロ講師の解説/監修。コベツバweb授業卒業生も灘筑駒開成など多数合格
2:入試で必要とされるほぼ全ての技術をポイント動画として一覧化した上で、レベル別に学習するスタイル
3:低学年から6年生まで、学年の区切りのない競争(1組〜3組の振り分けはあり)で立ち位置を確認できる。

4年生あるいは5年生からスタートしていただくことで、1年後算数で無双し、校舎1位レベルへ、そのまま最難関合格、という道を歩んでいただいている受講生がいらっしゃいますので、4年生からは少しハードかもしれませんが、算数が得意で好き、というお子様は奮ってご参加ください。

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コベツバweb授業を利用されない場合は、予習シリーズ5年生の学習でも先取り効果が十分にあります。違いとしては、塾の教材はやはりスパイラル構造になっているため、順番どおり進めた時に何度か同じ技術に出会うこと(コベツバweb授業でも2周すれば出会えます)。そして予習シリーズの付属問題集ではひねりの効いた応用問題が多いので、典型題以外の対応の幅を増やせます。

ただし前述したように予習シリーズはそもそもポイントが散らばった構造になっているため、初学者にとって脳内でポイントがつながらないことも危惧されます。その場合は、コベツバの予習シリーズ解説でポイントに紐づく問題を解くか、授業形式などでポイントをベースにして理解していくことが良いでしょう。

コベツバweb授業と予習シリーズ併用して利用されている方もいらっしゃいます。
その場合は、コベツバweb授業で単元のポイントを一覧で導入。王道の問題/テストで一通り習得 ⇨予習シリーズでさまざまな問題バリエーションに慣れる、という順での学習がオススメです。

本格的な先取り学習は厳しいけど、少しだけプラスアルファしたサピックス生

ここまででお話ししたコベツバweb授業や予習シリーズ5年生は問題量・技術的難易度的にもしっかり腰を据えて取り組まなければなりません。

4年生でそこまで算数に力を注げないけれどもサピックスのテキストの問題量では少し時間が余る方にオススメなのはコベツバのサピックス解説に含まれる、コベツバ類題とStandBy+です。

類題はテキストに対応する少し角度を変えた問題です。StandBy+はサピックスの当該Noの配信に合わせて習ったポイントをより深掘った問題です。もちろん、全てに技術を学ぶポイント動画と解説動画が付属しています。

日々の中で負担なく進めること、またテスト対策の一種にもなるようにという意図から、通常のサピックスのカリキュラムの単元とできる限りリンクさせる形での提供と致します。

テキストからより発展した問題であったり、入試問題でも使えるような算数の考え方を学んでいただけるものを毎週配信していく予定です。

もちろん『StandBy+(スタンバイプラス)』に限らず、高度な内容を教えることに定評がある専門塾や、市販のテキストで学習を行うことも、効果があるでしょう。

※予習シリーズ利用生はテキストをフルでこなすだけで、かなりの分量がありますので、StandBy+の提供はございません。

以上となります。