中学受験コベツバでは渋谷教育学園幕張中学入試(算数)の出題傾向をデータを用い徹底分析した上で、対策の方向性を配信中です。
渋谷教育学園幕張中学は巷では「難しい問題が出るので合否が読みづらい」「対策がし辛い」と言われる学校ですが、実態は全く異なり、明確な傾向と確かな対策の方向性がございます。
この記事では、渋幕の志望者に向けて、具体的に何の分野をどのように対策すれば良いかをお伝えいたします。
以下の動画では本記事の内容を詳しくご説明した上で、保護者様からよく頂く質問にも回答しておりますので、志望者の方は合わせてご覧ください。
渋谷教育学園幕張中の最新入試の算数解説動画、難易度・傾向分析などは以下からご覧いただけます。
配信中!〜この記事を見て分かること〜渋谷教育学園幕張中学校の1月22日実施、2024年度1次入試を踏まえた★ 問題PDFと解答数値速報!★ 難易度/傾向分析と算数全問解説動画 by 最難関合格率8割超講師★ […]
渋谷教育学園幕張中入試の基本データ
渋谷教育学園幕張中学偏差値(サピックス/四谷大塚/日能研)
【一次試験】
サピックス | 四谷大塚 | 日能研 | |
2025 | – | – | – |
2024 | 男 65 女 65 | 男 70 女 72 | 男 69 女 69 |
2023 | 男 65 女 65 | 男 70 女 72 | 男 70 女 70 |
2022 | 男 64 女 64 | 男 70 女 72 | 男 69 女 69 |
2021 | 男 65 女 65 | 男 70 女 72 | 男 69 女 69 |
2020 | 男 64 女 64 | 男 70 女 73 | 男 68 女 68 |
御三家と肩を並べるか、一部はそれ以上の難易度となっているため、最優秀層でも場合によっては不合格になってしまう可能性のある、関東最難関校の1つとなりました。
また、2020年以降、一次試験の合格者が大幅に減り倍率が上がったことが話題になりました。その結果として当然、合格80%ラインは上昇しているのではないかと推測されます。
前受験として受験する場合でも、本命校として受験する場合でも、熾烈な戦いに勝つため、渋幕の傾向に合わせた対策が尚一層必要となっています。
【二次試験】
サピックス | 四谷大塚 | 日能研 | |
2025 | – | – | – |
2024 | 男 65 女 65 | 男 69 女 71 | 男 69 女 69 |
2023 | 男 64 女 64 | 男 69 女 71 | 男 69 女 69 |
2022 | 男 64 女 64 | 男 69 女 70 | 男 69 女 69 |
2021 | 男 64 女 64 | 男 69 女 72 | 男 69 女 69 |
2020 | 男 64 女 64 | 男 69 女 71 | 男 69 女 69 |
一次試験と同程度の偏差値、または1つ下の偏差値となっていることが多いようです。2021年の一次試験は合格者数に大きな変動はありましたが、二次試験は例年と大きく変わらない倍率だった(むしろ6年トータルで見ると2番目に低い)ことから大きな変動はありませんでした。
渋谷教育学園幕張中学の受験者・合格者数・受験倍率推移
【一次試験】
受験者 | 合格者 | 倍率 | |
2025 | – | – | – |
2024 | 1969 | 665 | 3.0 |
2023 | 1898 | 704 | 2.7 |
2022 | 1797 | 651 | 2.8 |
2021 | 1661 | 682 | 2.4 |
2020 | 2058 | 630 | 3.3 |
2019 | 2012 | 751 | 2.7 |
2018 | 2004 | 711 | 2.8 |
2017 | 1963 | 724 | 2.7 |
2016 | 1852 | 759 | 2.4 |
コロナによる遠方受験者減・渋幕人気に伴い、合格者数減少。上昇する倍率。
特に2020年は3.3倍と比較的高い倍率でした。受験者の数は最高を記録している上に、合格者が昨年度から100人以上も減ったことが原因です。
合格者数減少の理由は明らかにされていませんが、近年渋幕の人気が高まってきたことから、前受験ではなく本命校として入学を希望するお子様が増え、その結果、入学者が増えすぎないような調整が行われたのではないかと推測いたします。
コロナウイルスの影響がなければ今年度も同じような傾向が続く可能性が高いと考えられるのですが、2021年、2022年入試はコロナウイルスの影響から、受験者数が減っております。
本命層・通塾検討層は受験を見送ることは考え難いことから2023年以降もコロナ情勢が変わらないのであれば、合格者数は650名前後で推移する可能性が高いと言えるでしょう。とは言え、この数年合格者が減少傾向とは言え、偏差値が2も3も変更があった、ということはありませんから、受験生はあまり倍率や合格者数を気にせず試験に向かってほしいと思います。
【二次試験】
受験者 | 合格者 | 倍率 | |
2025 | – | – | – |
2024 | 521 | 68 | 7.7 |
2023 | 522 | 67 | 7.8 |
2022 | 450 | 47 | 9.6 |
2021 | 421 | 46 | 9.2 |
2020 | 555 | 68 | 8.2 |
2019 | 449 | 62 | 7.2 |
2018 | 504 | 48 | 10.5 |
2017 | 525 | 45 | 11.7 |
2016 | 434 | 46 | 9.4 |
2020年が二次試験の受験者数・合格者数共に過去最高数となりました。一次試験で惜しくも不合格だった本命層が例年より多少多く合格できたのではないかと推測いたします。
渋谷教育学園幕張中学の合格最低点・合格者平均点・受験者平均点
一次試験【4科目】
合格最低点 | 合格者平均点 | 受験者平均 | |
平均 | 185.5 (53%) | 206.1 (59%) | 173.3 (50%) |
2025 | – | – | – |
2024 | 185 | 203.9 | 169.7 |
2023 | 187 | 206.6 | 176.7 |
2022 | 209 | 228.7 | 195.8 |
2021 | 182 | 202.6 | 171.8 |
2020 | 204 | 221.8 | 185.8 |
2019 | 188 | 211.2 | 174.6 |
2018 | 179 | 200.3 | 165.3 |
2017 | 166 | 188.6 | 154.7 |
2016 | 179 | 200.6 | 170.0 |
渋幕は合格最低点が5割強と、どの科目も難しく点が取り辛いことで有名です。
志望者の全体戦略としては、得意科目は「55%以上の正解」を死守し、苦手科目は「半分正解することを目指すもの、1-2問届かない可能性がある」と構えた上で対策を行うと良いでしょう。
尚、2020年と2022年の1次試験は受験者平均・合格者平均が10点程度自体上昇していることから、わずかに易化した年であったと言えるでしょう。(20年はそれに加えて、合格者数が大幅に減少したため、合格最低点は15点以上も上昇したものと思われます)
傾向として見ると、2018年から平均点が上昇傾向にありますが、後述する二次試験も同様に連動しているとは断定できませんから、まだ確定的な傾向とは言えません。
一次試験【算数】
合格者平均 | 受験者平均 | 合格者平均ー受験者平均 | |
平均 | 56.4 (56%) | 44.0 (44%) | 12.4 (12%) |
2025 | – | – | – |
2024 | 54.9 | 37.7 | 17.2 |
2023 | 58.7 | 47.8 | 10.9 |
2022 | 64.0 | 52.0 | 12.0 |
2021 | 52.1 | 41.9 | 10.2 |
2020 | 61.3 | 45.0 | 16.3 |
2019 | 53.2 | 39.4 | 13.8 |
2018 | 59.2 | 48.9 | 10.3 |
2017 | 53.8 | 41.4 | 12.4 |
2016 | 61.8 | 51.2 | 10.6 |
2015 | 44.5 | 34.4 | 10.1 |
▼渋幕算数の近年の得点傾向
合格者平均・受験者平均ともに変動が大きいですが、「合格者平均ー受験者平均」をとってみると、毎年10点程度です。しかし2020年はその差が16点と上昇しています。
もちろん、合格ラインが引き上がったことも一因にあると思われますが、2020年は一定のボーナス問題と、ややニッチな応用技術を知っていれば取れる問題がメインとして構成されており、思考力問題がありませんでした。これまで渋幕に向けて応用技術をしっかり習い手に入れてきたたお子様は満点に近い点を得点できた反面と、そもそも技術を手に入れられておらず渋幕の場合の数で勝負をしていた思考力タイプのお子様との差が開いたのではないかと思います。
▼志望者が試験問題に臨む構え
合格者平均58%、受験者平均46%ということから、やはり50%ラインがボーダー層にとって試験中に目指すべき1つの目安となります。2問に1問は死守する構えでまずは試験に望んで欲しいと思います。
年度を通して見てみると、渋幕の算数は年度による差が類を見ないほど大きいと言えます。
例えば、2016年は受験者平均が50%を上回りましたが、2015年や2021年は合格者平均が過去最低の44%程度となりました。このように年度によって、大きく難易度が異なるため、受験生としては「2問に1問は死守する構え」で臨むものの、もし、万が一試験中に全くできないと感じた時は、「周りの受験生も同じ状況であろう、渋幕では合格者平均が50%を下回ることもあるから、解ける問題を解こう」と考えて試験に臨みましょう。
二次試験【4科目】
合格最低点 | 合格者平均点 | 受験者平均 | |
平均 | 213.9 (61%) | 225.7 (64%) | 178.0 (51%) |
2025 | – | – | – |
2024 | 223 | 234.0 | 189.6 |
2023 | 196 | 207.8 | 166.2 |
2022 | 239 | 251.6 | 202.6 |
2021 | 196 | 206.6 | 160.5 |
2020 | 203 | 217.5 | 166.6 |
2019 | 227 | 237.6 | 195.9 |
2018 | 221 | 235.3 | 176.3 |
2017 | 211 | 220.2 | 172.7 |
2016 | 216 | 227.1 | 179.0 |
二次試験【算数】
合格者平均 | 受験者平均 | 合格者平均ー受験者平均 | |
平均 | 63.0 (63%) | 41.1 (41%) | 21.9 (22%) |
2025 | – | – | – |
2024 | 65.5 | 44.0 | 21.5 |
2023 | 58.8 | 38.1 | 20.7 |
2022 | 73.8 | 53.6 | 20.2 |
2021 | 55.4 | 34.6 | 20.8 |
2020 | 56.5 | 32.1 | 24.4 |
2019 | 61.2 | 44.1 | 17.1 |
2018 | 76.5 | 48.9 | 27.6 |
2017 | 60.0 | 37.4 | 22.6 |
2016 | 71.2 | 47.3 | 23.9 |
2015 | 50.7 | 30.6 | 20.1 |
渋谷教育学園幕張中学の科目別配点と試験時間
点数 | 制限時間 | |
国語 | 100点 | 50分 |
算数 | 100点 | 50分 |
理科 | 75点 | 45分 |
社会 | 75点 | 45分 |
渋谷教育学園幕張中学の算数の合格への寄与度
渋幕の合否に対して、算数がどの程度影響があるのかを考えていきましょう。
4科目の「合格者の平均」と「受験者の平均」の違いをとることで、この違いは算数からどの程度生まれたのかを計算します。
その結果が以下の通りです。
一次試験
合格者ー受験者 | 算数の合格寄与度 | ||
4科目 | 算数 | ||
平均 | 32.7 | 12.4 | 37.9% |
2025 | – | – | – |
2024 | 34.2 | 17.2 | 50.3% |
2023 | 29.9 | 10.9 | 36.5% |
2022 | 32.9 | 12.0 | 36.5% |
2021 | 30.8 | 10.2 | 33.1% |
2020 | 36.0 | 16.3 | 45.3% |
2019 | 36.6 | 13.8 | 37.7% |
2018 | 35.0 | 10.3 | 29.4% |
2017 | 33.9 | 12.4 | 36.6% |
2016 | 30.6 | 10.6 | 34.6% |
2019年までは算数が35%程度の寄与度となっており、他の学校に比べて算数優位と言うほどでもない合格寄与度ではありました。
しかし、2020年は1回目・2回目共に45%を上回る結果となりました。
これは、「思考力問題がなくなったこと」によって、技術武装してきたお子様がかなりの高得点を叩き出したのではないかと推測されること、また合格ラインが引き上がった際に、結果として合計得点の上位層は算数ができるお子様だった、と言う可能性が考えられます。 いずれにせよ、渋幕の入試は、技術優位になった際に算数ができるかどうかで大きな差がつく可能性があり、しっかりと対策をしていなければ、その年の傾向によっては大きくライバルに引き離されると考えた方が良いでしょう。
尚、2021年以降は当初の水準に戻っています。
一次試験「4科目別合格寄与度」
算数 | 国語 | 理科 | 社会 | |
平均 | 37.9% | 23.3% | 24.4% | 13.7% |
2025 | – | – | – | – |
2024 | 50.3% | 16.1% | 19.9% | 14.0% |
2023 | 36.5% | 22.4% | 24.7% | 16.7% |
2022 | 36.5% | 25.5% | 22.8% | 14.9% |
2021 | 33.1% | 24.7% | 27.3% | 4.2% |
2020 | 45.3% | 20% | 22.8% | 11.9% |
2019 | 37.7% | 21.9% | 26% | 15% |
2018 | 29.4% | 26.9% | 27.4% | 16.3% |
2017 | 36.6% | 22.7% | 26.5% | 13.9% |
2016 | 34.6% | 28.1% | 24.2% | 13.7% |
科目別で見てもやはり、算数と配点が同等である国語ですら12%以上の開きがあり、算数の出来が合格に比較的影響することが伺えます。
また、算数以外では理社は配点が低いものの、理科も年度によっては国語を超え、算数に迫る合格寄与度を記録している年もあることから、渋幕は算数、その次に国語・理科の2科目が対策効果が高いと考えられます。
二次試験
合格者ー受験者 | 算数の合格寄与度 | ||
4科目 | 算数 | ||
平均 | 47.7 | 21.9 | 45.9% |
2025 | – | – | – |
2024 | 44.4 | 21.5 | 48.4% |
2023 | 41.6 | 20.7 | 49.8% |
2022 | 49.0 | 20.2 | 41.2% |
2021 | 46.1 | 20.8 | 45.1% |
2020 | 50.9 | 24.4 | 47.9% |
2019 | 41.7 | 17.1 | 41.0% |
2018 | 59.0 | 27.6 | 46.8% |
2017 | 47.5 | 22.6 | 47.6% |
2016 | 48.1 | 23.9 | 49.7% |
二次試験「4科目別合格寄与度」
算数 | 国語 | 理科 | 社会 | |
平均 | 45.9% | 19.4% | 22.4% | 12.5% |
2025 | – | – | – | – |
2024 | 48.4% | 17.3% | 19.4% | 15.1% |
2023 | 49.8% | 17.5% | 23.3% | 9.1% |
2022 | 41.2% | 18.4% | 30.2% | 10.0% |
2021 | 45.1% | 21.7% | 20.4% | 12.1% |
2020 | 47.9% | 16.5% | 21% | 14.5% |
2019 | 41% | 23.5% | 25.2% | 10.6% |
2018 | 46.8% | 21% | 20.7% | 11.5% |
2017 | 47.6% | 18.7% | 20.6% | 13.3% |
2016 | 49.7% | 22.7% | 14.1% | 15.8% |
二次試験では、算数とそれ以外の科目では20%以上の開きがあり、算数の出来が合格に大きく影響することが伺えます。
渋谷教育学園幕張中学校の志望者に向けた入試対策の方向性
渋谷教育学園幕張算数の難易度構成
以下、「コベツバ過去問動画解説」で提供している渋幕の過去7年の入試問題データから分野別・難易度別に渋幕の算数対策を詳述致します。まずは「全体の難易度構成・分野別出題比率」から見ていきましょう。
Aが43.3%、Bが44.8%であり、合格最低点が53%、高くとも55%程度になろうことから、レベルAを全問取り切って、レベルBの4分の1〜3分の1を合わせると、算数が足を引っ張らないレベルに到達します。
同じく最難関である開成の合格最低点に達するにはレベルA完答、レベルBを3分の2を合わせる必要があることを考えると、結局のところ多くの受験生は持ち能力の割に渋幕で出題されるタイプの応用技術に対応できないまま入試を迎えているのではないかと推測されます。
その分、しっかりと頻出の応用技術を身につけているお子様は算数で大きく差をつけられる学校になります。
頻出分野×レベルの特徴
以下、「コベツバ過去問動画解説」で提供している渋幕の過去7年の入試問題データから分野別・難易度別に渋幕の算数対策を詳述致します。まずは「全体の分野別出題比率」から見ていきましょう。
第1位:場合の数
第2位:立体図形
第3位:平面図形
第4位:論理・推理
この4分野で約50%を占める出題率となりますから、非常に出題に偏りがある学校であると言えるでしょう。
ここから先は、頻出分野をより詳しく、難易度別(レベルA・レベルB・レベルCD)に見ていきましょう。
偏差値が高く平均点が低い渋幕と言うことで、「どれもこれも難しい」と言う先入観を持ってはいけません。レベルAの問題を見極めて解いていくことで、4割は固く取れることになります。
レベルAを完答するため、分野の偏りなく6年生前半までのテキストに掲載されている基礎・応用技術を身につけていることが重要です。
注意して欲しいこととしては、頻出単元の第1、2位の「水と水グラフ」「規則性」「論理・推理」は5年生、6年生のテキストで手厚く扱われる単元ではありません。「水と水グラフ」「規則性」は折に触れて復習すること、「論理・推理」は余裕のある4年生・5年生のうちに思考力問題にも触れておきましょう。
次はレベルBです
第1位:立体図形
第2位:場合の数
第3位:論理・推理
第4/6位:平面図形
第5位:速さ
レベルAで登場していた「数の性質」「規則性」が一気に出題率を落とし、「立体図形」「場合の数」「平面図形」「速さ」が一気に出題率を伸ばしました。
まずは、何はともあれ、「平面図形」「立体図形」「速さ」を広く、深く学んでいくことが知識・経験の拡充という意味で第一です。これまでの渋幕がそうであったように、知識・経験がないと手も足も出ない問題になっていますので、通常以上の対策が必要になります。
次はレベルCです
平面図形(割合あり)・場合の数・立体図形で殆どを占めることになります。特に平面図形(割合あり)は2020年度第1回の4番(3)のように全く発想が思い浮かばない問題も出題されることが多いですから、本番は見送っても良いでしょう。
また、例年合格点は5-6割程度となっておりますので、「問題の取捨選択」も実力テストを通じて徹底的に行っていく必要があります。「限られた時間の中で得点を取り切る」ということ自体が、最後合否を分けることになるのは渋幕だけではありませんが、1問1問が難しく大きい入試問題の学校なだけに、余計にその選択・その1問が重要になってくる為、大型テストにおいては得点や偏差値だけではなく、「制限時間の中で、得点を取り切れたのか」をしっかりと振り返って、この力を高めて行ってもらうと良いでしょう。
渋谷教育学園幕張頻出の「場合の数」の対策
渋幕の「場合の数」は「発展的技術を要する問題」と「シンプルだけれど場合分けの切り口を要求する思考力問題」が多く出題されています。
前者の「発展的技術を要する問題」は灘中に類似した問題が出題されており、他の最難関校ではほとんど見かけない論点が出題されることがあります。
<灘中 2006年2日目4番>
(1) 解説動画
(2) 解説動画
(3) 解説動画
<渋谷教育学園幕張中 2015年一次2番>
(1) 解説動画
(2) 解説動画
(3) 解説動画
このように、2問とも「円順列の利用」という大きなテーマに基づいた珍しい発展的論点で形成されています。
続いて、後者の「シンプルだけれど場合分けの切り口を要求する思考力問題」の例を見てみます。
<渋谷教育学園幕張中 2021年二次2番>
(1)① 解説動画
(1)② 解説動画
(2) 解説動画
場合分けの切り口を設定していくことが鍵を握る渋幕らしい思考力問題です。こういった場合の切り口の設定を本番で短時間で自分で立てられるようになることが攻略の秘訣となります。
発展的技術も思考力問題も優秀なライバル達でも苦手意識を持つ人が多い為、それぞれを鍛えていくことでライバルに一歩リードをすることが可能です。コベツバでは、TopGun特訓やコベツバweb授業で場合の数の技術を、コベツバwebの思考力講座で思考力問題を訓練するコンテンツを用意しておりますので、是非活かして欲しいと思います。
〜筑駒・開成・聖光・渋幕・麻布・桜蔭・栄光・灘・久留米附設・東海〜コベツバのTop Gun特訓では、上記の最難関の学校で必要とされる発展技術をポイント動画という武器とその練習問題・テスト問題で練習する型で身につけられる講座を配信し[…]
渋谷教育学園幕張頻出の「立体図形」の対策
この7年間で立体図形が出題されなかったことは僅か1回。つまり、ほぼ毎回出題されていることになります。
レベルBの21%を占めていることから、レベルAに加えて、立体図形レベルBを合わせるだけで合格まであと一歩のところまで届くという算段になります。
渋幕の立体は、切断を中心に比を必要とする複雑な問題が多く「ものの見方を試される」出題傾向にあります。
傾向としては灘中の「比をゴリゴリ使うタイプの立体図形」と類似しており、「割合がなく、問題設定がややこしい問題」が多い女子御三家の立体図形との相性があまり良くないと言えるでしょう。
頻出技術は「連続切断」「相→面/相→体(相似比から面積比・体積比を求めるもの)」「平均の策」の3つであり、過去10年で複数回出題されており「オチは同じ」ではあるのですが、問題毎に全く異なる設定となっているため「どの技術をどのように使うのか」という点の判断・技術の使いこなしが難しい問題です。
<渋谷教育学園幕張中 2020年一次5番>
(1) 解説動画
(2)① 解説動画
(2)② 解説動画
注意点としては、立体図形は他分野に比べて、6年生前半までの取り扱いが薄く、完成度が低くなりがちなことです。立体図形の発展技術は6年生夏からやっと習い始めるため、実は「11月〜12月の過去問演習段階でも仕上がっていない」というケースが散見されます。もちろん、そこから特訓して得点出来るようになるお子様も多いものの、ギリギリ間に合っている印象で、もう少し早くから取り組んでおくに越したことはありません。
コベツバweb授業やTopGun特訓ではできるだけ早い段階から立体図形の練習を積むことができる教材となっておりますので、算数で差をつけたい受験生は是非挑戦してみてください。
渋谷教育学園幕張頻出の「平面図形(割合有)」の対策
渋幕の平面図形は他の関東圏とは全く毛色が異なる、高度かつレアな技術が求められる内容となっています。
例えば、「七五三(753三角形)」「3:4:5の内接円パック」「直三の中の直三」「合体」「足して180°の隣辺比」など、ほとんど集団塾で習う機会がない技術を必要とされる問題が出題されています。
「知っていればかなり容易になる」「知らなければ本番に自分で閃く必要があるものの、それはごく一部の天才のみ」という問題が連続的に出題されていることから、渋幕の平面図形は「高度な知識武装」で大きく差がついてしまうと言って良いでしょう。
平面図形で同類の技術を出題する学校は灘であり、関東圏ではほとんどお目にかからない技術です。よって、どうしても他関東圏もターゲットとした場合の塾のテキストや特訓でも1回〜2回登場するか、しないか、というものがほとんどです。過去問演習に取り組んでいても「渋幕とは相性が悪い、難しい」というお声を多く頂くのですが、これは一重に渋幕に特化した技術習得がまだできていないことが大きな原因です。
よって、この分野は渋幕に特化した対策として、渋幕・灘中の過去の平面図形技術を習得することが大きな効果を発揮する分野となります。
灘中の平面図形や、コベツバのTopGun特訓「平面図形」に取り組んでいただければと思います。
渋谷教育学園幕張頻出の「速さ」の対策
渋幕の特徴はとにかく「グラフ絡み」の問題を好むことです。「速さの隔たりグラフ」「水グラフ」など、「グラフ」という変化量の問題に対して一定以上に習熟しておくことも重要です。(ちなみに、桜蔭も速さのダイヤグラムを好む傾向にあります。)
そして、同じ文脈で「速さ」「図形の移動」「点の移動」など、「変化」を捉えられるのかを問うことを好みますので、グラフの有無に限らず、「動きのある単元」は他単元以上に習熟しておく必要があろうかと思います。
<渋谷教育学園幕張中 2022年一次3番>
(1) 解説動画
(2) 解説動画
また、グラフ、特に速さのダイヤグラムや隔たりグラフは近年の関東難関校の流行りの問題で年々進化を遂げており、「そもそもダイヤグラムを書くのか」から判断させる問題も多く出題されるようになりました。
グラフを用いた問題を本格的に習い始めるのは6年生からですが、渋幕志望のお子様は特にグラフ問題には念入りに取り組んで欲しいと思います。