駒場東邦中入試の解体新書 | 過去問データに基づく算数傾向分析と対策

中学受験コベツバでは駒場東邦中学入試(算数)の出題傾向をデータを用い徹底分析した上で、対策の方向性を配信中です。

駒場東邦中の最新入試の算数解説動画、難易度・傾向分析などは以下からご覧いただけます。

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駒場東邦中入試の基本データ

駒場東邦中学偏差値(サピックス/四谷大塚/日能研)

 サピックス四谷大塚日能研
2024
2023616566
2022606565
2021586664
2020586463

偏差値が下がりつつありましたが、2020年以降は全体的に上昇傾向にあります。

駒場東邦中学の受験者・合格者数・受験倍率推移

 受験者合格者倍率
2025
20246272972.11
20235863041.93
20225552921.90
20216232852.19
20205762901.99
20195272941.79
20185002841.76
20175142721.89

受験者数や倍率を見ておりますが、2017年〜2019年はやや人気が落ちているのではないかと思われる傾向でありましたが、2020年以降、人気が復活していることが窺えます。

駒場東邦中学の合格最低点・合格者平均点・受験者平均点

【4科目】

 合格最低点合格者平均点受験者平均
平均238.1 (60%)259.2 (65%)235.8 (59%)
2025
2024233253.4229.9
2023262280.8261.2
2022215235.0215.1
2021238260.0232.5
2020242264.1239.5
2019236259.7237.8
2018226246.8227.0
2017249273.2249.1
2016228250.7222.6
2015252268.5243.1

合格最低点は6割程度で、難関校としては順当な難易度の問題であることが窺えます。

【算数】

 合格者平均受験者平均
平均78.4 (65%)68.2 (57%)
2025
202466.657.2
202390.280.7
202242.635.5
202173.060.6
202084.074.0
201989.178.4
201887.379.9
201798.688.4
201672.658.3
201579.768.8

算数に関しては、問題の難易度(最難関の開成・筑駒にも劣らない難易度)に対してあまりにも得点率が高いことから、おそらく相当に記述による部分点が出ており、それが合格者と受験者の点差を生み出しているのではないかと推測されます。

しかし2022年はほぼ全問が思考力問題という中で、合格者平均ですら42点と非常に低い平均点となりました。合格者と受験者の点数差が7点になってしまい、これまではほぼ10点以上の開きがあったことに対して大きな変動となっています。

これまでの部分点の基準で採点しても、傾向の大変化によって受験生の出来が学校側の想定以上に芳しくなかった、部分点が出せなかった可能性があるでしょう。

駒場東邦中学の科目別配点と試験時間

 点数制限時間
国語120点60分
算数120点60分
理科80点40分
社会80点40分

算・国に傾斜した配点となっています。

駒場東邦中学の算数の合格への寄与度

 合格者ー受験者算数の合格寄与度
 4科目算数
平均23.410.243.6%
2025
202423.59.440.0%
202319.69.548.5%
202219.97.135.7%
202127.512.445.1%
202024.610.040.7%
201921.910.748.9%
201819.87.437.4%
201724.110.242.3%
201628.114.350.9%
201525.410.942.9%

算数は問題が大変難しいものの、おそらく途中式や思考の過程に対して部分点を出しているため、一定の技術や思考力を鍛えてきた受験者と、そうでない受験者の間で差がつきやすい試験になっています。(2022年を除く)

その結果、算数の合格者と受験者の差は4科目の合格者と受験者の差の半分弱を占めることになっています。

駒場東邦中算数の概観

単元別出題比率

まずこちらが駒場東邦中学の分野別配点率になります。

分野別配点率分野別配点率

「数の性質」「立体図形」「図形・点の移動」で半数近くを占めていることがわかります。また「文章題(割合なし)」「水と水グラフ」はほとんど出題されていません。出題分野にここまで偏りのある学校も大変珍しく、最難関の中でも随一の特徴を持っていると言えます。

難易度比率

次にレベル別配点率を見てみましょう。

レベル別配点率

レベルA(基礎レベル)が54%以上と多くの割合を占め、これは他最難関に比べると高い割合です。受験者平均が例年60%を超えていることから、合格するのであればレベルAは全問正解する必要があります。(尚、これは大変高い平均点であることから正答せずとも部分点が多く出ていることが予想されます。)

したがって、レベルAとレベルB(差がつく応用レベル)(37%)のうち約半分の19%を得点できれば70%と合格ボーダーラインと言えるでしょう。

最後に、駒場東邦のレベル別×分野別の配点から対策効果の高い単元を洗い出します。

難易度×単元比率

レベルA頻出単元

「数の性質・図形と点の移動・立体図形・論理推理」で全体の半分以上になります。

レベルA分野別配点率

レベルB頻出単元

「数の性質・図形と点の移動・立体図形」で全体の半分以上になります。これは全体で見たときの頻出分野と全く同じです。

レベルB分野別配点率

レベルC頻出単元

意外にも「場合の数」「平面図形(割合あり)」「速さ」が上位に食い込んでおり、レベルBまでとレベルCDは頻出分野が大きく異なることが分かります。
※レベルC/D…(出来なくても問題ない発展レベル)

レベルC分野別配点率

駒場東邦中学校の志望者に向けた入試対策の方向性

1: 数の性質を深いレベルのものまで習得
2: 平面図形の基礎応用レベルのものを幅広く習得
3: トレンドの応用技術を習得

の、3点に加えて、2019年度は例外であったものの毎年恒例のように出題されている

4: 図形の移動を極める。複雑なものも面倒がらずに、丁寧に作図すること

が重要です。

 

数の性質を深いレベルのものまで習得

2019年もLCM、LCMセットを活用する応用レベルの問題が出題されました。過去には約数個数・約数の積まで問われる問題を出題しており、「約数・倍数」については相当程度に高度な技術を要求されることがあります。

ただし、高度な思考力を要求してくるものではなく、あくまでも高度な技術を自由に扱えるかどうかを問うものである為、事前の対策がどこまでできているかで勝負を分けることになります。従って、子供達の能力以上に教育者や伴走者が提供する対策の質や方向性が重要になります。

平面図形の基礎応用レベルのものを幅広く習得

例年出題される平面図形の多くはあくまでも基本レベルが大半を占めます。もちろん一部難易度の高いものも出題されるものの、レベルABで取りこぼすとリカバリーが難しくなりますし、ここを短時間で解き切ることで入試の中での良いリズムをつかむことができます。数の性質とは違い、深く高度な対策ではなく広く触れておくことが重要になります。

トレンドの応用技術を習得

2019年は「立体の影」でしたが、他に難関・最難関の大きなトレンドでは、例えば「立体切断」、場合の数の「イチイチ問題絡み」あたりが様々な学校で出題されている為、対策の必要性を感じます。過去問のやりこみという縦の対策だけではなく、他の難関校でも出題されている応用技術を貪欲に習得していくことが効いてきます。

図形の移動を極める。複雑なものも面倒がらずに、丁寧に作図すること

2019年は出題がありませんでしたが例年駒東といえば「複雑な図形の移動」と言われるほど、特徴的な単元で、他校でここまで図形の移動に尖を持った学校はありません。あまり図形の移動にフォーカスが当たった教材はありませんし、復習機会は多くないはずですので、まずはテキストの図形の移動の回の復習から始めましょう。その上で、決して技術的に珍しいものはありませんので、過去問や志望校別の当該単元の問題を丁寧にやり込んでいきましょう。

 

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