中学受験生1年間のイメージと6年生前半にやるべき算数

保護者様から多く頂くご相談に回答する『コベツバRadio』

第2回目は、新6年生から多くいただいているご相談「6年生前半の学習の進め方」についてです。



以下の記事でもご紹介しているように、6年生前半で重要なことは「5年〜6年前半までの土台を固めること」です。

【サピックス6年生前半戦】土台の完成度を上げ切る旅
【サピックス6年生前半戦】土台の完成度を上げ切る旅

「3月組分けテスト」はその進捗を測る1つの指標であり、結果に一喜一憂するのではなく、6年生後半でしっかり志望校に向けてアクセルを踏めるようにするために、

『まさに今』何に取り組んでいくべきかについてお伝えいたします。

お詫びと注意点(2022年3月)

この記事は、分野別の総復習が難易度・ポイント別にできる「コベツバweb授業」サービスが開始される2020年3月以前に配信されたものです。そのためサピックステキストでの総復習について「のみ」お話ししています。情報がまとまっておらず、誠に申し訳ありません。最新のものはこの後にご紹介しているものです

サピックステキストでの総復習も良い手段ですが、サピックス5年生での偏差値が大抵50を超えている方、特に55を超えている場合で、コベツバでの学習を検討されている場合は大抵「コベツバweb授業」での復習をお勧めすることが多いです。

コベツバweb授業を利用することで、中学受験算数で必要なポイントを網羅的に学習できます。教材では1ポイント2問程度と、体系的に一覧化されています。なので、偏り・漏れなく効率的に勉強することができます。また確認テストなどの順位競争やコメントなどモチベーションが保ちやすいかもしれません。

テキストはスパイラル学習の良さがある反面、その裏返しとして論点の重複が多く、問題量が多いです。(量を減らすためにテスト直しだけにすると今後は抜け漏れが多くあります)。これは算数を偏差値50に持っていきたいお子様や算数が苦手なお子様にとっては最適です。一度取り組んだ問題の方が安心感がある場合もあるでしょう。

しかし、そこまでの量がこなせないお子様やテキストに似た典型題しか解けないことが課題のお子様はコベツバweb授業の方が良い場合もあります。

また、割合の立体図形や割合の水問題など、習う時期が6年中盤以降と遅く、受験間際まで苦手のままになりやすい単元をコベツバweb授業でカバーしたり、練習を積むこともできます。

※補足
コベツバ解説サービス(コベツバweb授業コベツバのサピックス解説も5年に遡って購入可能です)では初見問題でも解けるように、解法をまとめたポイント動画がありそれぞれに名前がついています。これにより脳が整理されたり、色々な問題で転用できる算数の武器を手に入れられ、算数が得意になられるケースが多いように思います。

いずれにせよ、お子様がモチベーションを保て、その子にとっての十分な演習量が確保できる教材であればどちらでも良いと思います。上記を踏まえてテキストの解説に取り組む場合は以下の記事をご覧ください。

コベツバweb授業での復習方法まで含めて、6年生前期にすべきことをお話している最新版の記事はこちらになります。

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先日の『組分けテスト』の得点が5年生時に比べると、あまり芳しくありませんでした。家で解き直しをするとすぐに解けるものも多かったようです。

よく頑張っているので、もう少し伸びて欲しいと思っていたので親子とも残念ですが、何が課題なのでしょうか。

また、ここから先の学習は6年生の平常テキストと、いわゆる組分け対策のような総復習、そして実戦形式の土曜特訓、何を最も優先すれば良いでしょうか?

お母様

 

コベツバ記事サイトでは、こちらの動画でお話ししていることをDijest版としてお伝えして行きたいと思います。

1: 受験学年の外観

1-1: 夏期講習

0:54から再生

 

1日〜2日に1回の授業ペース。毎回の量が多い

新しく習う応用論点も一部含まれる(入試頻出)

デイリーチェックの得点次第で居残りするクラスもあり

お盆以外の期間は、家庭主導の学習は厳しい

1-2: 9月以降

2:28から再生

 

SS特訓志望校別と単科講座が優先順位第1に

ほとんどの方は土曜特訓は優先順位が最下位に

習うもののレベルが高い為、SSの復習テスト(前週の数値替えテスト)の平均点が低くなる傾向にある(平均点が5〜7割)

もちろん過去問/模試のやり直しもあり

平常授業は復習が7割であるので身についているならば時間をかけずに進行できる

2: 6年前半のゴールは?

2-1: 基礎/標準技術を身につけきること

8:10から再生

 

9月1日時点で、このペースについていける状態になっている必要がある。

しかし、夏休みも非常に忙しく、家庭主導の学習は難しい。

7月末までに基礎/標準技術を身につけきった状態が必須であり、

それができるのはまさに今〜7月末まで。

2-2: ゴールを達成できなかった場合の9月以降はどうなるのか

12:40から再生

 

7月末までに、中学受験で必要な技術の約80%を習い終わる(残りは応用/発展論点)。

この80%を「形が変わっても」「角度が変わっても」答えられる状態までに、いかに早く仕上げられるかが重要。

もし、仕上げられなかった場合、

理解している前提で行われる授業についていくことが難しい
やり直しコストが大量になってしまい、回らない

という事態になってしまう。

本来9月以降は「学校に合わせた対策」を行う時期であり、基礎技術をやり直す時間はほとんどない。


2-3: 9月から家庭主導で学習を行うことで間に合うのか?

10:00から再生

 

出題頻度が多い分野は得点できる戦略をとるものの、皆ができるベース部分の一部は身についていないまま放置せざるを得ない。一種の賭けになる。

3: 具体的に6年生前半は何をすべきか

3-1: 大方針は「分野別に5年〜6年までを全てやり直すこと」

17:00から再生

 

大分野別に総復習(5年/6年のテキストを一気貫通)

苦手な単元からスタート

一気に学習した方が効率的に身につけることができる

可能な限り、全単元を7月末までに仕上げましょう

3-2: 間違えたものはもう1周回した方がいいの?

20:40から再生

 

復習時に間違ったものは、1週間以上経ってからもう1回解き直して、定着確認を行う。

3-3: テキストは全問やるべきなの?

21:00から再生

 

特に苦手な分野は、過去に正解しているかどうかに関係なく全ての問題に取り組むべし。

とはいえ時間がないそこまで苦手ではない単元は、「デイリーチェック」にもう1回取り組んで苦手のスクリーニングを行なった上で、間違えた問題の類題をテキストに戻って取り組む。

3-4: どうしても、そこまでする時間がない場合は?

23:22から再生

 

どうしても7月末は厳しい場合は、9月末に伸ばす。

6年平常授業の応用以外は、重要論点なので優先度は下げない

土曜特訓は軽めに(授業で間違えたもののやり直し)取り組んでOK。それは6年生後半で実戦形式の学習を大量に行う予定であるため。

3-5: 偏差値60以上でも、5年/6年前半の復習をすべきなの?

27:10から再生

 

「組分けテスト」で失点しているレベルAB問題の分野等で、明らかに苦手分野があるのであれば取り組む。

応用問題でも、基礎となる過去の技術をベースに自分で組み立てるものが多いので、具体の問題ストックが多いに越したことはない。

4: 6年生前半は成績が伸び悩む時期なのか?

30:09から再生

 

実は6年生になったからといって、問題自体が非常に難しくなっているわけではない。

とはいえ、多数の論点/技術のストックが増えたからこそ、

「何を使うか迷う」
「使い方を少し間違う」
「探すまでに時間がかかる」

ことが増えて、失点が多くなる。

とはいえ、こういった場合は「解説(動画)を見たら、すぐにわかる!」「時間をかければ正解できる!」という状態。

やり直しの際に「どうしていれば気づけたのか?」「何が手がかりなのか」を考えていくことが重要。

しかしもし、解説を見ても「ポカン」となってしまう、すっかり忘れている状態であれば、早急に技術の入れ直しが必要。


5: 6年生マンスリーに向けた対策と、総復習はどちらが大事?

35:41から再生

 

両方重要。6年生前半も重要技術を習うため、マンスリーに向けた学習でしっかりと定着を。総復習は「入試対策、足元は7月組分け対策」として重要。

6: 6年生前半の成績は、どこまで後半の成績や入試結果に関係があるのか?

37:07から再生

 

±20程度の偏差値の揺れはある。それは「身についているもの」「身についていないもの」がまだらにある状態で、だからこそテストの出題内容や聞かれ方によって随分違いが出てしまう。重要なことは1回1回のテスト偏差値よりも「いち早く5年生+6年前半の内容を定着させて安定化させること。」