浅野中入試の解体新書 | 過去問データに基づく算数傾向分析と対策


『浅野中学入試の解体新書』とは?

浅野中学の直近6年間の入試を解体・徹底分析し、一般の方からは非常に見えづらい入試および入試問題の特徴を明らかにすることを通じて、世間一般で言われている常識とは異なる考察をお伝えし、入試突破にあたっての体系的な指針を提供することを目的としております。
入試対策において「全ての科目、全ての分野、全てのポイントを対策すること」は時間と能力に余裕があればそれがベストです、でもそれはあくまでも理想論です。
現実は、時間との戦い・屈強なライバルたちの戦いであり、その為には、時間対効果が高いと考えられる勉強を入試突破に向けて戦略的に行う必要があります。まだ志望校対策に腰を据えて取り組む前段階である5年生や、追加の学習の余裕がない6年生前半でも、志望校を意識し、頻出単元の応用・発展技術には積極的に手を伸ばしていくことで、6年生後半の志望校別特訓クラスのスタート時点でライバルと数段の差をつけることもできるでしょう。浅野中突破の頂に向けて最短・最速で登って頂く為に、是非ご活用頂ければ幸いです。

最新の入試である、2022年の浅野中入試の算数解説動画、難易度・傾向分析などは以下からご覧頂けます。

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浅野中学入試の基本データ

浅野中学80%偏差値(サピックス/四谷大塚/日能研)

 サピックス四谷大塚日能研
2022
2021576464
20205764

浅野中学の受験者・合格者数・受験倍率推移

 受験者合格者倍率
202214745942.5
202115346022.5
202015736362.5
201915736202.5
201815096192.4

浅野中学の合格最低点・合格者平均点・受験者平均点

【4科目】

 合格最低点合格者平均点受験者平均
平均241.6 (60%)265.6 (66%)230.7 (58%)
2022248272237
2021242267232
2020230249220
2019262287248
2018262287250
2017224249217
2016223248211

【算数】

 合格者平均受験者平均
平均84.6 (70%)69.9 (58%)
20229278
20218573
20207863
201910284
20189276
20177260
20167155

浅野中学の科目別配点と試験時間

 点数制限時間
国語120点50分
算数120点50分
理科80点40分
社会80点40分

浅野中学の算数の合格への寄与度

ここでは、合格者と受験者との差が一体「どの科目が」「どれくらいの割合」で、他受験者との得点差を生み、合格に寄与したかを示す「合格寄与度」を独自に算出し、実際に合格した人は、受験会場にいた一般的な受験者と比べ一体何がどれくらい違ったのかを明らかにします。

まず、科目別の「合格寄与度」を、以下のような操作で算出しました。

1: 各科目の「合格乖離点=合格者平均点ー不合格者平均点」を算出

2: (各科目の合格乖離点)÷(全科目の合格乖離点)×100%で換算

結果は以下の通りです。

 合格者ー受験者算数の合格寄与度
 4科目算数
平均34.914.742.2%
2022351440%
2021351234.3%
2020291551.7%
2019391846.2%
2018371643.2%
2017321237.5%
2016371643.2%

過去6年間の平均が42.2%と、非常に高い結果となりました。2022年も40.5%と40%を超えています。

参考までに4教科校では関東の開成中が41.8%となっており、ほぼ同等と言えます。また、余談ですが浅野を含めた神奈川男子御三家は全国レベルで見ても算数の合格寄与度が高く、聖光学院も栄光学園も軒並み40%を超えており、神奈川の難関校を攻略するには算数を制することが非常に重要であることが伺えます。

浅野中学の算数概観

浅野中の算数 単元別出題比率

まず、大きな単元別に算数の過去6年間の配点を想定し、集計した入試問題の分野別出題シェアと出題比率のグラフが以下となります。(実際の正確な得点は分かりかね、あくまでも想定値での算出となります。)

比較的出題は分散している印象はありますが、上から順に

●立体図形 15.4%
●数の性質 15%
●速さ 13.5%
●平面図形(割合無) 11.8%
●論理・推理 8.9%
●場合の数 8.2%

となっております。

特徴を見ていきますと、全国的な難関校頻出分野である「立体図形」「速さ」が入っていること、次に関東圏難関校が好む「数の性質」が入っていることは難関校らしい出題です。

次に、「平面図形(割合無)」が上位に入っているのが難関校の中では非常に珍しい印象を持ちました。全国的に「平面図形(割合無)」は、例えば女子学院中のような女子難関校が好む分野ではありますが、実は算数が良くできる人の中でもどこから解き進めるかを判断するきっかけが少なく解きにくい分野であることは知られています。

また、「論理・推理」と「場合の数」はそのほとんどが思考力問題になっております。

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毎年、ほぼ大問1問は「論理・推理」か「場合の数」の分野の思考力問題が出題されており、かつ難関校の中では比較的合格ラインが高くなる傾向がある為、思考力の継続的な養成も行っておく方が望ましいと言えるでしょう。

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浅野中の算数 難易度比率

この6年間に出題された問題を以下のように難易度レベルで表現しました。

A=浅野受験者の大半が正答できる問題
B=浅野受験者の中で、正答できるかどうかが分かれる問題
C=浅野合格者でも出来ていない人が多いと思われる問題

その結果、A・B・Cの全体の比率としては以下のグラフのようになります。

全体としてはレベルAが60%、レベルBが36%、レベルCが4%となっております。

年度によって難易度のブレがありますが、平均してみると浅野中の受験者平均が60%前後であり、おおよそレベルAを取り切れば受験者平均に到達できることが分かります。その上で、合格者平均はおおよそ70%台前半ということで、レベルBの約3分の1を得点することで到達することが出来ます。

逆に言いますと、レベルAで1問分からない場合や、1問ミスをすることを考えると、レベルBの問題での得点力ことが非常に重要になるということが言える訳です。従って、合格を獲得するには「基本問題は落とさず」「応用問題も肉薄する」構え方が必要になります。ここ数年、偏差値も上がってきており、かつてのように「基本問題だけを取り切るだけで合格ラインに到達する」ことは困難になっているとデータからは読み取ることが出来ます。

浅野中の算数 難易度×単元比率

では、続いて難易度レベルごとに出題単元のシェアを見ていきます。

まず、「A=浅野受験者の大半が正答できる問題」です。

「数の性質」が18.3%で大きなシェアを占めていますが、他は比較的バランス良く、かつ全体のシェアが低い分野(「水と水グラフ」「文章題(割合無)」等)でも出題がある印象です。従って、レベルAの基本については特定の単元に絞ることなく満遍なく身につけていく必要があります。特に、屈強なライバルが大勢受験することもあり、前段でもお伝えした通り、合格の為にはレベルAはどの分野で出題されても完答できるぐらいの幅広い地力をつけた上で、本番に臨んで欲しいと思います。

続いて、最も重要な「B=浅野受験者の中で、正答できるかどうかが分かれる問題」です。

●「平面図形(割合無)」22.5%
●「速さ」22.1%
●「立体図形」17.9%

とこの3つの単元で60%を超えており、非常に偏った構成と言えるでしょう。全体シェアとの違いは、「平面図形(割合有)」が全体シェアよりも高く、レベルBの比重が大きいことが伺えます。また、「数の性質」は上記の通りレベルAの出題が多い為、ややレベルBのシェアを落としたと言えるでしょう。

最後に、「C=浅野合格者でも出来ていない人が多いと思われる問題」です。

まず、そもそもレベルCの出題が全体の3.6%と非常に少ない学校(=「入試」という受験生の力を測るテストの作成が上手い学校)であることを再度確認しておきましょう。その上で、「立体図形」が大きなシェアを占めていることから、「立体図形」においてはかなりの難問が出題されることは頭に入れておくと良いでしょう。

浅野中学の算数分野別の対策

では、以下では合否を分けることになるレベルBの上位3つの分野である「平面図形(割合無)」「速さ」「立体図形」のそれぞれについての対策について見ていきます。

浅野中入試の「平面図形(割合無)」対策

○難易度:他の分野に比べてレベルAの出題が少なくレベルBの出題が多い為、合否を決めることになる傾向が強いです。

○傾向:大問1番の小問集合ではほぼ毎年出題されるだけではなく、それに加えて他の大問でも丸々1問出題されることがあります。技術を活用するタイプの問題と、推論や「対称性に注目」などの着眼点を問う思考力要素のある問題が出題されています。

<浅野中 2020年 5番>

(1) 解説動画

(2) 解説動画

(3) 解説動画

(4) 解説動画

「ガづくり」という論点を題材に作成された問題だと想像しますが、最後はそのまま技術的に簡単に解決できる訳ではなく、一部で「誘導」や、着眼点を問う要素も入っていることが特徴と言えます。

○対策:題材自体が珍しいものが選ばれるケースは少なく、幅広く学習してきた人にとっては触れた記憶があるものが多い印象です。同時に思考力要素が加味されているものも、純粋な思考力問題というよりも難問にありがちなひねりを加えたものが多いです。従って、この「平面図形(割合無)」分野における難問に取り組んでいくことが有効な対策になるでしょう。

浅野中入試の「速さ」対策

○難易度:「平面図形(割合無)」と同じく、全体よりもレベルAの出題が少なく、レベルBの出題が多い為、合格の為には攻略する必要がある分野です。

○傾向:大問1番の小問集合か、2番以降の大問のいずれかで出題されることが多いです。特徴としては論点が明確なことです。受験生に求めたい論点が先にあってそこから問題を設計しただろうと推測される問題が多い印象です。

<浅野中 2018年 1番(4)>

解説動画

<浅野中 2022年 1番(4)>

解説動画

それぞれ「真ん中影武者」と「流速分け」の典型的と言える問題ではありますが、それぞれが応用技術であり、習得して使いこなす為には一定のハードルがあります。こういった応用技術を狙いすまして出題してくるのが浅野中の速さだと言えるでしょう。

○対策:

従って、対策としてはニッチな応用技術まで含めて、論点ごとに確実に身につけておくことが重要になります。例えば、上記の2022年1番(4)の「流速分け」の問題は関東圏ではほとんど出題のなかった論点でもあり、作り手の先生が研究熱心であることが伺えます。受験生のレベルが上がっていく中、出題論点自体も珍しいものが狙われているのかもしれません。

尚、コベツバwebでは論点ごとに学ぶことができる機能もあり、1つ1つ論点=技術を網羅的に潰していくことで、どの論点が出題されてもカバーできる確実な対策を行うことができます。

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浅野中入試の「立体図形」対策

○難易度:レベルBだけではなくレベルCの比率が他分野よりも高く、難易度は高いです。浅野の受験生のほとんどが立体図形について高度な訓練を受けているだろうという想定もあり、容赦なく難問を出題してきている印象です。

○傾向:多くの場合で、テストの最後の大問で出題されており小問が進むにつれて難しくなっていく構成です。とはいえ、その論点の多くは全国の最難関校・難関校でも出題されている論点がほとんどで、全く珍しいものはない印象です。

<浅野中 2017年6番>

(1) 解説動画

(2)(3) 解説動画

(4) 解説動画

(5) 解説動画

(4)(5)のアプローチ方法を使わせる問題は、全国の最難関校で出題があり、関東圏では有名なところでは海城や桜蔭での出題があるものです。

○対策:ほぼ毎年のように出題されていることから、対策は必須。「速さ」と同じく論点が明確である為、浅野で出題された時にもアプローチ方法を想起できるように、難関校・最難関校の類題を論点を意識して取り組んでいくことが重要です。

浅野中学志望者向けの対策・動画配信サービス

最後にお知らせとなります。

中学受験コベツバでは、上記の分析・出題傾向を踏まえて浅野中学志望の子供たちを対象に、以下のサービスを配信をしております。

●1:コベツバ過去問動画解説

浅野中6年分の過去問全問動画解説を配信中です。

トッププロ家庭教師によるライバルに差をつける技術を学べる解説動画と、過去問に取り組むご家庭を支える、問題難易度・重要度分析・お子様の苦手分析機能。

最難関・難関過去問解説動画スタート
最難関・難関過去問10年分 全問解説動画

●2:中学受験算数の全てを体系的に学ぶ・無料で使える「コベツバweb授業」

浅野中学志望のライバル達が多数利用中!浅野中学攻略に不可欠な各分野理解のポイントを、トッププロ家庭教師がわかりやすく解説。

中学受験算数オンライン教材「コベツバweb授業」
中学受験算数の分野別教材「コベツバweb授業」

●3:サピックステキスト解説

サピックス(SAPIX)算数テキスト全問動画解説サービス『StandBy(スタンバイ)』を始動
サピックス(SAPIX)算数テキスト全問動画解説サービス『StandBy(スタンバイ)』を始動

●4:コベツバ予習シリーズ解説

予習シリーズ+各種問題集の全問動画解説。ポイントと一緒に学ぶことで深い理解と得点アップにつなげよう!

予習シリーズ テキスト解説とテスト対策
四谷大塚予習シリーズ テキスト解説とテスト対策

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