相談No5:苦手な算数に力を入れているのですが、マンスリー得点が伸びません

今回は、6年生の保護者様からのご相談です。

いつも役に立つコンテンツを配信いただき、娘の算数への理解が深まっているようで、ありがとうございます。

さて娘の算数の学習法のことで相談がございます。
娘は小学校3年生の初めからサピックスに通っております。他の科目が得意という訳ではないのですが、特に算数に対して5年生に上がった頃から苦手意識を持っております。偏差値は50台前半から徐々に下がっており、6年生の3月頃には過去最低の45弱まで落ちてしまいました。

これではいけないと思い、私も横について一緒に勉強に取り組む時間を増やすようにいたしましたが、今までで一番力を入れて望んだ次のマンスリーは45強と持ち直しはしたものの、思ったほどの成績ではありませんでした。
親も本人も算数への理解はこれまでより上がっているように感じられるのですが、テストではなかなか得点できず本人もがっかりしておりました。

サピックスオープンもこれまでにみたことの無いような偏差値になってしまい、親としては今後の戦略について途方に暮れております。
何かアドバイスを頂ければ幸いでございます。

相談に来た6年生女子の保護者
中学受験コベツバ 村中

ありがとうございます。承知致しました。
一番力を入れたとおっしゃっておられましたここ最近の取り組みについて、具体的にはどのような取り組みをされていたのか教えていただけますでしょうか?

はい。まずは授業で指示されたデイリーサポートの宿題に取り組みました。
「デイリーチェックの学習・管理方法詳細」の記事を参考に、授業翌日と翌々日に分けてに全ての宿題に取り組み、不安なものは授業前日にもう一度復習をしておりました。おかげさまでデイリーチェックの得点は120点前後から180点前後に伸びておりました。
マンスリー前にはデイリーサポートの間違った問題にもう一度取り組みました。

相談に来た6年生女子の保護者
中学受験コベツバ 村中

もしよろしければマンスリー確認テストの問題用紙の書き込みを拝見してもよろしいでしょうか?

はい、こちらになります。

相談に来た6年生女子の保護者
中学受験コベツバ 村中

ありがとうございます。

中学受験コベツバ 村中

問題用紙を拝見しましたが、大きな特徴として

1: 書き込みが不十分で間違いを誘ってしまっていること
2: 解き筋がすぐにわからない問題で手が止まってしまっていること

があげられます。

まず「1:書き込みが不十分で間違いを誘ってしまっていること」ですが、

難問(レベルB)以外は、本人の中でも解けているという自信を持って進んでいることが伺えます。にも関わらずあまり得点できていません。これは、書き込みの情報が不十分であることで、1つのステップを忘れてしまったり、数値を捉え間違っているからであり、非常に惜しいと思います。

例えば、線分図の「どこからどこまでが◯◯」と書いておくべきところで、「どこからどこまで」のヒゲの部分を書いていないが故に、問題を解いているうちにどこからどこまでなのかを捉え間違っているようです。

他にも速さの問題で、途中で◯分休む、という情報があるのですが、図に記載するのを忘れておられます。

本人は帰宅後やり直しに取り組み「なんで間違っちゃったんだろう!」「解けたはずなのに、ミスしてしまって悔しい」と申しておりました。書き込みの問題だったのですね。

相談に来た6年生女子の保護者
中学受験コベツバ 村中

はい。厳密に言うと、ケアレスミスと言うよりは、書き込みの荒さと言う課題ですね。
よって今後の対策としては、日々の学習の中で、丁寧に書いていくことが重要です。

おそらくですが、デイチェは得点できていることから、テキストやデイチェなどの数値替えの問題では「多分こうだっただろう」と問題の条件を覚えてしまっている部分があり、丁寧に書かずとも解くことができているのだと思います。

ですから、テキストに初めに取り組む時は丁寧に書き込みを行っていく意識を持っていただくことが重要です。数値替えが少ないStandBy類題を利用することで「初めて見た問題なので、きちんと丁寧に書いて整理しないと解けない」と言う経験を積んでいくのが良いでしょう。

※StandByをご利用でないご家庭は、数値替えにはなってしまいますが、デイリーサピックスでも構いません。

確かに言われてみれば、テキストの問題の1回目>2回目>デイチェとだんだんと書き込みが少なくなっています。おそらくですが、記憶で解いている部分もあったと思います。

もう1つの課題についても教えていただければ幸いです。

相談に来た6年生女子の保護者
中学受験コベツバ 村中

はい。次に
「2:解き筋がすぐにわからない問題で手が止まってしまっていること」ですが、

デイリーチェックが得点できておられるのでしたら、決して理解できていない知識ではないかと思いますので、本人の感覚としても、「解説を聞けば、すぐにわかる」のではないかとも推測します。

特に、顕著なものは、2番の小問集合と、3番の図形との得点力の違いです。難易度的には変わらないものの、図が書いてある図形問題の正答率が高いのは、逆に言うと、2番の図形以外の問題において「自分でまとめる整理する」と言う部分に課題があることを指し示していると考えられます。デイリーチェックで得点できるのであれば、マンスリー確認テストになった時で得点が下がってしまう背景には「わかるまで書かない」と言うことが原因にあろうかと思います。

質問なのですが、土特で時々、難しい問題が宿題になることがございます。そういう時は決まって、手が止まって煮詰まってしまいます。テキストの解説や解説動画をみて理解してからは、手が動くので理解できるようになったと思っていたのですが、これもおっしゃっていることと同じなのでしょうか?

相談に来た6年生女子の保護者
中学受験コベツバ 村中

はい。その通りでございます。
現在、テキストベースで学んでいて、デリチェをベンチマークされていることから、「解答の筋が明確に見える」ものばかりに取り組んでいるため、一旦テキストの問題と違って見えるものを出題された際に、手が止まってしまい、正解にたどり着くことができない現象が発生していると考えられます。

非常に的確なご指摘、本当にありがとうございます。
その習慣を身につけるためには、正解がわからない難しい問題に取り組む必要があるということでしょうか?
実は、今はデイリーサポートやサピックスに加えて土特の宿題をこなすだけで精一杯で、正直これ以上取り組むことが難しいという現状でございます。

相談に来た6年生女子の保護者
中学受験コベツバ 村中

いえ、決して難しい問題に取り組まれる必要はございません。
普段の学習の中でも例えばアプローチ編を解いてから、またはStandByのポイント動画を見てから実践編に取り組まれることかと思います。

その際には分からない問題があった場合、知識として全く知らないということはありませんので、問題の条件を図などに書き起こして整理してみることが重要です。

また1つ目の課題でもお勧めいたしましたが、数値替えが少ないStandBy類題に取り組まれることも「分からないなりに条件を整理する」訓練になるかと思います。

もちろんそれでも分からなければ解説をご覧になるとは思いますが、家庭学習の時から「解答の方向性がわからずとも、まず書いてみて考える習慣をつけていくこと」が算数の成績向上の鍵になろうかと思います。

具体的な解決策がわかりましたため、娘の課題に1つ1つ一緒に向き合っていきたいと思いました。本当にありがとうございます。

相談に来た6年生女子の保護者
中学受験コベツバ 村中

はい。書いて考える習慣は、マンスリー確認テストだけではなく、初見で解答の方向性が分からない問題が多いサピックスオープンや組分けテストなど実力テストの得点に繋がると考えられます。習慣になるまでは、すぐに効果が出るわけではないかと思いますが、1〜2ヶ月続けていると、必ず力になると思います。
ぜひ日々の学習に取り入れていただければと思います。

わかりました。次回のマンスリーテストで良いご報告ができるように、親子共に頑張って参りたいと思います。

相談に来た6年生女子の保護者