熱量が出せない原因とは何か?
勉強以外のこと、例えば受験勉強と同じく競技性のあるスポーツや将棋などであれば、はるかに高い熱量を継続して出せるものの、勉強となると一気に熱量が下がってしまうという場合、本来は熱量それ自体の問題ではありません。
あくまでも、本来持っている熱量を出せない原因の方に、問題があると考えるべきで、中学受験のお子様・保護者様の多くが直面するはこちらに起因していることが多いです。
ざっと挙げていきますと、
という大きく6つの原因があります。
以下で、少しご説明させて頂きます。
1: 熱量をかけても、結果が伴うと信じられていない(自信がない)
端的に言いますと、「努力が報われること」を信じられていない状態で、最も頻発する状態です。
過去にテストで、自分なりに頑張った(熱量を上げた)のにも関わらず、成績が上がらなかった経験、これを複数回繰り返すと、「努力は報われない」と本人が思ってしまうものです。子供に限らず、人間誰しもが思う感情ですから、これ自体を責めても仕方ありません。
2: 熱量をかけずとも、結果が出せると間違って信じている(誤った自己認知)
基礎能力が高めでサボり癖があるタイプのお子様が発生しがちです。
これも、過去にテストで、自分なりにあまり頑張らなった(熱量を上げなかった、または下げた)にも関わらず、良い成績が取れた経験、これが複数回発生すると、「自分は何もしなくても出来る」という、熱量をかけない為の自分への言い訳を身に付けることになります。
3: 興味関心がない(興味関心)
勉強の内容やプロセスにどこまでも興味が持てない。
特に、特定科目(理科の暗記、地理など)だけが興味を持てない場合に当てはまります。
そうではなく、勉強全体に興味が持てないという場合、それは実は他の原因でありながら(多くの場合は1)、そのカムフラージュとして「興味がない」という声が出てくるケースがあります。
4: 目標が低い、または明確ではない(目標の曖昧さ)
点数、クラス、志望校などが低い場合、または曖昧な場合です。
このままでも目標が達成できているまたは達成できそうなので、それ以上の努力が必要ということを思えないという状態です。「自分なりにはやっているし、別に問題ないでしょう」という声として出てきて、それは目標との乖離を認識する必要がない為に発生するものです。
5: 側に伴走者がいない(伴走者の不在)
見てくれている人、期待をかけてくれる人がいるということで、頑張れるタイプのお子様は明確に存在します。逆に、「誰も見てくれないなら、別にこれくらいでいいや」と手を抜きがちだったりします。見られているという意識が自分への緊張感として伝わることで、普段の自分の限界を超えて行くことはよくあります。
6: 側にいる伴走者(保護者様を含め)が、適切な接し方ができていない(誤った影響力)
伴走者はいるものの、承認・期待・自信の補助を行うことをせず、逆にそれをマイナスに作用させてしまうケースです。いわゆる市中の個別指導者や家庭教師も十分に出来ているとは言い難いのが現状です。また、保護者様は教育のプロではありませんので、それが適切な場面・適切な方法を選択できないことは、むしろ当然であることは改めて伝えておきます。
以上が熱量が出せない原因となります。
今回は熱量について、ご理解頂くことを中心に記載させて頂きました。
次回以降の記事では、熱量を高める為の方法を記載させて頂き、保護者様がお子様の熱量を向上させて行くにあたって参考にして頂きたいと考えております。