『広島学院中学入試の解体新書』とは?
広島学院中学の直近10年間の入試を解体・徹底分析し、一般の方からは非常に見えづらい入試および入試問題の特徴を明らかにすることを通じて、世間一般で言われている常識とは異なる考察をお伝えし、入試突破にあたっての体系的な指針を提供することを目的としております。
入試対策において「全ての科目、全ての分野、全てのポイントを対策すること」は時間と能力に余裕があればそれがベストです、でもそれはあくまでも理想論です。
現実は、時間との戦い・屈強なライバルたちの戦いであり、その為には、時間対効果が高いと考えられる勉強を入試突破に向けて戦略的に行う必要があります。まだ志望校対策に腰を据えて取り組む前段階である5年生や、追加の学習の余裕がない6年生前半でも、志望校を意識し、頻出単元の応用・発展技術には積極的に手を伸ばしていくことで、6年生後半の志望校別特訓クラスのスタート時点でライバルと数段の差をつけることもできるでしょう。広島学院中突破の頂に向けて最短・最速で登って頂く為に、是非ご活用頂ければ幸いです。
広島学院中の最新入試の解説動画速報、難易度・傾向分析などは以下からご覧いただけます。
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広島学院中入試の基本データ
広島学院中学偏差値(四谷大塚/日能研)
四谷大塚 | 日能研 | |
2025 | – | – |
2024 | 58 | 56 |
2023 | 58 | 55 |
2022 | 58 | 55 |
2021 | 58 | 55 |
広島学院中学の受験者・合格者数・受験倍率推移
受験者 | 合格者 | 倍率 | |
2025 | – | – | – |
2024 | 604 | 280 | 2.16 |
2023 | 635 | 281 | 2.26 |
2022 | 583 | 287 | 2.03 |
2021 | 600 | 286 | 2.10 |
2020 | 635 | 279 | 2.28 |
2019 | 623 | 277 | 2.25 |
2018 | 660 | 279 | 2.37 |
2017 | 689 | 281 | 2.45 |
倍率はほぼ横ばいの様子が見られます。
広島学院中学の合格最低点
【4科目】
※合格最低点の平均については、330点満点の2021年度データは除外しています(他の年度は400点満点)
合格最低点 | 合格最低得点率 | |
平均 | 242.5 | 61.0% |
2025 | – | – |
2024 | 255 | 63.8% |
2023 | 259 | 64.8% |
2022 | 250 | 62.5% |
2021 | 204 | 61.8% |
2020 | 251 | 62.8% |
2019 | 238 | 59.5% |
2018 | 242 | 60.5% |
2017 | 241 | 60.3% |
合格者平均点、受験者平均点ともに、広島学院では公表されておりません。2021年のみ330点満点となりましたが、合格最低得点率は2020年から変化せず約62%となっております。
広島学院中学の科目別配点と試験時間
点数 | 制限時間 | |
国語 | 120点 | 60分 |
算数 | 120点 | 60分 |
理科 | 80点 | 40分 |
社会 | 80点 | 40分 |
2021年のみ配点が変わり、330点満点でしたが、2022年から400点満点に戻っております。
広島学院中学の算数概観
広島学院中の算数 単元別出題比率
まず、大きな単元別に算数の過去10年間の配点を想定し、集計した入試問題の分野別出題シェアと出題比率のグラフが以下となります。(実際の正確な得点は分かりかね、あくまでも想定値での算出となります。)
割合の有無をまとめて考えると「文章題」「平面図形」「速さ」「数の性質」で全体の80%を超える為、非常に強い出題の偏りがある学校であると考えることが出来ます。他の国内難関校でよく出題され、難問の多い「場合の数」「立体図形」「論理・推理」の出題がほぼないことも特徴的であり、一般的な難関校向けの算数教材の力点の置き方と学院の出題分野が異なっているケースがあることには注意する必要があります。逆に言いますと、出題分野がほぼ決まっている為、第一志望者にとっては対策のしやすい学校であると言うことが出来ます。
広島学院中の算数 難易度比率
この10年間に出題された問題を以下のように難易度レベルで表現しました。
A=広島学院受験者の大半が正答できる問題
B=広島学院受験者の中で、正答できるかどうかが分かれる問題
C=広島学院合格者でも出来ていない人が多いと思われる問題
その結果、A・B・Cの全体の比率としては以下のグラフのようになります。
レベルAが約60%と言うことで、学院の合格最低得点率とおよそ合致します。とはいえ、これは合格ラインギリギリとなりますので、ケアレスミスや他科目の分を含めて余分を持たせる為には、レベルBの37.8%のうち4分の1から3分の1を得点しにいくことを目指して、70%を取りに行く構えを持つと良いでしょう。
つまり、基本的な問題であるレベル Aの問題をミスなく確実に抑えて、勝負問題であるレベルBの問題にいかに食い下がることが出来るかが勝負になると言うことになります。
広島学院中の算数 難易度×単元比率
では、続いて難易度レベルごとに出題単元のシェアを見ていきます。
まず、「A=広島学院受験者の大半が正答できる問題」です。
全体での比率と比べた特徴としては「文章題(割合有・割合無)」「平面図形(割合有・割合無)」が上位4つを占めていることです。また、全体と同様にそれらに続くのが「数の性質」「速さ」と言うことで、主要単元に変わりはないと言うことが出来ます。
続いて、「B=広島学院受験者の中で、正答できるかどうかが分かれる問題」です。
全体での比率と比べた特徴としては、「文章題(割合無)」「平面図形(割合無)」が下がっていると言うことと、「速さ」と「平面図形(割合有)」が入れ替わっていること、ぐらいで大きな変化はありません。
ここまでAとBを見た上でも、やはり「文章題」「平面図形」「速さ」「数の性質」の単元を固めて行くことが何よりも大切になると言うことを示していると判断できます。また、中でも「割合有」の方が、「割合無」よりも応用問題が多いと言うことも言えるでしょう。
最後に、「C=広島学院合格者でも出来ていない人が多いと思われる問題」です。
全体の出題比率でもレベル Cは1.7%である為、それほど強く意識する必要はありません。よく出るいつもの分野以外で「論理・推理」では極稀に難問が出題されていると言うことだけ頭の片隅に置いておきましょう。
広島学院中学の算数分野別の対策
では、以下で全体の出題比率が高い「文章題(割合有)」「平面図形(割合有)」「速さ」の3つの分野についての対策を見ていきます。
広島学院入試の「文章題(割合有)」対策
○難易度:この分野だけのレベルA・B・Cの割合を見ますと、レベルAが65%になっており、入試全体よりもレベルAの比率がやや高く、易し目の単元であることが伺えます。
○傾向:論点や使用する技術を見ても「和一定」「差一定」「比例式」「→と×で表現」など、一般的なものが多数を占めております。ただし、完全な典型問題から「一捻り」入れた良問も散発的に出題されている印象があります。
○対策:まずは何よりも標準的な論点や技術を、いつどう言う時に使うのかを完全に身につけておくことです。また、上述のように一捻り入れたタイプの問題も定期的に出題されておりますので、「どう言う時に何を使うのか」と言うことを意識して、同一の技術を使う問題であっても幅の広い(少し違う)問題で、適切に技術を取り出す訓練を行っておくのが適切と言えます。
<<2020年 算数Ⅱ 3番>>
(1) 解説動画
(2) 解説動画
(3) 解説動画
コベツバweb授業では単元や使う技術ごとにまとめて学習することで、「それぞれ少し違う」タイプの問題で訓練することが出来ます。コベツバwebの標準編までの難易度がちょうど学院の入試レベルに相当すると言えます。
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広島学院入試の「平面図形(割合有)」対策
○難易度:この分野だけのレベルA・B・Cの割合を見ますと、レベルAが55%、レベルBが42%と、入試全体に比べてやや難しい出題になっております。
○傾向:使用する技術もレアなものはなく、一般的な技術がメインです。ただし、使う技術は一般的であっても「一捻り」を入れられた問題の出題も多い印象です。また、面白い傾向としては、「ベンツ切り」が2012年〜2021年までの10年間で2回出題されていました。
<<2018年 算数Ⅱ 3番>>
解説動画
○対策:レアで発展的な技術を訓練する必要はなく、「使う技術は一般的でも初めて見るように見える問題」を経験していって、「どう言う時に何の技術を適切に取り出すか」の訓練を積んで行くことが重要です。その意味合いでは、上の文章題と全く同様の対策が効果的と言えます。
広島学院入試の「速さ」対策
○難易度:この分野だけのレベルA・B・Cの割合を見ますと、レベルAが45%がレベルBが52%となっており、比較的難易度の高い単元と言えます。
○傾向:一般的な線分図系の「キョリ一定」「時間一定」は複数回出題されているものの、「ダイヤグラム」の出題や、流水算・通過算の出題もありバラエティに富んでいると言えます。また、面白い傾向としては、全国的にはそれほど出題が多くない「差の比例」を使わせる問題が2012年〜2021年までの10年間で2回出題されていました。
<<2020年 算数Ⅱ 1番>>
解説動画
○対策:使う技術のバラエティの高さに留意して問題を選定している可能性もあり、「速さ」の中で絞りきった対策を行うよりも、「速さ」の論点・技術を幅広く網羅的に学ぶ学習が効果的ではないかと思います。こちらも同じく、コベツバweb授業では中学受験算数で使用する論点・技術を網羅的に学ぶことができる内容になっており、対策として効果的に使うことができるでしょう。但し、「文章題(割合有)」とは違い、応用編まで着手しておく方が良いでしょう。
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