桜蔭中入試の解体新書 | 過去問データに基づく算数傾向分析と対策

『桜蔭中学入試の解体新書』とは?

桜蔭中学の直近10年間の入試を解体・徹底分析し、一般の方からは非常に見えづらい入試および入試問題の特徴を明らかにすることを通じて、世間一般で言われている常識とは異なる考察をお伝えし、入試突破にあたっての体系的な指針を提供することを目的としております。 入試対策において「全ての科目、全ての分野、全てのポイントを対策すること」は時間と能力に余裕があればそれがベストです、でもそれはあくまでも理想論です。

現実は、時間との戦い・屈強なライバルたちの戦いであり、その為には、時間対効果が高いと考えられる勉強を入試突破に向けて戦略的に行う必要があります。

改めて丁寧に分析して判明したことは、桜蔭中学は出題分野における偏りが強く、どの分野で合否を分けているかが明確に推測できる学校と言えます。

まだ志望校対策に腰を据えて取り組む前段階である5年生や、追加の学習の余裕がない6年生前半でも、志望校を意識し、頻出単元の応用・発展技術には積極的に手を伸ばしていくことで、6年生後半の志望校別特訓クラスのスタート時点でライバルと数段の差をつけることもできるでしょう。桜蔭中突破の頂に向けて最短・最速で登って頂く為に、是非ご活用頂ければ幸いです。

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解体新書の内容に加えて、桜蔭志望の保護者様からよく頂くご相談にも回答しております!

桜蔭中の最新入試の算数解説動画、難易度・傾向分析などは以下からご覧いただけます。

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桜蔭中入試の基本データ

桜蔭中学偏差値(サピックス/四谷大塚/日能研)

 サピックス四谷大塚日能研
2025
2024627169
2023627269
2022627167
2021627068
2020627068
2019627167

桜蔭中学の受験者・合格者数・受験倍率推移・予想合格最低ライン

 受験者合格者倍率
2025
20245652872.0
20236072902.1
20225342821.9
20215612832.0
20205322831.9
20195102811.8
20185212801.9
20175012691.9
20165232662.0
20156292712.3
20145012621.9

2015年のサンデーショック(女子学院と併願可能)を例外として除くと、受験者数はほぼ横ばいで推移していましたが、2023年には増加しさらに人気が高まったことがうかがえます。

反面で、注目すべきは合格者人数の増加と倍率の低下の予兆が見え始めたことです。合格者人数の増加は辞退→補欠合格によるもので、要は2/1校以外の併願校が第一志望である受験生の増加に伴って、一見すると横ばいに見える受験者の中の純粋第一志望者が減少に入ってきたと判断することができます。

とは言え、大学進学実績は依然として揺るがない実績を今年度も叩き出していることから、大幅な減少は考えにくいと想像します。

減少の理由としては、この6年間で共学の渋谷系の偏差値が向上していることと、またサンデーショック年を除くと同日入試である女子学院の偏差値が向上していることから、保護者及び受験生の志向性の変化し、第一志望校の分散が発生しているのではないかと推察することができます。

ただ、これをお読み頂くほとんどの方が受験する向こう数年の間、倍率は微減トレンドではあるものの激戦であり続けるだろうことは改めてお伝えしておきます。

合格最低点は公には開示されておりません。
ただ、年度によってばらつきはあるものの60%から65%程度だろうという話を聞くことが多く、またそのばらつきは「算数の難易度」によるものであることから、受験者は合格ラインとして70%を目指すと良いでしょう。

桜蔭中学の科目別配点と試験時間

 点数制限時間
国語100点50分
算数100点50分
理科60点30分
社会60点30分

国語・算数に大きく比重をおいた試験になっており、これは同じく比較対象に上がる女子学院(4科目均等型)と比較すると算・国で勝負がつきやすい学校であると言えるでしょう。

ここからは、得点差がつきやすい科目である算数について、過去20年の過去問を解き切った上で特に近年の10年について分析して参ります。

桜蔭中学の算数概観

桜蔭中学の算数 単元別出題比率

まず、算数の大きな単元別に過去10年間の配点を想定し集計した分野別出題シェアと出題比率のレーダーチャートが以下となります。

(実際の正確な得点は分かりかね、あくまでも想定値での算出となります。)

まず改めて整理・分析してみると目につくこととしては、「この7年間で平面図形の出題がない」という衝撃の事実です。直近であれば2013年には出題されていますが、それを最後にピタッと消えてしまったと言えます。

私自身も桜蔭の算数を20年分解き切った印象で、「割合を使わない平面図形、特に曲線図形」が出題されている印象を持っていたのですが、過去20年の中の直近7年のみを再確認すると出題されていないという事実が分かり非常に驚きました。

その上で、保護者の方が直近の入試問題をパラパラと見て頂くと「え、平面図形の問題は出題されていたはず。」と思われるかもしれませんが、それらは本質的には「正答するに際して、重要なポイントは平面図形の論点ではない」という問題となります。

具体的に見てみましょう。

2019年2番(1)

桜蔭中学20⑲年入試の2番

これは整数条件がポイントとなる「数の性質」の問題であり、題材として「基本的な平面図形」を用いた問題と判断すべきです。「平面図形を対策としてやり込んでもできるようにならない」という意味でこの問題は「平面図形」ではなく、どこまでいっても「数の性質」の問題なのです。

同じことは2018年2番も同様で一見すると「平面図形」に見えますが、本質的には「規則性」の問題です。2016年1番(2)も、2015年2番も同様です。このように近年の桜蔭では「平面図形」は題材で使っているだけで、問題の意図や狙いは、他分野(特に規則性が多い)であるというものになっています。

また、10年間の得点比率を高い順に円グラフにまとめたものが以下となります。

頻出分野が綺麗に出ており、以下の算数主要6分野と捉えることが出来ます。

1: 「立体図形」
2: 「速さ」
3: 「数の性質」
4: 「論理・推理」
5: 「規則性」

となり、これら5分野で全体の65%、そこに四則演算を加えると73%に達することから非常に偏った分野で出題されているということが分かります。同じく出題分野の偏りが強い学校は、男子の最難関「開成」です。

続いて難易度比率です。

桜蔭中学の算数 難易度比率

この10年間に出題された問題を以下のように難易度レベルで表現しました。

A=桜蔭受験者の多くが正答できる問題
B=桜蔭受験者の中で、正答できるかどうかが分かれる問題
C・D=桜蔭合格者の多くが出来ていない人が多いと思われる問題

その結果、A・B・Cの全体の比率としては以下のグラフのようになります。

Aで50%、Bで35%、残り約10%がC-Dというバランスの取れた構成になっております。

合格ラインの70%得点の為には、レベルA完答かつレベルBで6割得点が必要
65%得点の為には、レベルA完答かつレベルBで5割得点が必要

となり、受験生のうちの不合格者の得点が4-6割で留まっていると想定されることから、
レベルBの得点力で合否を分けていると推察することが出来ます。

桜蔭中学の算数 難易度×単元比率

一旦、難易度レベルごとに出題単元のシェアを見ていきます。

まず、「レベルA=桜蔭受験者の多くが正答できる問題」です。

全体比率と比べて、当たり前ですが「四則演算」のシェアが上がっていますが、他はほぼ主要分野通りで、その一角に「水と水グラフ」が入っています。

上記の主要5分野に続く「水と水グラフ」の分野ですが、相対的に易しい問題が多いということになります。
「ほんとかなあ」と思われる方も多いかと思いますので、少し例を挙げて見てみましょう。

2017年3番

桜蔭中学2017年3番問題

(1)

(2)

ただ、とは言え、桜蔭算数の「水と水グラフ」に特徴的に「水面の上昇速度」が絡まっていますので、そこだけは注意して身につけるようにしておくことも重要です。2018年4番も同様に全問がレベルAで同じく「水面の上昇速度」が絡んでおり、過去問を通じて独自の特徴を掴んでおくことは最低限必要であることは付け加えておきます。

また、レベルに関わらず桜蔭の算数の全体を通した大きな特徴になりますが、「細かな計算があり、答えが合いにくい」特徴がありますので、計算の正確性・速度を極限まで磨いておき腕力をつけておくことと、かつ普段から煩雑なこと・面倒なことから逃げない姿勢を持っておくことも要求されることは付け加えておきます。

続いて、「B=桜蔭受験者の中で、正答できるかどうかが分かれる問題」です。

主要5分野「数の性質」「速さ」「論理・推理」「規則性」「立体図形」で全体の80%を超える構成になっており、桜蔭対策はこの分野にフォーカスすることが重要と言えます。

特に、「速さ」「数の性質」の2分野だけで全体の40%以上を占めていることから、この2つの分野が合否に非常に大きな影響を持っていると判断することが出来、最優先の対策として考えることができます。

最後に、「C・D=桜蔭合格者の多くが正答出来ていないと思われる問題」です。全体の15%を占める桜蔭受験者にとっての難問です。

Bの主要3分野でもあった「数の性質」「論理・推理」以外に、「立体図形」が最大シェアを占めています。桜蔭の立体は確かに解き難い問題が多いものの、同時に出来が分かれるレベルBで10%を超える頻出分野でもあり、対策は不可避と言えます。対策した上でも本番では見送る判断をしなくてはいけない場合があると考えるのが良いでしょう。

また、他の主要対策分野である「数の性質」「論理・推理」においても「捨てる選択を行う必要もある」ことを肝に命じて問題と向き合っていく必要があるということもつけ加えておきます。

●桜蔭中学で求められるのは、上記分野(「立体図形」「速さ」「数の性質」「論理・整理」の思考力・試行錯誤能力です。こちらのサービスでは、思考力に焦点を当てて分析・体系化しており、「桜陰算数で要求される思考力」を鍛えるのに効果的です。

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それでは、以下で各単元ごとの詳細分析と対策へと続けていきます。

桜蔭中学の算数分野別の対策

ここでは、桜蔭の算数対策主要5単元のうち、より頻出である「立体図形」「速さ」「数の性質」「論理・推理」の詳細と対策について記載させて頂きます。桜蔭入試の「立体図形」(難易度・傾向・対策)

桜蔭入試の「立体図形」(難易度・傾向・対策)

難易度:

Aのシェアで47%、残りをBとCでほぼ均等に占める構成になっており、上記でも記載させて頂いた通り、桜蔭全体のレベルCの中で最も出題数が多い難易度の高い分野と言えます。

傾向:

「切断」「小立方体の切断」「(2方向の)くり抜き」「展開図と見取り図の行き来」「図形の性質活用」あたりが頻出分野と言えます。

少し具体的に見てみましょう。

2020年3番

桜蔭中学2020年入試の3番

(1)

(2)

(3)

(1)は平面に持ち込んで直角三角形型の相似でおしまいですが、(2)で対称性を判断して真ん中で切って平均の策という「平均の策」を使う応用発展問題に入っています。「平均の策」がオチとなる求積の難問対策は「開成」志望者はSS特訓で重点的に対策するものの、女子は比較的手薄でありこの問題の正答率は低かったのではないかと想像します。その上で、(3)は投影図の斜め線に見えるものが側面の高さに反映されるという性質を用いて解く図形の性質を活用した桜蔭らしい問題でした。

対策:

男子最難関並みの立体図形の対策を積むことが要求されます。立体図形の問題が2問出題される年もあるため、立体への比重が更に増してくる可能性もあります。サピックスでは6年生の中盤以降までかけて毎週のテキストの巻末に掲載されている立体図形の切断をやっていくのは勿論ですが、それだけでなく6年生前半から先んじて立体図形の応用・発展問題に触れ続けていくことが最後の到達点を高くすることに繋がるのではないかと思います。

桜蔭入試の「速さ」(難易度・傾向・対策)

次に「速さ」についてです。

難易度:

「速さ」の単元のレベルごとの問題分布は以下の通りです。

桜蔭中学の「速さ」のレベルごとの内訳

AとBしかないものの、Bの比重が高い構成で、レベルBの最大シェアを占めるのが「速さ」の単元で、合格の為には「逃げる」ことはできません。

傾向:

「速さ」の問題は大きく、「線分図系」と「ダイヤグラム系」に大別されるのですが、桜蔭の速さは最難関各学校の中でも「ダイヤグラム優位」、近年では「優位」という段階を超えて「ダイヤグラム偏重」という特徴があります。

出題年時計算旅人算
線分図系統ダイヤグラム系式のみ
2011
2012
2013
2015
2016
2017
2019
2020

全体8回中、
▼旅人算:線分図系→1回
▼旅人算:ダイヤグラム系→5回
▼旅人算:式のみ→5回
▼時計算:1回


となっており、出題の62.5%を「旅人算×ダイヤグラム」が占めていることが伺えます。

他難関校の多くは、線分図主体のことが多く(聖光学院、等)、またダイヤグラムが多くとも半々の出題(桜蔭、等)に留まっておりますが、桜蔭の算数では線分図の2倍以上ダイヤグラムが出題されている異例な特徴があるという認識を持ってもらうと良いでしょう。

少し具体的に見てみましょう。

2017年2番

桜蔭中学2017年入試の2番

「異なる経路の出会い追いつき」→
「特定区間注目のダイヤ」
と、問題文の図が目に入った段階で気付いて、文章を読んで確信して、ダイヤグラムを書きに行ければ、何の迷いもなく5分以内に完答できた問題です。

過去25年の速さの問題を解き切っていくと、昔はダイヤグラムそのものを問題文中に記載されていたものからスタートし、その後だんだんと問題文から消えて行ったプロセスがあります。その過程で学校側が幅広いダイヤグラムの用途を研究・蓄積していき、更には「ダイヤグラムそのものを自分で書く判断をさせる」ことを求めるようになって行ったと推察でき、これが近年の最難関中のトレンドでもあります。

近年、実は他女子御三家の2校「女子学院」「雙葉」でも同じく「問題文中に書かれていないダイヤグラムを自分の意思で書く」ことで容易に解決できる問題が出題されており、両校ともこの流れの中に入ってきたことが伺えます。

ダイヤグラムを「なぜ」「どういう時」「どんな使い方」を行うことが威力を発揮するものであるかを理解した上で自由自在に使いこなせるように鍛え上げておくことが重要です。

対策:

線分図系や時計算も過去の年月を見渡すと出題されており、ノンマークという訳にはいきませんが、最優先はやはりダイヤグラムになります。

・ダイヤグラムの基本技術
・ダイヤグラムをどういう時に使うのか
の二つをマスターする必要
がありますが、これらを体系的に整理した教材はあまり見かけません。

また、問題の見た目から判断しようにもそもそも問題文中にダイヤグラムが書いていない中で書くことを選択させるには、「適切な指導者がこれは●●の理由で、ダイヤグラムを書いて解くことが望ましい」という判断を指導者が行う必要がある為、家庭主導での対策も難しくなります。

とは言え、それではどうしていいか分からないという話になりますので、ダイヤグラムのメリットを整理して、使うべき4パターンを記載しておきます。

ダイヤグラムには
A「異なる時間が1枚の図に表現できる→時間が同時にならない場合に有効」
B「同じ速さ同じ方向=平行線で、図形的処理を使うことができること」

という性質があり、

その性質を活かすと、
1: 出発到着バラバラ:A
2: 異なる経路:A
3: 不規則な動き:A
4: 同じ速さ同じ方向:B
5: 静水時が等しい2船の往復→点対称ダイヤ:A

という5つのパターンの速さの問題において使用することで、線分図よりも解答に速く接近することができます。上記の桜蔭10年分においても、1と2が出題されていますが、3や4もよく見かけます。

(4は2021年の麻布です。1は2020年の女子学院・雙葉でも出題)

ダイヤグラムを比較的よく出題する学校は、「桜蔭」「渋幕」「麻布(とは言え出題比率は線分図の方が高い)」となりますので、上記の「なぜ、どういう時に使うのか」に留意しながら過去問をやっていくことが大きな対策にはなります。

桜蔭入試の「数の性質」(難易度・傾向・対策)

次に「数の性質」です。

難易度:

桜蔭中学の「数の性質」のレベルごとの内訳

レベルAの問題の比率が非常に低く、レベルBが約70%、レベルCが20%という非常に難解な分野であると同時に問題一つ一つが合否を分けている可能性が高い分野であり、攻略が易しい訳ではないものの、クリアできればライバルに差をつけられる単元であることが伺えます。

傾向:

「不定方程式」「LCMセット(振り出し戻り)」「LCMセット」「約数の相棒関係」「約数の個数と和」という一般的技術から、「倍数条件」や「範囲」など思考力要素の高いものまで幅広く出題されています。

2020年も1番の小問で「倍数個数と近い数」を、最後の4番で「公倍数±」「3つの不定方程式」「あまりの世界」という論点を扱う問題が大問をまたいで出題されていましたが、丁寧に対策をしてきた人にとってはクリアのではないかと想像します。

また「不定方程式」については、伝統的に何度も何度も出題されていることから早いうちにマスターしておく必要がありますが、もはやどの塾の算数科でも把握できている常識ですので、意外と差がついていないのではないかと想像します。

それ以上に差がついているのは、「約数・倍数の応用的技術とその展開面の部分」ではないかと考えます。

具体的に見てみましょう。

2018年1番(3)

桜蔭中学2018年入試の1番

20年以上前から存在するレガシーな技術的問題ですが、なかなか答えを合わしにくいことで有名なそうじ当番の「LCMセット(振り出し戻り)」です。

2015年1番(2)①

桜蔭中学2015年入試の1番

「約数の相棒セット」を適用させにいく問題です。
この問題に限らず桜蔭は持っている技術の理屈や構造まで把握した上で実際に使えるかどうかを問う問題が多く、典型的な問題と言えます。

対策:

「不定方程式」を自由自在に使いこなせること
「約数」「倍数」分野の難問を徹底的に磨くこと。

「不定方程式」の対策はほとんどの塾で言われていることですので、手短に。桜蔭の不定方程式の特徴は「全部の答えを書かせる」ことなので、早い段階からそこまでできるように注意して学習を進めていきましょう。

続いて、「約数」「倍数」の難問は、技術タイプの問題と思考力を要求して最終的に知っている「よく知っている性質のオチ」に持ち込んでいくタイプの問題に分かれますが、具体的なベンチマーク校としては、「駒場東邦」「渋谷教育学園渋谷」「渋谷教育学園幕張」です。

「駒東」は数の性質の技術が高度で、参考になる問題が多いです。
渋渋・渋幕の問題は約束記号やルールを与えて、最終的に数の性質のオチに持ち込んでいくタイプの問題が見られます。

桜蔭入試の「論理・推理」(難易度・傾向・対策)

最後は、「論理・推理」です。

難易度:

桜蔭中学の「論理・推理」のレベルごとの内訳

AとCのシェアで50%、残りの半分をBが占める構成になっています。

傾向:

数と範囲絡みの緻密に調べることを要求される問題が多く、思考力における「整理」「試行と検証」の要求水準が高い問題が多い特徴があります。

少し具体的に見てみましょう。

2018年3番

桜蔭中学入試の2018年3番

(1)(2)

(3)

いきなり「試行」から入れる訳ではなく、自分なりに「整理」をした上で「試行・検証」が要求される典型的な問題です。また、(3)にあるように検証時点における注意深さも要求され、それが得点直結するため、検証の緻密さ・解像度の高さが必要とされます。

対策:

何よりも、桜蔭の過去問(算数)を縦軸で古い問題まであたって「論理・推理」の問題だけを行なっていくこと、またその際には何度か繰り返すことで、「整理方法」を型として身につけつつ、「試行・検証」の高い解像度に慣れていくことが最も重要なことです。

「通常の論理・推理はオチがわかれば、二度やっても意味がない」問題が多いものの、桜蔭算数のこのタイプの問題はオチというか方向性がわかったとしても、答えが合わない・外してしまうということが頻繁に発生する為、何度か繰り返しやっておくことで要求されている「整理」「試行・検証」レベルを培っていくことが可能です。

以上が上位3つの主要対策となり、
ここまでが桜蔭中学の入試の分析と対策となります。

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