サピックス6年生10月マンスリー実力テストの解説を公開しています。
1: サピックス6年生10月マンスリー実力テストの難易度・所感
6年生10月マンスリーでした。各レベルごとに見ていくとレベルAが58%、残り42%がレベルBということで、今年度ではサピックスオープンBと学校別サピックスオープンを除くと最も難易度が高いテストとなりました。出題分野の網羅性が高く、それぞれの問題に対してオチや別解としてのアプローチも有り、全体的な感触としては完成度が高く技術重視の入試レベルの内容と言えるでしょう。ほとんどの問題が、それぞれの技術が使えるかどうかを問う問題でもあり、ポイントごと見直していくと良いでしょう。
以下、レベルB以上の問題に対してコメントしておきます。
▼2番(4):約分前の分数→分子・分母を○でおく、差一定
分数というものが分子分母の比であることを知っていれば、この問題が「数の性質」の問題ではなく、「割合の文章題」の問題として捉えて、差一定という綺麗なオチに気がつくことができたのではないかと思います。
▼2番(6):和に注目、食塩水分数
食塩水分数で整理して、水は食塩が0gであることに注目できれば、あとは易しかったかと思います。ただし、あまり見かけない問題でもあり、まず丁寧に信じて糸口を発見する姿勢を持てるかどうかが問われた問題でした。
▼3番(3):回転体<体積の技>、(別解)パップス・ギュルダンの定理
回転体ですが、あまり見かけない問題で面食らった人も多かったかと思います。ただし、手前の小さな三角形を含めると台形になることに着目すれば、延長して相→体に持ち込むことで解くことができたのではないかと推測します。
また、別解のパップス・ギュルダンですが、2020年の渋渋(1回目)・渋幕(2回目)でも「使うと早い」問題が出題され、そもそも両校のベンチマーク校である灘中1日目の頻出技術でもあります。これまで関東圏難関校では「使うと早い」問題の出題が少なかったのですが、渋谷系両校及び灘中受験を検討されている方は身につけておいてほしいと思います。身についていれば、今回の問題も10秒ぐらいで解けたはずです。
▼3番(5):回転移動の面積
回転移動の面積の極意である「一番大きな弧に注目」→「図形式で捉えて全体から引く」ができれば解ける問題ですが、最初に自分で補助線を引く必要もありレベルBに設定しています。
▼4番(2)(3):3つのつるかめ、3つの不定方程式
つるかめ、不定方程式の使う場合の違いとそれぞれの解法が身についているかどうかを問う綺麗な問題でした。確実に使い分けられるようになっておきましょう。
▼6番(2):隣辺比、等高図形
(1)を用いて逆に大きな平行四辺形まで戻す典型的な問題です。ここはレベルBにはしていますが、なんとか合わせて欲しい問題でした。
▼6番(3):重なりに注意、全体から引く、(別解)ガ型隣辺比、中チョウチョ補助線
(2)で全体の面積を出しているので、それを使って全体から重なりに注意して引くというのが1つ。もう一つ別解としては、最初に与えられた三角形と今回欲しい三角形との関係を見ると「ガ」の関係。そして(1)で片側の辺比が出ているので、もう片側の辺比を求めに行くというアプローチです。平面図形の難易度が高い問題をよく出題する聖光学院や武蔵、あるいは筑駒の志望者は押さえておいて欲しい解法です。
▼7番(1)(2):線分図で整理、へだたりグラフの基本
へだたりグラフはどの集団塾でもあまり徹底的に学習する機会が少なく、入試において論点的な穴になりやすい単元です。今回の問題はグラフだけで考えるのではなく、「線分図に書き換える」ということができれば相当に理解しやすかっただろうと思います。この発想自体は知っておくと良いでしょう。
▼7番(3):線分図で整理、時間一定、N回目に出会う
(あ)は線分図で整理していれば、(2)の流れでそのまま求められます。(い)を簡単に求めるには時間一定でかつAB間の距離を「1本」と考えてあげると非常に綺麗に求めることができます。また、(う)こそが「へだりグラフ」の頻出論点である「N回目」です。このコンビネーションは。へだたりグラフの応用問題の鉄板と言ってもいい程に多くの学校で出題され続けていますので、ここで確実に身につけておいて欲しい論点です。
2: サピックス6年生夏期講習マンスリー実力テストの全問解説動画
今回の記事では、10月マンスリー実力テストの解説動画を配信させて頂き、 分からなかった問題の解消にお役立て頂くことを目的としております。
ただし、6番、7番は、StandByメンバー様との公平性の観点よりご意見を頂きましたため、大変申し訳ございませんが、継続メンバー様限定とさせていただきます。
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尚、当コンテンツは2020年度6年生の10月のコンテンツとなりますので、2020年度6年生にお子様は継続メンバーにお申し込み後、10月のコンテンツをご購入ください。
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