「ケアレスミスが多くて、言っているのになかなか直らない」
「ケアレスミスを、どうすれば無くしていくことができるかが、わからない」
という、特に「ケアレスミス」で得点を落とし続けてしまうということに対してのご相談を非常に多くの方から頂きましたので、今までの数百名の指導経験から編み出した体系的な対策・指導法を書かせて頂くことに致しました。非常に長い記事となってしまいましたが、折に触れて読んで頂ければと思います。
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1: ケアレスミスの7パターン
ここではケアレスミスを7つのパターンに分けてご紹介させて頂きます。
次に、またお子様が問題に向き合うシーン別に、それぞれのシーンでどのようなミスが発生するかを詳細に記述させて頂きます。今回の記事によって、お子様がどういう時に、どんなパターンのミスをしがちなのかをご理解頂くことで、「ケアレスミスの7パターンの解決策」に繋げていくものとなります。
どのようなシーンで起こった、どのようなパターンのケアレスミスに当てはまるのか?を知らずして、ケアレスミスを制圧することは難しい為、ぜひ7パターンを理解した上で解決策をご覧頂ければと思います
1-1: ケアレスミスの7パターン
「ケアレスミス」と言われるものは、以下の通り、大きく7つのパターンに分けて考えることができます。
ご覧になって頂くとご理解頂けるかと思いますが、それぞれ全く異なる理由で発生する為に、一括りに「ケアレスミス」とまとめることもできなければ、単に「ミスを無くしなさい」「見直しをしなさい」「丁寧にやりなさい」という一律な声かけ・手段だけで、解決できる問題では全くありません。
あくまでも、発生している課題に対応する解決策を行って、一つ一つ消滅させていく以外にありません。
そして、ケアレスミスは、問題に取り組むときの「行動の習慣」そのものを変えていくことになりますので、本人にも強いストレスがかかることが多いです。従って、正しい解決策を行なったとしても一朝一夕には改善されず、根気強く「行動の習慣」を変えていく以外にありません。
1-2: お子様が問題を解決するまでの5つの工程と、発生するミス
お子様が、算数の問題に向き合う時には、工程=シーン、が明確に存在しており、その工程=シーンごとに発生しがちなミスが存在します。
工程1: 問題を読解し、大枠を把握する
発生するミス:
「文章の意図確認」
この工程では、大きく文章を読んで、大枠を理解する段階です。お子様の目線は、一貫して問題文中にあります。ここの工程で発生するミスは、「文章の内容確認」そのものです。往往にして「思い込み」から、大きな勘違いを生んでしまい、全く違った内容に捉えてしまい、その後の操作や計算が全く意味をなさないものになってしまう致命的なミスが発生することがあります。
工程2: 適切な解法を選択する
発生するミス:
「解法の選択」
ここでは、文章の大枠を掴むことで、頭の中で解法の選択を行うシーンです。目線は文章にありますが、自分の頭(どこも見ていない)と文章を行き来している形になります。ここでは、脳内にある記憶のストックから、今回の問題にあったものを引き出していくことが求められます。ここの工程で発生するミスは、「解法の選択」ですが、工程1が正しくできている場合、それは正確には「ミス」「ケアレスミス」ではなく、記憶ストックに入れる際に誤った抽象化(理解)を行なっている為に、解法が正しく引き出せていないことに原因があります。
工程3: 問題文から作図・転記し、操作・計算を行う
発生するミス:
「主・述・目的語の確認と転記」
「数値の確認と転記」
「計算処理」
ここでは、解法に基づいて、問題文から具体的に「誰が」「何を」「どうしたか」を取り出し、かつ「数値」を確認して転記する。その上で、計算作図処理に入っていくシーンです。
目線は、問題文と作図・計算欄を行き来します。
目線が初めて行き来する場面であり、確認する事項が多い為、ミスの発生率としては非常に高い工程で、「誰が」「誰に」「何をした」というものを、反対にしたり、異なる行為と捉えたり、または数値を文章中の他の数値を使ってしまったり、または初動の計算でつまずいたりするミスが発生します。
工程4: 解答の要求内容を把握し、解決まで操作・計算する
発生するミス:
「数値の確認と転記」
「計算処理」
「問題の要求確認」
工程3で、方針に基づいて、作図・転記を行い、初動として進めてきましたが、工程4では、ゴール=解答が求めているものを確認します。特に、問題が要求しているものによって、中盤以降の進め方が大きく変わるケースがあり、せっかく問題解決を進めてきたものの、「それは聞かれていなかった」ということに後から気づいて、非常に大きな時間的ロスを産むことがあります。「何を出せばいいのか」を確認して、握っていくことで、方向性を再度ゴールに向けて舵を切っていくイメージを持って頂ければ幸いです。
当然ながら、目線は、問題文と作図・計算欄を行き来していきますので、数値の確認・転記や計算処理のミスも発生します。
工程5: 問題の具体的要求を確認し、解答する
発生するミス:
「問題の要求確認」
「解答欄への転記」
工程4で求められているものを確認して進めてきましたが、最後、解答自体が求めているものを正確に把握し、それを解答欄に正確に記載するシーンです。問題は解けているのにも関わらず、聞かれているものと異なるものを答えて間違ってしまうというありがちなミスが発生してしまうのは、ここの工程に問題があります。また、転記する際には、作図・計算欄と解答欄を行き来する為に、転記ミスも発生することがあります。
以上、問題解決に至るまでに、お子様が問題や脳内でどういうプロセスを辿っているのか、またその中でどういうミスが発生しがちなのか、ということを記載させて頂きました。
2: ケアレスミスの7パターン別対策・解決策
ここまで、お子様がどのようなシーンでどんなミスが発生しがちであるかをご理解頂けたかと思います。ここからは、各ミスパターンごとの対策・解決策を記載させて頂きます。お子様自身も、「僕だって、私だって、ミスを無くしたいと思っているのだけど、、」と思っていることは多く、「ミスを無くしなさい」というアドバイスだけでは、いつまでも解消できず残ってくるものだからです。
2-1: 「文章の意図確認ミス」の解決策
「そもそも大きな物語を、捉え違っている」というミス。
捉え違えているので、答えが合うわけはなく、そのあとの労力は全て無駄になります。
情報処理能力が高い子供や、短気な子供、国語の得点が低い子供で発生しがちなミスです。
発生する工程:
1: 「問題を読解し、大枠を把握する工程」
なぜ発生するのか:
A:問題をよく読まずに「こういう話」と決めつけにかかっている
B:問題の読解能力が低く、その自覚がないまま、なんとなく「理解した」気になっている
解決策:
A:「問題を最後まで読む」ことを習慣化させる
B:「問題の読解能力が弱いこと」を本人に伝え、自覚させ、理解するまで複数回読むようにさせる。その際に、「要は、誰が、何をした」物語かを本人に聞いて確認して修正していく。本人が問題を読むときの習慣として、「要は、誰が、何をした」を口に出させる、書かせる。テスト中でも口パクでも良いので実行させる。
2-2: 「解法の選択ミス」の解決策
厳密には「ケアレスミス」ではありません。同じ状況で同種の問題に直面した場合、再度「誤った解法を選択する」可能性が高い為です。本人は、「聞いたら分かった」「勘違いだった」という自覚を持ってそのように発言してくることが多いので、往往にしてお母様や指導者も「ミス」という判断をしてしまう場合があるのですが、本質的にはミスではなく、「解法選択」の切り分けがそもそもできていない場合が多いです。
ミスではありませんので、「誤った解法」を用いた問題と、「正しい解法」を用いる問題に戻って、その違いを本人に再度認識してもらう必要があります。そうでないと、問題を変えて、再度同じ過ちを行ってしまいます。例えるなら、「うさぎ」を鳥類に分類してしまっているような認識エラーと似ています。「ほ乳類」が何か、「鳥類」が何か、「うさぎ」がどこに入るものなのかを再度本人に認識させていく必要があるということです。
発生する工程:
2: 「適切な解法を選択する工程」
なぜ発生するのか:
いつ、どこで、どういう時にその解法を使えて、また使えない、のかが曖昧であったり誤っている為。誤った、正確ではない抽象化をしてしまっている為。
解決策:
「間違えて使用した解法を使う問題」と「本来使用すべき解法を使う問題」の双方を復習させ、その違いを本人に実感してもらい、可能であればその違いも本人に言葉で言わせる、書かせ、それによって、「どういう時に、なぜ、どういう解法を使うか」の線引きを明確にしていく。(参考:「抽象化能力を伸ばす学習方法」)
2-3: 「主語・述語・目的語の確認・転記ミス」の解決策
「速さ」や「文章題」の単元を中心とした算数の中での長文問題で発生しがちなミスです。
長文において、行の上下との混同、作図/計算欄への転記時に目線が動くことで生じる傾向があります。
発生する工程:
3: 問題文から作図・転記し、操作・計算を行う工程
なぜ発生するのか:
目で問題を追う時の認識ミス。また、前後や上下の内容と混同することで発生します。
問題文と作図・計算欄と、目線が動く為、エラーが生じやすいと考えられます。
解決策:
文章中の「誰が」「何を」「どうした」に下線をひく。
転記する際に、その前後に下線部分を確認する習慣を持つ。
2-4: 「数値の確認・転記ミス」の解決策
数値が多く出てきたり、文章が長い場合、作図が必要な場合、問題が構造的で段階的に解いていく問題の場合、に発生しやすい傾向があります。ポイントは、どの数字がなんの数字なのかを把握しやすくする為に下線や○をつけることと、転記前後に確認の習慣を持つことです。
発生する工程:
3: 問題文から作図・転記し、操作・計算を行う工程
4: 解答の要求内容を把握し、解決まで操作・計算する工程
なぜ発生するのか:
A:数値が多く出てきて、文章が長いなどの場合、他の数値と混同する
B:作図や計算欄に転記する場合に、目線が移動する為にエラーが発生する
C:自分が途中まで出した数字がどこにあったかを見失い、誤った数字を使用する
解決策:
A:問題文の数字に○をつけ、転記の前後に正しいかを確認する
B:転記する先の作図・計算欄と問題文とを、物理的に近づけ確認しやすくする
C:自分が一度出して、また使いそうな途中の数字に○をつけて、後利用時にわかりやすくしておく
2-5: 「計算処理ミス」の解決策
いわゆる「計算ミス」です。
計算能力自体だけでなく、緩急の「緩」、つまり慎重に進める選択を行うことを意思決定できるかが重要です。
発生する工程:
3: 問題文から作図・転記し、操作・計算を行う工程
4: 解答の要求内容を把握し、解決まで操作・計算する工程
なぜ発生するのか:
A:暗算能力が低い
B:筆算での計算能力が低い
C:計算開始前の暗算・筆算の選択が甘い
D:計算終了時に「間違っているかもしれない」という自分へのアラームが鳴らない
解決策:
A:暗算能力を向上させる。1桁と1桁の四則演算、1桁と2桁の四則演算、2桁と2桁の足し算・引き算・割り算、3桁と1桁の割り算、3桁と2桁の割り算までは、100%で正答できる状態はできれば小5までに作っておくと良い。
B:筆算での計算能力が低い。筆算を行えば、全ての計算が100%で正答できる状態を形成しておく。
C:計算に取り掛かる前に、問題の難易度を判断して、自分の暗算だと間違える可能性があると判断して、筆算を選択できるようにさせる。
D:暗算・筆算を通じて、「怖い、間違っているかもしれない」という感覚に敏感にさせる。そういう感覚を持った時に「計算の見直し」ができるようにさせる。こういった感覚は、「時間制限なし、絶対に合わせる計算練習」で培っていく。
E:番外編として。「計算処理エラー」と呼んでいるケースがあります。例えば「12×7=136」といつもしてしまう、のように自分の脳内処理が誤った形で記憶されている計算処理が個人ごとに存在しています。従って、そういう単純な四則演算のエラー集を作成して、本人にさせていくことで、「計算処理エラー」を矯正していくことができます。
2-6: 「問題の要求確認ミス」の解決策
問題(問)の要求を確認しないことで、意味のないものを求めにいったり、また問が要求していない答えを記載するミスです。
前者は「ミス」として表面化しにくいものの、実はテスト時に「時間を大幅にロスする」原因として根強く存在しています。
また、後者は「算数を気持ちよく解いている状態」に陥りがちな人間にとっての大きな罠として存在しています。その理由は、問題の肝を乗り越えて、「できた、やった」という感覚が芽生え、注意が大きく欠如したまま、問が要求するものを確認せずに、答えの記載を行ってしまう為です。
発生する工程:
4: 解答の要求内容を把握し、解決まで操作・計算する工程
5: 問題の具体的要求を確認し、解答する工程
なぜ発生するのか:
慢心や山場を超えた瞬間の快感によって、注意が散漫になり発生することが多い。
解決策:
転記を終えた段階で、進行する前に、問が求めているゴールを把握してから、進行する。
山場を超えたと判断した段階で、再度問の最後の1-2行を読み直し、問が求めているものを再度細かく把握する。出来たと思った瞬間に注意が緩むことを自覚しておく。
2-7: 「解答欄への転記ミス」の解決策
最後の砦は、作図/計算欄から解答欄への転記時に発生するミスです。
ここもポイントは「解答にたどり着けた」ということで発生する油断との戦いです。
状態:
作図/計算欄から解答欄へ転記する際に、誤った数値を記載してしまう状態
発生する工程:
5: 問題の具体的要求を確認し、解答する工程
なぜ発生するのか:
「解答にたどり着けた」という達成感や喜びで興奮して、そのまま頭に残った数値を、解答欄に記載してしまうことで発生することが多い。
解決策:
解答欄への転機でミスが発生することを自覚させ、油断を防ぐ。
解答欄と作図/計算欄とを物理的に近づけて、転記する。
以上が「ケアレスミス7パターンの解決策」となります。
ここまでで、お子様に発生する「ケアレスミスがどのシーンのどのようなミスなのか」と「そのミスをどうやって解決していくのか」を、ご理解頂けたかと思います。
但し、ミスを完全に制圧していく為には、心理的な障壁も大きいものです。次のコーナーでは、人間心理に基づいて、ミスを無くしていく為の方針を記載させて頂きます。
3: ケアレスミス制圧の5ステップ
3-1:人間心理に基づいた5ステップの紹介
ケアレスミスを解消していくことは、個人がそれまでに強固に形成された行動習慣を変えることが求められます。従って、単にミスパターンを分析して、ただそれに合った解決策を施すだけでは人間の行動習慣は変わりません。(勿論、適切な解決策を施すことも重要な1ステップではありますが。)
例えるなら、糖尿病の患者に行う行動療法(生活習慣の是正)に似ていて、保護者様を含めた伴走者は、単に薬を処方するだけではない段階的なステップを確実に踏んでいくことが求められる、ということになります。
ケアレスミスを制圧する為には、
1: 「ミスの制圧意欲がある」
2: 「ミスのパターンを自覚できている」
3: 「適切な解決策を実行できている」
4: 「時間に余裕があれば、ミスなくできる」
5: 「時間を短縮しても、ミスなくできる」
という、5つのステップが存在します。
ここまでのミスパターン・パターン別解決策お伝えさせて頂いたのは、実はこのステップの3: (一部2: も含む)となり、それだけではミスの制圧が実現できないことが多いのは、他のステップに課題がある為です。
では、以下では各ステップごとに、見ていくことに致します。
3-2:各ステップにおける働きかけ
1: 「ミスの制圧意欲がある」
ケアレスミスを、
「たまたまであり、本気を出せば、なくすことができる」
「大した問題じゃない」
という意識を持っている場合、
子供達は、これまで培ってきた行動習慣を本気で変えようとはしません。
従って、解決策を実行しようとも、「言われるからやっている、芯の入っていない状態」で解決策の作業を行うことになりますので、「解決策の行動を取らない」「解決策の行動をしているフリをする」などが発生し、ケアレスミスを減少させることは困難になります。まずは、「ミスを無くしたい」「無くさなければいけない」という自覚をいかに醸成させるかという心理的なアプローチを行います。
有効な方法としては、数値的な説得を行います。
志望校の得点率と、現在のミス率(明らかに正解可能な問題を落としている率)を出します。
例えば、志望校合格の為の得点率が70%、自身のミス率が20%だとします。
すると、志望校の問題で70%を取るためには、70➗(1-0,2)=約87%つまり9割近くの問題を正解可能なレベルにまで到達する必要があることになります。圧倒的な才能がない限り、合格最低点を大きく上回る程度まで理解として到達することは難しいです。
この事実を本人に思い切り突きつけるのです。過去問をかいつまんで見せても良いでしょう。
「このレベルの問題を9割テスト中に正解できるレベルの子供は、ほぼいない」事実を伝えて、ミスを克服しない限り合格がありえないことを伝えて納得してもらうことになります。
また、これは他のテスト類でも活用することができます。自身が理解できて正答できた問題の割合ですら、どこまでの偏差値なのか得点なのかを割り出し、ミスが多発している今のままでは決して到達できないという事実を突きつけていくことで、ミスを制圧することが絶対に必要だという認識を持ってもらうことです。
2: 「ミスのパターンを自覚できている」
自分がどういうミスをするかを把握できていなければ、適切な解決策を打ち込むこともできませんし、ミスが発生しがちなシーンに対して注意深くなる、ということができませんので、いつまで経っても解決されないことになります。
前編でも何度か「自覚」とありましたが、ミスパターンの種類を本人に自覚させることです。例えば、ミスが生じる度に、「どういう種類のミス」が「どういう時に発生するか」、「発生しないようにする為には、どうすべきだったか」を書かせていくこと、言わせていくことで、自覚を促していくことができます。
3: 「適切な解決策を実行できている」
基本的に「ケアレスミス7パターンの解決策(前編)」「ケアレスミス7パターンの解決策(後編)」で記載の通りです。
注意すべきは、「本当に実行しているか」を観察して、チェックすることです。これまでやってきた習慣化されている行動を変えていくことは、本人にとってはかなりのストレスになりますので、チェックが入らないとサボってしまうことがありますし、「やった/やっていない」という押し問答に陥る可能性すらありますので、注意が必要です。
また、ストレス面の影響も考慮すべきです。
「全ての対策を一度に行う」と、これまでの習慣化された行動を自然にとることができない為に、子供達にとっては相当なストレスがかかります。一つか二つずつの行動を修正して、改善をチェックしていきながら、その改善プロセスを承認し、一つが改善する度にまた一つの行動を変えていくという様に、段階的に進めていく必要があります。さながら、バレエやピアノのレッスンに似ています。全ての指摘を一度にしたところで、消化不良になるだけだと言えます。
4: 「時間に余裕があれば、ミスなくできる」
往々にして、教育業界では「高ストレス下でミスが生じている」ことばかりが一人歩きして、「時間制限をつけた高ストレス状態を作って、その中でのミスを無くす」という練習ばかりをやっていくケースがありますが、これは段階としては一つ早い、と考えております。
そもそも、ケアレスミスが多発する子供は、「自分の中での、大丈夫(ミスはない)」の基準が低く、時間がいくらあってもミスが発生するケースが頻繁にあります。まずは、「自分の中での、大丈夫(ミスはない)」が、本当に大丈夫(=ミス無し状態)になるまで、仕上げる必要があります。
ここでは、本人の持っている「”正確に行う力”の最大値を向上させる訓練」をご紹介します。
絶対に解ける(計算)問題を複数選択する(3-5問)
制限時間なく、何回見直しても良い、本人が完璧と判断するまで行う
全問正解を目指させる
正解できなかった場合、ミスパターンを分析して、記録して本人に自覚させ、解決策を入れると同時に、「どうしていれば防げたか」を、本人に考えさせて、自分の言葉で記載させていく。
これを1-2日に一回ペースで行っていくことで、自分が持っている「絶対にミスがない。大丈夫」という自覚と、実際に大丈夫な状態を一致させていき、行動の変化を促していくことが出来ます。つまり、本当に慎重にミスなく行うという型を形成していくことに繋がるのです。
5: 「時間を短縮しても、ミスなくできる」
4 の正確性限界値向上訓練において、時間制限なく全問正解が10回程度連続して続いた段階で、次は時間の制約をかけて、少しずつ短い時間にチャレンジしていくことです。
ここでも、
解答した問題の正答率は100%を目指す
時間はそれまでの最も短い時間を目安にする
全問正解が3回続いた段階で、時間制約を更に強くしていく
という流れで、時間を短縮しながら、要領よくミスを無くす行動を取れるようにしていきます。
以上
お子様がケアレスミスを完全に無くしていく為の5つのステップを記載させて頂きました。人間は、あくまでも人間であって、機械ではありません。従って、正しい入力をしたからと言って、決して直ぐにアウトプットに出てくるものではありません。そして、正確に行う力は人間よりも機械の方が上手であります。ただし、人間は間違いを解釈し、それを改善する力と、改善したいという意欲を持つことができる点で大きく機械を上回ることができる存在でもあります。ここで記載させて頂いたステップは、人間の人間らしい弱さや強さに配慮した形での、方法を記載させて頂きました。実際に活用する場合には、勿論個々人のお子様に合わせたアレンジが必要になってくるとは思いますが、この記事を参考にして頂くことで、一定の筋道を立てることはできるのではないかと思います。
お子様のケアレスミスを解消しようという保護者様の少しでもお力になることができれば幸いです。
▼参考記事