たこ先生の軌跡 -コベツバ武装で灘・開成を突破した親子の取り組み(SAPIX生)

成績変化

 3年生4年前期4年後期5年前期5年後期6年前期6年後期
マンスリー・復習テスト64~7070前後70前後69~70前半70前半70〜76 
組分けテスト
サピックスオープン
(6年前半まで)
56~7070前後80超69~70前半70前半70~7670~73

コベツバを始めたきっかけ

お母様がコベツバをどのようにご存知になったのでしょうか。

お母さま
我が家では、4年生の初めからコベツバを始めました。子供が同位角が分からないと言い出し、親も説明することができなかったためです。大人が教えると、「こうだよ」と終わってしまい、何度も説明しても理解できず、ケンカになることもありました。

そんな時、コベツバを知り、子供にとっても大人にとってもクリアでわかりやすく落とし込める解き方に魅力を感じました。また、ポイントを使った学習の順序や形態も魅力的でした。すぐに動画を見て理解できるようになったため、子供がやりたがると感じ、先取りの発進にも使えると思い、コベツバを始めました。

4年生 コベツバweb授業で先取りを始める

最初はテキスト解説スタンバイの方も利用されていたと思いますが、なぜコベツバウェブを利用することにしたのですか。

お母さま
SAPIXの解説動画が非常に優れていたためです。大人から見ても良質な教材であり、子供から見ても理解しやすかったため、余裕が生まれました。

最低限のラインは決めておき、余裕ができたので、次は何をやるか考えるようになりました。コベツバwebを始めたのもそのような理由からです。背景には、コロナで学校が休校されたこともあったと思います。4年生の始めはまだ勉強量が少ない時期でしたが、少しずつ進めていくうちに、ウェブテストがあったり、先生の講評があったりと、楽しめる段階に入っていきました。このまま続けていたら良い成果が出るのではないかと思い、ウェブも利用するようになりました。
 
SAPIXは、2年生から通われていたのでしたね。
 

お母さま
はい、2年生の終わりから通っています。ただ、特に意図して通っていたわけではありません。近くの校舎に通いたかったので、残席情報を見て、3年前くらいに入ることができました。当時はまだ電車に乗って通う必要がある可能性があったので、早めに入っておいた方が良いと思いました。

4年生の週間スケジュール

▼平日の家庭学習時間:合計19時間

算数:9.5時間(コベツバ併用)
国語:2時間
理科:5時間
社会:2.5時間

休日の家庭学習時間:合計11時間

算数:6時間前後(コベツバ併用)
国語:2時間
理科:2.5時間
社会:3時間

 

4年生、5年生、6年生で週のタイムスケジュールを出していただきました。4年生のスケジュールを見て、時間がこれだけあるのかと驚きました。私自身も受験を経験していますが、4年生の時にこれだけ勉強していたとは思えませんでした。このスケジュールは、お母様が決められたのでしょうか。

お母さま
まずは最低限のラインを決めました。SAPIXのテストやマンスリーの範囲内で勉強し、余裕ができたら、勉強を孤独にするのではなく、一緒に楽しく学べる環境を作りました。机に向かってずっと勉強するのではなく、途中で雑談を入れたり、問題に関わる雑談をしたりしながら、時間を使っていました。

具体的には、算数の時間帯を決めて、SAPIXのテキストを終わらせた後にコベツバをやっていました。コベツバが一番時間を取るため、難しい問題は寝る前まで取り組むようにしていました。難しいことを先にやってしまうと、次回からやる気が起きなくなるためです。

コベツバを先に学習してると、サピックスの内容につまづきはない

おっしゃってた同位角について、少し躓かれたということでしたが、4年生のサピックスはタイトすぎないと思いますか。同時にコベツバウェブとSAPIXを進めていくことで、子供たちに負荷がかかることはなかったのでしょうか。
 

お母さま
意外とコベツバの方を先に進めていくと、サピックスの教材レベルでつまずきは生まれてこないですね。ほぼ。
 
そうだったんですね。この時期からサピックス教材でのつまづきはなくなったんですね。
 

お母さま
はい。サピックスの教材で何か間違えたと思ったら、まずはコベツバの解説を確認して、自分でしっかり理解した上で、答えを忘れた頃の翌週か翌々週に確認するとスムーズに解けるようになっていました。その繰り返しで、6年生までずっと同じやり方で進めていました。
 
サピックスのテキストも当日中に解いていたんですね
 

お母さま
はい、基本的に当日中に終わらせていました。

間違えた問題だけでなく時間がかかった問題まで解説をみる

コベツバの解説を見ながら学習していたんですね。
 

お母さま
はい、そうです。間違えた問題だけでなく、時間がかかった問題に関しては解説を見ていました。正解していた場合でも、回りくどい解法を使っていたと感じた場合も解説を見ました。それを使って、理解できる範囲まで行き、一旦終了して、次はコベツバwebに移りました。
 
月曜日は、先週間違えたテキストの問題の復習と動画視聴をして、その後コベツバwebに入る感じでしたね。4年生の算数のうち、サピックスのテキストとコベツバWEBと比率は何対何ぐらいですか。
 

お母さま
2対8ぐらいですね。サピックスのテキストが2割、コベツバWEBが8割です。時間の使い方が重要だと思います。コベツバWEBに力を入れると、サピックスのテキストも簡単になっていくので、次第にその比率は普通になっていきました。6年生になっても同じように続けました。
 
コベツバWEBには、まだSAPIXでやった分野が出ていないこともあるので、逆も同じだと思います。コベツバはコベツバWEB、テキストはテキストという風に、それぞれ特色を生かして取り組むのが良いと思いますね。
 

お母さま
そうです。コベツバWEBには週に1回のWEBテストがあるので、その単元の勉強に合わせて学習しています。テキストはそのまま勉強するので、両方とも復習になります。コベツバwebで見かけたものが、授業で出てくることもありますし、授業で学んだことがコベツバwebに出てくることもあるので、両方を上手に使っています。SAPIXではマンスリー単位でテキストを進めていますが、コベツバは週単位のWEBテストでテキストを進めています。

ポイント動画を見て、手を動かして理解することが大切

実際に、4年生で知らないことを勉強していくわけじゃないですか。ポイント動画、解説ありますけれども、どうでしたか。
 

お母さま
確かに、難しいですよね。子供にとってはポイントも、先生何言ってるかわからないような内容もあったと思うんですけど、ただ見るだけではダメだと思いますよ。ポイントを見るのは大切ですが、それを解いてみないと分からない部分もあります。

手を動かして、今見たことと、やってることを繋げていくと理解が深まると思います。それが大切なので、始めはポイント動画と、出ている教材の照合みたいな形でした。ポイントを見て、これかって思ってからやっていく感じですね。最初は少しずつですね。いきなりポイント見て、先生が言ってることが分かったみたいな感じにはなりませんでした。
 
コベツバweb授業を勉強する時はどんな順番で取り組みましたか?
 

お母さま
まず、コベツバWEBは寝る前の時間を使うようにしていました。コベツバWEBを始めたら、他の教科は触らなくなってしまうので、全て他の教科を終わらせて、復習全部終わらせて、やるぞって言ってから、ポイントを見て1問ずつやっていくという形でした。

始めの方は、答えが合っていても解説を再生していたと思いますね。4年生の本当に始めの頃は、自分の解き方が合ってるかどうかも分からないので、合っていたとしても解説を見ていました。

コベツバwebの教材だと、基礎の後は標準の問題に変わって行くので、標準やったら順を追って標準をやって。1周目では応用まで手を出していませんでした。
 
自分で最後まで解き切ったら、今日は終わりね、という感じですか
 

お母さま
そうですでね。やっぱり標準を終えるまでに、かなり時間がかかります。

基礎と言えども難しいし、標準に入ると、4年生からしたら、もう応用じゃんみたいなレベルになってしまっています。なので、答えが合ってるかどうかというよりも、やり方含めてのお勉強を最優先にしていました。

並行して復習分も回してたりするので、それが終わったら終わり。

標準レベルでも難しく感じたけれど、ちょっとずつできるようになるしかない

6年生で習うようなものも、結構標準だったら入っているとは思うんですけれども。それに関しても、わからないって言いながらも食らいついていった感じですか。
 

お母さま
そうですね。確認テストに参加しても、全然点数も取れなかった時も結構あるのですけど、でもそれって、いつやってもスタートは分からないところから始まると思うんです。

もし、基礎ができたのであれば、次はやっぱり標準に進むんだと考えていたので。でも、取り組んでいると、最初は分からないことも、ちゃんとわかるようになるんですよ。もちろん、1回2回じゃわからないんですけど、何回かポイントを見て、違う問題に色々当たっていくうちに、感覚が磨かれてきます。

本当に最初は難しすぎて、手を付けられないみたいなものもあったんです。特に「速さ」です。でもやっていくうちに、ポイントを見て、見たことを再現してみる。再現できなかったら、もう一回見てみる。再現できたら、もう一回解説見てみる。一歩戻って一歩進んで、一歩戻って一歩進んでっていうふうにやってました。

4年生のうちは、応用はやらずに基礎・標準を数ヶ月後に復習

コベツバWEB授業は、4年生の時点で全部終えて2-3周してる状態と伺ったのですが
 

お母さま
4年生はだいぶ時間があったんですね。コベツバweb授業の確認テストで応用に行くよりも、基礎と標準を固めないとと思いまして。

コベツバは最初、「数の性質」からカリキュラムが始まるじゃないですか。例えばの真ん中くらいまで進んだ時に、数の性質の基礎・標準をもう一回、復習として、毎週順番に進めました。
 
なにかこう、やり方としてルーティーンがなにかあったんですかね。決まり事というか。
 

お母さま
そうですね。大体3〜4週前のものを、同時平行で動かす。流石に、その週のメインのものと同じペースでは動かせないので、例えばメインは1週間で動かすスケジュールだけど、復習の分は、1〜2週間とって動かすみたいな形です。

緩やかな復習をずっと何の教科に関しても動かしていました。そうすることで、やっぱ定着してくるので、そこすごい大事だなと思って。

他教科においてもスパイラルで復習を行う

これは算数に限らずっていう話ですよね。理社に関してもそうさせてたんですよね。

 


お母さま
理科・社会も必ず復習、復習でしたね。特に理科は、毎週、毎週違う単元なので、それを1週間に消化しきってマンスリーテストに向けて仕上げないといけない。

うちはテキストの解き直しを、少しずつ。確認問題が10とか12ある中で、それを2ページずつにして、復習をかけてやってましたね。

5年生の週間スケジュール

▼平日の家庭学習時間:合計21時間

算数:11.5時間(コベツバ併用)
国語:4時間
理科:3.5時間
社会:2時間

休日の家庭学習時間:合計23時間

算数:11時間(コベツバ併用)
国語:2時間
理科:5時間
社会:5時間

5年生ではコベツバweb授業の教材は応用マークのみ復習

次に、5年生は、多分サピは週3回になってますよね。国理社と。でも、ほとんどSAPIXのテキストをお勉強になってる時間がないですね。


お母さま
コベツバWEBを2-3周していたので、5年生のサピックスのテキストも困ることはなかったんですね。テキスト自体に時間はかからないですね。コベツバで学んだことの、復習がテキストでして、コベツバの方が圧倒的に難しい!と言いながらやっていました。

でも、テキストで間違えた問題が応用マークが付いてる問題だったりとかすると、怪しいなと思うので、そこをもう一回復習したり、同じポイントを使った教材とかで、復習していました。
 
お母様が復習の時間というのを設けてたんですか
 

お母さま
SAPIXはテキストを一番先に終わらせて、3〜4週間前の復習分を終わらせて、そしてメインのコベツバweb授業やトップガン特訓に入ります。メインはやっぱり一番時間がとられるので、一番最後でしたね。

SAPIXのテキストは1時間もかからないぐらい、復習分は1時間ぐらいでしたね。

復習分は、面倒にならないうちに動かそうと考えていて、やっぱり1ヶ月ぐらいがちょうど、理社も、算数も、忘れきってないけど、覚えてないっていうのが多分それぐらいの時期なのかなって感じていました。
 

5年生のうちは不安なポイントまで立ち戻って丁寧に確認

やり方も間違えた問題を復習していましたか
 

お母さま
コベツバだったらポイント動画ですね。6年生になると、見なくてもいいようなポイントが増えたんですけど、この5年の前半の時期ですと、まだまだポイント動画での学習も大事にしていました。

間違えたポイントが大丈夫か、間違え方によってポイントを見直した方がいいか、子供自身の感覚が育っていたので。自分からポイント動画を見返したり、解説を見て。一度、もう一回自分で解答を作っていました。
 
メインである、コベツバweb授業やトップガン特訓はどうしていましたか?

お母さま
5年生の前半はポイント動画を先にみてました。

ポイントを見て、問題を解いて、解いてるときに不安になればもう一回ポイントに戻ってます。

もう一回ポイントを見て解いて、そして解説を見てって形でした。

トップガンも同じように取り組みました。自分なりに答えをしっかり考えてから考えてから解説に入るようにしてました。

コベツバwebでしたら毎週の確認テストをベンチマークにして、勉強していましたか

お母さま
はい。自分で進みを決めちゃうと伸びたり、漏れがあると思うので、やっぱり毎週のテストのスケジュールにきちっと合わせて、範囲の単元を集中的に取り組む。そして、来週は違うところを集中的にやっていくってやり方が、綺麗だったかなと私は思います。

マンスリーや組分け前に特別な勉強をしなくて良いように復習を回す

サピックスのマンスリーや組み分けテストへの対策はいかがでしたか

お母さま

対策はなかったですね。なぜかというと、やっぱり普段から復習を回してるので、特にそこに向かって何かしなきゃならないってことがなかったですね。それは全教科共通して、直前になって慌てるってことはなくて、普段からやってるから、もうそのまま行く感じですね。

算数のセンスはない。天才ではなく努力で勝つから逆算で。

お母様のアンケートの中で「算数のキラリと光るセンスがないと思ったので」というお話があったんですが、具体的に何かそう思ったのは何かあるんですか。私、全然そう思えないっていうかあれなんですけど。

お母さま
はい。センスのある方って、一定いらっしゃる。でも我が子は解き方を見ていると、センスはなさそうだ、と。本当に何かしないと駄目だなと思いました。

その初めの同位角の躓きだけではなく、簡単なことを何度も説明しても理解できない。人が多分1回でわかることを3回くらいしなきゃいけない、そういう感じが親から見るとありました。

息子は決して天才型のような、才能があるタイプでなく、努力で3年間やっていかなきゃいけないタイプだなって最初に思いましたので、大人である親が逆算をして考える必要がある。コベツバといういいものがあったな、という感じです。
お母様そういう風に思って、息子さんが素直に最初から頑張れたのはなぜでしょうか。

お母さま
最初の分からない躓きがあった時に、コベツバに出会ったんですね。先生の解説を始めてみた時に、息子がとても感動して。もう目から鱗。「こんなかっこいいことができる!」と。

こうなると、ここで親は乗せに行くと言いますか、そのまま先生の解説だったらわかりそうだと。

このテキストも、これもできそうだってなった時に、彼の中でやっぱ「できる」というちいさな成功体験ができたんですね。そこが非常に大きかった。

やって学べばできるようになるんだ。分からないままじゃないんだって思えたのは、すごく大きかったですね。
この4年生の時から、コベツバweb授業のテストに参加されてたと思うんですけど、なかなか点は取れなかったとおっしゃっていました。顔は見えないけれども、対戦相手がいるとしたら、5年生6年生の人たちとも競っていることについて何か言っていましたか

お母さま
先輩たちは化け物のように思っていて(笑)
自分だと本当10点、20点しか取れないようなテスト100点とかありましたね。

でも憧れでもあったみたいで、もし自分が何年後かに高学年になった時に、そんな点数取れるのかな、みたいなことはすごく言ってました。本人も意識してたんだと思いますね。
コベツバの質問でもいただくんですけれども、今のお母様の話を聞いていると、やっぱり先取りすごいなっていうのを思うんです。

でも、実際に今、走らせているお母様とかからすると、先どりを迷ってる親子も、結構いらっしゃると思っていて。

結局SAPIX自体も、ずっとスパイラルなのであれ自体も何回もやるから、そこのカリキュラムに乗っていけばいいんじゃないかっていう意見もあったりするんですね。迷われてる方も結構いらっしゃるかもしれないのですが、何かご意見はありますか。

お母さま
目指す学校にもよりますが、やっぱりサピックスだけだと復習は、かなり甘いです。

後はポイント動画。コベツバにあるポイントを全部網羅していこうと思ったら、SAPIXの方が抜け、漏れもあります。

毎週のテキストを走らせるに当たっても、他の教科でも難しいことが出てくるので、算数で先取りで余裕があると、すごく他の教科にゆとりが出てくるので、4科総合で伸ばせるというのもすごくメリットだと思うんですね。

算数に関しては、先取りできる子は、絶対やった方がいいと思っていて。先取りもやっぱり天井があって、必ず終わりがある。

もう1周塾で、先取りと同じことができるんですね。やっぱり一周しかしてない。二周しかしてないっていう方達よりも、大きなアドバンテージをもてることになるので、そこが私は凄くメリットだと思いました。

トップガン特訓を5年生から始める

トップガンについてお伺いしたいと思います。まずはじめようと思ったのはなぜでしょうか

お母さま
5年生のこの頃になると、コベツバWEBのおかげで算数に磨きがかかって自信が持てるようになりました。そうすると志望校がだんだん高いところに変わっていったのでトップガンを始めようと思いました。

それも先取りと同じで、人より先に終えていると、もう一周、もう二周して、だんだんと強くなれるんじゃないか。できることから、小さいことから始めていくっていうのがいいかな、と思いました。
トップガン特訓はやはり難しかったですか?

お母さま
サピックスのテストが、この頃には簡単に感じられていたんですね。でもトップガンを始めた頃に、「え、こんなものを解かないと受からないんだったら、俺はどこにも受からない」と思ったらしいです。彼は。

本当に難しくて、教材を終えて確認テスト行くまでに息切れしている印象があったんです。でも、それでも小さな「分かる」を重ねて行った形ですね。「ここは分かる。ここまでは先生と一緒だった」とか、「ここからがダメだった。じゃあ、その理由は何だ」みたいな感じで、解説と共に成長していきました。
食らいついていく、彼のそのモチベーションは何だったんですかね。

お母さま
「できるようになってきた」っていう、今までの小さな成功体験でしょうね。

web授業も初めは分からなかったけど、分かるようになった。成績もかなり上がってきた。自分は目指す高い学校に行けるかもしれない。目指せるかもしれないって思った。

でも、いつだって入口は分からないものだっていう風に思えている。
その小さな「わかる。ここまでの解説が分かる。次やった時はここまでわかる。6年だったら全部わかる。」みたいな形で小さな「分かる」を積み重ねて、わかるようになったっていう経験自体が彼の多分モチベーションだったと思います。
このクラス帯だと、本当の算数のセンスのキラリと光る天才君がいらっしゃると思うのですが、息子さんご自身はどう思っていたのでしょうか。

お母さま
自分は努力型だっていうのを、自分自身で言っていました。
「センスがある子たちを、負かしたい。もう負けたくない」そこですね。

やればきるようになる。できるようになったら、戦えるようになる。それこそ武器が持てる状態になる。
他の子と比べて時間はたくさん使っていると思いましたか

お母さま
正直、他も同じ感じでやってる印象でしたね。

うちもかなりの時間を割いていたので、親として、本当にここまでやることが正解なのかどうか分からないっていう時期がやっぱあるんですね。これだけが人生じゃないし。そんなことを、途中でやっぱり思っちゃう時期とかあるんですけど。

でも、同じ成績帯の子たちは、同じような時間の使い方、塾の使い方をしていたので、「みんな家でやってんだな。あんなに賢いのにやってるんだな」と二人でいつも言ってましたね。
トップガンやってて、やっぱこれ良かったなっていうか、効果みたいなところはいかがですか?

お母さま
まず、大型の難問にひるまないですね。出会った時、うっと思わない。

十分難しいことやってるので、これ解けたら、他より上にいけるんじゃないみたいな、そっちの方の自信があるっていうのが一つと。

技術の応用性を問われる部分なので、解法の幅が広く持てる。難問に対して、色んなところからアプローチできるような見方になるかなと思いますね
努力型、最難関目指すっていう子にはおすすめでしょうか。

お母さま
ぜひやっていただきたいですね。

やはり、難問に対してひるまなくなる。手が動かないなんてことも多分なくなると思うんですね。何かしら解法に、正解に向かって進んでいく。

先生の解説を見てると、トップガンは技術だけに寄ってるわけじゃないので、思考の部分。書き出し方とか、考え方とかも学べてだんだん先生に似てくるので。

ケアレスミスへの向き合い方

時間内での確認の作業や、見直しの作業が上手になりましたっていうお答えがあったんですけど、ここはコベツバweb授業の確認テストの勉強してる最中にってことですかね。
 

お母さま
確認テストを受ける最中に、テストの時間制限があって、応用だと25分。標準だと20分。

その時間内に確認までして、答えを提出するっていう、その器用な確認方法を自分ですごく編み出していますね。ぱっと問題を俯瞰した時に、この問題構成だと一番最後に帰ってこれないから、一問一問確認しておこうとか、これぐらいだったら、一番最後まで行ってからもう一回解き直せばいいんだとか考えていましたね。

ミスもやっぱり、テストの中で発生するので、ミスのパターンも自分の中に落とし込めるようになっていました。

確認テストの提出ってかなり彼的には勇気がいるみたいで、その中で高得点を目指したいと思ったら、確認をするだとか、入力ミスがないだとか、そういうことをきっちりしてあげて、提出していたので、多分そこで身についたんですね。

6年生前半期のスケジュール

▼平日の家庭学習時間:合計26.5時間

算数:14.5時間(コベツバ併用)
国語:4時間
理科:5.5時間
社会:2.5時間

休日の家庭学習時間:合計20時間

算数:7.5時間コベツバ併用 / 2時間そのほかの教材
国語:3時間
理科:5時間
社会:2.5時間

6年生前半になりましたが、サピックスの学習への負荷は変わりましたか?

お母さま
負荷はあまり変わりませんでした。得意単元であれば、ほぼ全問正解。時々、応用マークがついている問題は1、2問間違えることもある状況です。苦手な単元は難易度に関わらず5問程度間違えることもありました。家庭学習では実戦編を一通り終わらせていました。
6年生前半といえば、土曜特訓が始まるかと思いますが、そちらはどうでしたか?

お母さま
その日の帰宅後当日に全てを終わらせるので、4教科で2、3時間程度です。
ただし、算数の家庭学習はNプリントのやり直しのみでした。
模試のテスト直しはどうなされていましたか?

お母さま
テスト直しは帰宅後、自己採点をしてすぐに行いました。つい何時間か前に答えを求めてうなってきたばかりの問題はやり直しに納得感を持てると印象が強く、特に知識系は長期記憶につながりやすいと考えています。
6年生前半も基礎力トレーニングに取り組んでいたんですか?

お母さま
基礎力トレーニングについては、あまりにも易しい内容であったために子どもが「おもしろくない」と言ってやりたがらず、やる、やらない、でまず親子で軽く揉め事が起こり、そして、そもそもやる気がないので簡単な問題を間違える。ここまでくると親子のバトルに発展するという事件が頻発してきたので、毎週のコベツバWebテスト参加により算数の復習がある程度のレベルで徹底されていることを理由に6年では完全に取り組まなくなりました。
5年生から6年生前半になって、何か変化はありましたか?

お母さま

前半戦は5年時の復習が中心で、社会以外は思っていた以上に時間があったので、5年時の復習を一部交えつつ、だんだんと志望校を意識した学習へと変化していったと思います。授業もまだのんびりとしており、5年時と変わらずサピックスでの順位をモチベーションにしていました。

扱う内容につきましては、社会は完全に新単元である公民全範囲を短時間に学ぶので、それまでに地理歴史の積み残しはないに越したことはないと思います。公民を学ぶ間は社会に時間をしっかり割いて、公民についてはその先復習単元がまわってこないので、その時にすべてを明確に理解する姿勢が大切でした。その間、まだ5年の復習を扱う理科や算数が少し楽なので、一定のレベルに達していれば、算数の時間を少し削っても新単元に対する貪欲な姿勢が必要だと思いました。

かと言って算数をおろそかにしていいわけではないので、一定の勉強時間の確保をし、攻めるところ(TopGun)と復習するところ(コベツバWebテスト)の両立は引き続き行いました。コベツバのテストが開催されるスケジュールにあわせてコベツバのテストに取り組み、塾の授業に出ていれば十分だと考えていました。

前半の授業スピードは決して速くなく、5年時にしっかりと学んできた者にとってはこれが6年でいいの?という感じです。
本人にも受験生の自覚がないのでは、と思うほど、まだ勉強で遊んでいました。
我が家はこの頃に、灘中合格へ向けて浜学園との兼塾を行い、灘の志望校別特訓(灘中合格特訓、夏以降は灘の日曜志望校別特訓)を始めたので、少し時間は厳しめだったかもしれません。
浜学園は西宮に所属していましたが遠方のため、授業に参加していたわけではなくテキストが自宅へ郵送されてきて欠席Webの配信により講義をみられる形です。
算数についてはコベツバで培ってきた技術が相当強力だったので、間違えた数問の問題のみの解説を見るだけで済んでいたので、そんなに負担はなかったです。

新6年生になるみなさんに、特に6年前期について「これが役立った!」「こうしておいてよかった」「こうしておけばよかった‥」と言う経験談はありますか?

お母さま

先ほども申し上げたように、算数が得意な方はどんどん先取りをするのが良いと思います。
ただ、通っている塾ベースでつまづきがある場合にはその日、その週、その月などで消化不良がないように、つまづいている単元の徹底が優先ですね。先取りも方法を誤ると効果がないので、コベツバを利用するなど、親子で納得して方向性を間違わずに志望校に向かっていけるような取り組みが必要だと思います。

5年生では理社の徹底も必要で、6年になってから出てくる新単元はそれほど多くなく、また土台として5年生の知識を必要とするものがほとんどです。5年生での積み残しは、受験の天王山と呼ばれる夏、そして過去問や各塾の志望校別特訓など、秋以降の志望校に合わせた取り組みで支障が出てくるので、今からでも必ず間に合うので、復習の徹底を強くおすすめしますね。

振り返ると復習を徹底的にできたのは、6年前半までです。

夏以降は物理的に時間がないという理由と、授業自体が復習にあたるので授業の進度がものすごく早く、一度の授業で扱う範囲が広くなるので、広く浅くの授業になる傾向にあります。

例えば5年で初めて天体を扱ったときはテキスト3回分=3週間かけてやっていたことが6年ではまとめて1回のテキストになっていたりするんですね。もちろんそこに5年時の積み残しがあれば、算数が大変なときに理科もパニックという悪循環が生まれてしまいます。

ここで効いてくるのが算数の先取りや、5年時や6年前半で徹底しておいた復習だと思います。どちらかに余裕を持っていれば、必ず取り戻すことができます。

また、国語は最後まで伸び悩みますが塾の授業と家庭学習をきっちり(本当にきっちり!)やっていれば「それなり」に、しかし「しっかり」仕上がる印象です。その中でも、算数にはもちろん一番時間を割いて攻め気味の姿勢で取り組むことが、入試日当日に向けての精神的余裕につながるうえ、入試当日に至るまでの苦しい時期の精神的、時間的余裕につながると思いました。

6年生夏休みの過ごし方

夏休みはサピックスの夏期講習に行かれたかと思いますが、家庭学習では何に取り組んでいましたか?

お母さま
宿題の指定はなかったのですが、実践編すべてに取り組みました。間違えた問題は時間をおいてもう一度印をつけて、折を見て再び登場させていました。
志望校が灘ということですが、夏休みは灘特訓を受けましたか?

お母さま
SAPIXのお休みを利用して、春から兼塾していた浜学園の灘猛特訓に参加しました。タイトなスケジュールの中で関西へ遠征となることから二の足を踏んでいたのですが、本当に行ってよかったです。灘形式の実戦演習は東京ではかなわないことですし、とても良い経験だったようです。
10傑に名を連ねて帰ってきたことは灘入試でも十分に戦える力をつけられているという自信にもつながりました。
大変お忙しい夏休みだったかと思いますが、コベツバには取り組んでおられましたか?

お母さま

コベツバはルーティン化していたので、時間の捻出には苦労しませんでした。
WebテストやTopGunのテストで高得点をとることが息子のモチベーションだったので、毎週のWebテストの対策にあたる該当単元の復習を徹底することにすごく効果がありました。
忘却も防止されるので一定のレベルが担保されるうえに、復習を重ねていくことによってレベルも上がっていったように思います。

開催される単元に合わせてその単元の復習を徹底的に行いテストに参加することで全単元一定のレベルが保たれていまいた。

また、学校での暇を見つけて作成した交流コーナーに書くためのネタ帳みたいなものもあり、あまりに時間のないときは100字に収まるよう、添削を頼まれるときもあったり、テストのコメントにくださる先生の講評もとても楽しみにしていました。
なので、息子のモチベーションそのものがコベツバにありました。

過去問も夏休みに始められたんですか?

お母さま
灘中の過去問も夏休みから解き始めました。
6年生の夏休みについて、後輩に何か伝えることはありますか

お母さま

やった方がいいかも、と思うことは全部やってみたら良いかと思います。夏休みはスケジュールもハードですが、学校がないので時間は作れます。ダメならダメだった時にまた考え直せばよく、やってみると案外それ用のスケジュールがきちんと出来上がります。

夏休みでどうにかなる、という考え方も捨てたほうが個人的には良いかなと思います。
夏休みに一段上のレベルに上がろうと思うなら、夏休み前にすでに全教科整えておかねばなりません。夏休みに基礎を振り返ることのないよう、天王山と呼ばれる天下分け目の戦いに挑むのであれば、それなりの準備は必要かと思います。

大変だったのは浜学園のテキストで、難易度はSAPIXよりも高く、灘コースの夏期講習テキストは9月までかかりました。
あとはSAPIXの理科では新単元が夏休みに登場するのですが、その後の復習機会はほぼなく、1日1テキストで理解を深めることに苦労しました。

1日の学習スケジュールを教えていただけますか

お母さま
塾のある日は塾がある時間まで朝から5時間程度、帰宅後3時間程度です。
理科1時間半、社会1時間、国語1時間半、その他の時間は全て算数。

塾のない日は食事とお風呂以外はずっと勉強です。
理科3時間、社会1時間~1時間半、国語2時間、その他の時間っは全て算数。
夏休みもハードに勉強されていたんですね。サピックス生だと有名中が配布されるかと思いますが、そちらは取り組みましたか?

お母さま
4教科とも塾から指定されていた学校があり、提出は国語のみでした。
レベル別の表を頂いたので、算数は応用とされている学校(御三家、渋渋、渋幕など)はイベント程度に取り組みました。
理科は私自身が問題のチェックを行い、必要ないと判断した学校のものが多かったので浜学園の灘コース夏期講習テキストの方をメインにしていました。社会については最新データのものになるので、指定された15校分程度は全て解きました。 

いよいよ6年生後半戦。そのスケジュールは?

 

9月から12月の間、どんな優先順位で家庭学習に取り組みましたか?

お母さま

家庭で判断した上で、以下の優先順位で取り組みました。

1. 過去問演習
2. 浜学園灘コーステキスト
3. SS志望校別
4. SS単科
5. コベツバweb授業(コベツバくん特訓含む) / Top Gun特訓
6. 前期から続く平常授業
番号を並び替えて教えてください。ほとんど取り組めなかったものは入れなくて構いません。

過去問は夏から取り組みを始めたとのことですが、6年生後半になっても取り組みましたか?

お母さま

はい。灘は以前出題した論点を再度出題することがあるとコベツバ先生からおすすめされたため、熱望校の灘については全てを解きなおす形でもう一度時間を測って完全に取り組みました。

開成、筑駒はSAPIXでもかなりの数値変え問題や過去問からの抜粋問題にも取り組んでいたので間違えた問題のみ取り組みました。

併願校、抑え校の過去問は取り組まれましたか

お母さま
この時期には取り組まずに、入試2週間ほど前に1年分のみ取り組んだだけでした。
受験された学校別模試はサピック開催のものだけでしたか

お母さま
浜学園灘中模試にも参加しました。母集団が入試当日と相関性のある、しっかりしている模試を受けるとだいたいの可能性が測れていたいたように思います。
6年後期のコベツバ教材の利用方法について教えてください。

お母さま
コベツバWeb、TopGun共にテストの開催スケジュールに合わせて該当単元を復習してからテストに取り組みました。
コベツバWebではコベツバくん特訓が利用できたので、該当単元の特訓をよく作成して特訓していました。
まずは忘却防止の効果があります。次に穴の確認、穴埋めもできました。
6年生後期は、入試もいよいよ近づいてきたということでストレスの多い時期かと思います。お母様の心理状態や親子の関係は変化しましたか?

お母さま

まずは親の私に驚くほど不安がありました。どこの学校にも合格できない、全落ちの2月を迎えているのではないかと本当にそう考えることも多くありました。その不安から息子のミスを責めたりすることもあり、そんな自分を夜中に反省する日々が続きました。

演習やテストにおいても、目に見える確かな成長や合格への確かな手ごたえを感じたくなる時期でもありました。
良い結果を見ても、✕がついたところばかりに目が行き、このままではダメだと考える毎日で、息子をほめてあげることも少なかったように思います。

息子もだんだんと自信をなくし、第一志望は変えたほうがいいのではないかと考えたこともあったようです。
しかしそういった側面はありながらも、自らが行きたいと願う学校からの合格が欲しいという想いは変わらず、努力の先に光が見えない毎日だとしても、尽きることのないto doリストを消化し続け、ただ目の前のことを精度高くこなし続けていました。
喧嘩をして眠りにつく日もありましたし、もう受験なんか辞めてしまえ、と怒った日もありましたが、息子は受験を辞めたいと言ったことも、勉強を辞めた日も、志望校を諦めたいと言い出した日もありませんでした。
ずっと一緒に勉強をしてきたので、仲間のような関係性が変わることはありませんでしたが、この時期の精神面はもう登ることないジェットコースターのようでした。

6年生後半を迎える方に、何かアドバイスできることはありますか?

お母さま
過去問の取り組みについては焦る必要はないと思います。必ず得点力は上がってくるので、大事に取り組んでほしいです。

次に、塾の教材は演習中心になるので、穴埋めをしっかりしましょう。やることが非常に多い時期になるが、ミスやミスの原因をしっかり明らかにして、なぜそうなるか、間違えた問題との向き合い方を大事にして欲しいです。類題を解いてみるなど、解法の確認も怠らない。12月以降の伸びへとつながると思います。(類題はコベツバくん特訓で検索できます)

そして、子供にはしつこく付き合うこと。この時期は不安も多く、受験勉強はとても孤独です。子供が解いている国語の本文を読んで感想を言い合うだけでも共通の話題が持つことができました。子供をモチベートすることが大変でした。もう後半の時期といえど、子供にとってはつらい時期が長く続くように感じる時期です。大人でも早く終わってほしいと本当に強く思う時期なので、目の前の課題にきちんと向き合えているかどうか、先を見通すよりも目の前のことを確実にこなすことが大切です。

また、スケジュールは日々変化するので臨機応変にしましょう。思っているより進まなかったりすることばかりなので、調整日や調整時間枠を設けるとスケジューリングがうまくいくと感じました。

最後に、不安や心配から小言が増えるのもこの頃です。第一志望を目指すことに揺らぎを感じる時もあるが、あきらめない、揺らがない、子供と共通の目標は変えることのないようにどっしり構えておくことが大切です。

直前期の過ごし方

直前期になって、お子様の心理面での変化はありましたか?

お母さま
1月を第一志望校としていたので、通っているSAPIXの2月受験本命仲間や先生との温度差はあったように思います。

SAPIXでは常に上位にいたので、私自身は息子に11月いっぱいまでは毎日厳しい言葉をかけていました。実際、全ての受験校に合格できないことも十分にあり得ると考えていました。

ものすごい量を当たり前にこなす集中力はずっとありましたが、直前期のスイッチが入ったのはもう少し後です。
12月に入ったころに家庭で一度話をする時間を設けました。もうネガティブな声かけは終わり、ここからはもうポジティブにやっていこう、十分に力がついてきたはずだから自信を持っていこう、志望校によく似合ってるから絶対に合格できるはず、といった内容です。ここからは私の小言を封印しました。
12月下旬になると本人にも少し不安や緊張もみられるようになり、それと同時くらいに息子のスイッチが入ったようで予想問題でも8割を切らなくなってきました。その頃にようやく息子本人に自分は第一志望の灘へ合格できるかもしれない、と大きな期待が生まれました。この最後の追い込みは、本当に目を見張るものがありました。
直前期の講習は受講されましたか?

お母さま

通塾していたSAPIXの冬期講習、正月特訓に参加しました。
兼塾していた浜学園の灘コースの直前特訓を受講しました。こちらは遠方であることと、SAPIXの講習スケジュールと被っていたため欠席Web配信を利用させて頂き、テキストを自宅郵送、欠席Web配信にて間違えた問題のみ視聴しました。
あと、浜学園の灘中前日特訓、当日特訓にも参加し、こちらは関西に前泊して講義に参加しました。

もうこの頃になると、間違える問題がほとんどないため、塾ですでにやり直しが終わっていることが多く、帰宅後にその箇所をチェックし再確認する程度でした。
効果は、学力が向上した。というよりも全体的なチェック要素が大きかったので横ばい、もしくは穴埋め、の位置づけかと思います。難易度も高くないと感じました。

本命入試前の2-3週間、つまり1月前半はどのような学習方針で過ごしましたか

お母さま

算数は予想問題を解いてフォーマット練習をひたすら行いました。そこで間違った問題は直しをしたあと、どんなケアレスミスであっても単元を見直し、コベツバくんで出来るかどうかの確認をしたりしました。開成、筑駒はSAPIXの対策用プリントに取り組みました。
国語はひたすら志望校を模して作成されたものに取り組み、問題の形式に慣れ、レパートリーを豊富に持てるように意識しました。
灘の理科は関東とは一線を画すので、灘理科専用の取り組みをしました。予想問題や浜学園の灘コーステキストが役立ちました。灘中入試後は、筑駒対策にもう一度重点を置きなおし、てこと電気分野の確認、筑駒対策様にSAPIXの先生におすすめ頂いた聖光の過去問を行いました。
社会は積み重ねてきたものが相当な武器となっていたので、間違えた問題の知識を再確認、時々出会う新しい知識を入れながら、今年の重大ニュース、今年のデータを確認しました。
全体的に志望校に特化した対策を行うのがほとんどだったと思いますが、志望校が最難関である場合は範囲が膨大なので知識や技術の確認はほぼ全て行い、フォーマットだけ志望校に合わせるような形に近かったような気がします。

受験当日、お子様に何か言葉はかけましたか?

お母さま
たくさんかけたかった言葉や、なにかしてあげたいことがあったのですが、どれもなんだか違うような気がして、最後は門の前で無言で力強くぎゅっと握手してニコッと笑いあって送り出すことになりました。
振り向かずに自分の志望校へ入っていく姿に涙があふれました。
灘は2日間にわたる入試だったので1番苦しかったです。
1日目を終えてどんな顔で出てくるのか不安を抱えて待っていたのですが、息子を見つけたときにマスクからのぞく目元が明るい表情だったのを見て本当に安心したことを覚えています。
特に灘は、1日目、2日目と連続して入試がありますが、1日目の夜はどのように過ごされましたか?

お母さま
入試の出来はきかない方が良いと言われていますが、我が家は息子がすべてを話すので耳を傾け、知っていることは教えてあげて、灘の場合はまだ2日目があるので速報だけは見ないようにと釘を刺しました。
入試の出来をとにかく話したい子なので、こちらの声かけは必要がありません。というより、まず聞いてもらえません。
答え合わせに付き合い、間違っているところはやり直しをします。そしてその日起こったエピソードに耳を傾け、興奮を沈めて翌日にまた全力を発揮できるように夕飯を早く済ませて寝かせるようにはしました。
入試直前期にやっておいてよかったと思うことはありますか?

お母さま
予想問題です。

SAPIXではそういったものがなかったので夏以降実施され続けてきた「開成対策プリント」や「筑駒対策プリント」がそれに該当すると思います。灘中のものは兼塾していた浜学園のものが大量にあり、フォーマット練習が十分にできること、時間配分やミス発生のパターン、技術の抜け漏れを確認することもでき、力がついてきた直前は特に自信にもつながりました。

また、過去問の見直しも大切です。直前期になると対策しておきたいことがたくさんありますが、今年の灘中理科も以前に入試で出題された問題の改題などもあったので、特に過去問を加工して出題してくるような学校には有効だったと思います。(※学校によって異なります)
逆に今振り返って、あの時期にやっておけばよかったと思うものはありますか?

お母さま
ありません。すべてやりきって入試を迎えました。結果が悪かったときに悔しさはあっても後悔のないようにと毎日過ごしました。
当日試験に持っていってよかったものを教えてください。

お母さま

まず1つ目は、社会関係のテキストです。直前期には社会は完璧に仕上がっている状態なので、他教科にウェイトをおきデータや資料の細かなチェックを怠りがちなので、読み物程度で知識を確かめながら時間をつぶせたら良いと思いました。

次に、手につかないチョコレートやラムネです。朝ごはんを食べてからお昼までの時間が長いうえに、最大限に集中し神経も頭も使っているはずなので、糖分やブドウ糖の補給になればと思いました。個包装だと、その都度ゴミが出てしまうのでパウチタイプで溶けずに手につかないチョコレートということで、我が家では「ガルボ」一択でした。

直前期はプレッシャーなども多かったかと思いますが、親子間で心がけていたことはありますか?

お母さま
よく親は子供の前では役者であれ、という言葉を耳にしますが、私はまったく良い役者にはなれませんでした。子供に小言を言い、怒りもします。言い合いになったら大人げなく不機嫌丸出しにしたりもします。子供も私に対して同じようにそうします。

でもこの関係性は親子であるからこそ許されると思うのです。
子どもは、先生や友達にはそのような態度で接することはできないので、これはこれでよいのかなと思っていました。
私は子供とずっと一緒に戦ってきました。不安であったら、不安だと子供にそう言い、二人で笑ってきました。
各ご家庭の子供のタイプや、親がどれだけ勉強に関わっているのかで関係性はそれぞれ変わってくるかと思うのですが、親子でずっと机に一緒に座ってきた我が家の関係性から言えることは、俳優でなくていい、共に戦う仲間なら仲間割れがときにはあっていいと思うのです。
翌日にはお互い、笑い話にできることがほとんどです。子供がつらそうにしていたら励まし、腹が立てば怒り、努力をしているときには同じように努力を。
人間的な過ごし方でよいと思いました。
ただ、直前期や入試日当日は親も緊張します。
まずは溢れている情報に振り回されないこと。何かまだできることはないかと考えているうちに日々が過ぎていきます。健康管理を徹底し、入試当日、学校に送ったあとは腹をくくって待つだけです。子供の背中はとても立派に大きくなっています。

受験3年間を通して一番辛かった時は

お母様的に、ここがしんどかったなとかっていうのってありましたか。

お母さま
6年生の夏以降が、すごくしんどかったです。完成間近の状態で合格に向けて頑張る時期なんですが、過去問とかもやり出すと、やっぱり何をやってもできないとか、足りていないような感覚に陥るんです。

このような不安を抱えていると、今までなかったようなミスとかも目立ってくるのですね。それもだんだんまた不安に繋がってしまう。で、親もそれを見ると小言を言いたくなる。すごくそういう悪いスパイラルに陥っていって。

彼自身もやっぱなんか、思ってた自分と違ってたと言っていました。「自分はもっと6年の夏にはできてる予定だった、今まで結構自信を持ってやってきてたので、ここでこんな気持ちになっちゃうのか」と思っていたようです。
成績の変化を見せていただいた時に、客観的評価で言うと、サピックスオープンですとか、灘の模試ですとかっていうのも、ほとんど合格判定が80%70%っていうふうになってて、さっきおっしゃっていた、お母様とかお子様の不安と、この数字となんかこう客観的事実と、ご自身の不安とすごく乖離してるような気がしてるんですけど。この結果に関しては、あんまり甘んじてなかったってことですか。

お母さま
やっぱりできないことに目が行くんです。この時期は。今まで結構算数に自信を持ってきた自負とかもあるし、他教科も、まあまあ自信持ってやって来たのに、思わぬ失点があると本当にできないことばっかりに目が行ってしまいました。

入試が終わった今なら、数字だけ見ると「いけるじゃん」と思えるのですが、当事者である時って、もうどうしようもない不安しかないのです。

やっぱりSAPIXのマンスリーとかのテストよりも、入試はもちろん難しいので、どれだけ高得点取ってようとも、サピックス中学に行くってわけではないので。
その不安はどのあたりで払拭されたんですか。

お母さま
12月年末の頃ですね。

灘中の予想問題を解き始めたり、過去問の解き直しに取り組んでいた頃なんですが、できなかった問題がかなりアプローチできるようになっていたり、予想問題も8割を切らなくなって。

本当に何やってるかわかんないって、二人で言ってた夏を通り越して、さっと秋が過ぎてしまったんですけど、知らないうちに、ちゃんと力が付いてたんだなって思って。もう「あとはお腹くくっていくしかない!」みたいになったのは、年末です。
その力は付いてたんだねっていう、お答えがありましたけど、何かあの時あれやってたからねっていうのはありますか。

お母さま
コベツバでしょうね。始め、4年のうちは運が良かったのか、スタートから村中先生だったんですね。もうそこでずっと先取りを苦しみながら続けてきて、やっぱもう6年生にはだいたいは仕上がったかなっていう形ではいたので、そこでもう一周難しいことできるかなっていう形で、もう1段階復習をかけながら、こう難しいことを尖ってやっていたことが多分合格につながったと思います。

コベツバの利用デバイス

コベツバ利用にデバイスを2台使っていたの聞いたのですが

お母さま
はい。デバイスは再生専用の方のデバイスと、プリンターに繋げる方のデバイスです。

それ同じやつを使っちゃうと、コベツバ君の特訓を表示したり印刷したい時に、同時に動画再生ができないっていうことになるからですね。

あと交流コーナー用のデバイスです。大型のデバイスだと、すごく入力がしにくいみたいで、交流コーナーと印刷用のやつと再生専用のやつとで持ってましたね。

努力型のお子様でも頂点を目指せる

天才や神童みたいな子じゃないと、最難関に入れないんじゃないかっていう風に思っている親御さんとかたくさんいらっしゃると思うんですね。コベツバに取り組んでいても難しかったり、なかなか偏差値も出ない、諦めるべきか、そんな状況のご家庭に対して、何か話せることはありますか。

お母さま
諦めないでほしいですね。天才型の人は本当に一握りだと思います。

皆さん本当に努力してらして、周り見ても。我が家もそうでしたし。一生懸命小さなことを、地道に地道に重ねていくことが、だんだん大きなものになっていくんですね。

本当に目の前で壁にぶつかって、実際彼も志望校をあきらめようかと思ったことが実はあったと、こないだ言っていたんです。

私自身も、もうダメなんじゃないかと思うこともあったんですけど、やっぱり今やってることを信じようと、いつも息子と言っていました。

目の前でやっていること、自分のことを信じようと。大きな先を結果を見るんじゃなくて、本当に小さな、小さな分かるようになったことを積み重ねていけば。それこそ努力ですよね。その努力を大切にしてほしいなと思いますね。