Vol:3教えるだけでは、伸びないこと

プロの家庭教師として駆け出した私は、週に一回の指導を行っていましたが、気がつけば授業の前後に毎回保護者様と一週間の進め方についての先週の振り返りと、今週の進め方について、毎回相談をする様になりました。

それはどこまで行っても、お子様と接点が日々取ることができないからです。日々、お子様を伸ばそうと悪戦苦闘されているのは保護者様であり本人であるからです。

分からない問題をわかりやすく教え、それがテストで取れる状態、入試で取れる状態を形成する、それは非常に科目自体の知識の問題です。でも、知識を伝達するだけでは、やはりお子様は伸びないことが多いです。

「どういう方針で行うか」
「どういう計画で行うか」
「どういう声かけをすべきなのか」
「どういう反応をするべきなのか」

それが曖昧であればあるほど、努力は水の泡になります。

そして、ほとんどの保護者様はこのことに気づかれていて、悩まれていました。

私は、授業の前後に保護者様と必ずお話し、必要に応じて週の半ばでも保護者様とメールのやりとりを継続して行って行くスタイルで指導をしていった結果、大きな成績の向上が実現されていき、評判が一気に広がって、指導の枠が予約で埋まって行く様になりました。


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プロフェッショナル、とは結果に対して責任をもつこと、だと思います。

子供を伸ばすことは、問題をうまく教えることが出来る、というスキルは必要だけれども、それだけでは決して完結しなくて、伴走者である保護者様と協力しながら進めて行くことが必要だということです。

勿論、保護者様に出来ること出来ないことはあります。そこを踏まえながら、毎週の様に作戦会議を行って進めて行くことが成功に近い道だったと今になって非常に強く思います。

勉強だけを教えていると、なぜ、どこが、どういう理由で出来ていないのか、を掴むことは出来ず、未完成な人間である小学生が躓いている理由を察知できず、

「自分が教えている時は出来るのに。」
「自分は正しく教えているから、問題ないはずだ。」
「自分は正しい教え方をしているから、それで出来ないのは子供に才能がないせいだ。」

という思考に陥ってしまいがちなのですね。

日々子供の近くにいる保護者様からお子様の様子を聞いて行くことで、ようやくどこが問題で何を解決することで、浮上して行くのかがようやく見えてくるものなのです。

聞いて行くと、それは本当に些細な一つの歯車の噛み合わせの問題であることが多いのですが、子供にとっては本当に大きな一歩になるものだったりするのですね。

そして、その歯車を再度噛み合わせることは、教育のプロではない保護者様に要求すべきことではない、と私たちは考えてこのコベツバを始めております。

勉強する女の子